写真を撮ることにこだわりを持つアーティストや俳優による連載「QJカメラ部」。
土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森田美勇人が担当。2021年11月に自身の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
ライブって本当におもしろい
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第142回。
初めてのワンマンライブが終わった。
昨年、音楽制作を始めてから、毎日が期待と焦燥の繰り返しで、この日を迎える想像ができたのはほんの2、3日前だった。
日々に特別なことなんてそうそうなくて自分の拙い感情を曲に込めたところで誰の役に立つんだろうなんてぐるぐるしながら、それでも音楽を聴けば心が躍るから続けた。
当日はひどく緊張して震えた声が耳に入るたびにまた緊張するスパイラルに陥ったけど、ビビりきったら妙に冷静になってきてそれからは楽しさが込み上げてきた。
なんでもかんでも丁寧に仕上げたい性格を取っ払って最後は心のままに踊って歌えたことがこの日一番のうれしい出来事だったと思う。
あの瞬間に見えた客席一人ひとりの表情とかバンドメンバーの温もりとか袖のスタッフの笑顔とか、ああこれ好きだなぁって思うことが散らばってて、ライブって本当におもしろかった。
ビギナーズラックに恵まれたからきっとこの先もこの表現方法で進んでみようと思う。
とにかく、よかった。
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NAOYA(ONE N’ ONLY)、セントチヒロ・チッチ、工藤遥、RUI・TAIKI・KANON(BMSG TRAINEE)、森田美勇人、蒼井嵐樹が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。