火曜深夜に響く星野源の「バカじゃないの!」ANNで前代未聞の珍事が発生中

2020.3.24


しのぎを削る3つの箱番組。チーフD・石井玄も参戦決定!

そもそも『星野源ANN』で箱番組が初めて生まれたのは、声優の宮野真守がゲストに来た際のこと。宮野と声も外見もうりふたつだが、あくまで“16歳のアイドル”である雅マモルによる「雅マモルの恋はホップステップジャンプ!!」が2018年6月、2019年5月に2度放送され、「箱番組」の存在がリスナーにも印象づいた。

そして、2019年6月4日。星野はちょっとした遊び心でスタジオ入りするのを遅らせ、オープニングトークを構成作家の寺坂直毅に任せた。3分半ほど懸命にしゃべりつづけた寺坂を拍手で称えた星野は、思いつきで箱番組立ち上げを立案。『内田有紀 夜空にYOU KISS!』『南野陽子 ナンノこれしきっ!』『森高千里 千里の道も一歩から』などダジャレを使うのが恒例だったニッポン放送のアイドル番組にあやかって、寺坂の番組名は「寺坂直毅の駆け込み寺っくす!」に決まり、急遽その日に放送された。これが好評を博し、レギュラー化される。

「駆け込み寺っくす!」は“悩めるリスナーの駆け込み寺”で、“どんな悩みも39年間の色欲を絶つという修行により悟りを開いた寺坂が清い心と清い身体で答えてくれる”というコンセプト。寺坂は全国各地のデパート情報や『NHK紅白歌合戦』の歴史などマニアックな知識を活かしつつ、住職らしく真摯に悩みを受け止めてくれるが、思春期の男性リスナーの悩みに「ち○毛を切って部屋にばらまけばいい」と返答するなど時折サイコな面も飛び出す。

寺坂が病欠した際に始動したのが、サブ作家・宮森かわらによる「宮森かわらの恋のお悩みかわら割り」。この番組は“恋愛黒帯、デート十段こと宮森があなたの恋のお悩みを叩き割るようにして解決していく”という内容で、宮森がリスナーから届いた悩み自体ではなく、自身の回答の素晴らしさを「かわら○枚」と評価していくという特殊なルールを持つ。日曜朝のテレビ番組『サンデーモーニング』(TBS)で張本勲が言い放つ「喝!」をオマージュした「チェスト!」というかけ声が印象的。宮森は女性とのエピソードを欠くことがなく、リア充感が漂うが、星野は「箱番組に全力を出している気がする」と高く評価している。

宮森の箱番組でSEを間違えるという凡ミスをし、一躍有名人になったADの野上大貴が3番目に立ち上げたのが「野上大貴の生でガミガミいかせて!!」。リスナーから届いた怒りのメールを元にして、“時には共感し、時にはなだめ、ある時は励ますアンガーマネジメント・バラエティ”と紹介されている。元学生芸人で、2019年のM-1にも出場したという経歴を持つ野上は、SEやラジオドラマの声優などに両親を起用するという家族頼みの番組作りを大胆にも展開している。自らしゃべりながらディレクションするという古き良きワンマンDJスタイルゆえに、機材トラブルなどが起きがちなのもある意味で聴きどころ。月曜深夜に放送中の『菅田将暉のオールナイトニッポン』ではディレクターを担当しているだけに、いつも星野がそっちでは大丈夫なのか心配している。

この3番組を現在週替わりで放送。独自のノベルティを制作するなど妙に力を入れつつ、それぞれライバル心を燃やし、しのぎを削っている。同じ週に3番組を一挙放送、3人による合同番組なども実現。バナナマンの日村勇紀と共に放送作家のオークラが出演した際には「オークラの星野源にOh!クラクラ」という特番まで放送された。オークラが星野への思い入れを熱弁し、作家にも関わらず星野の前で弾き語りを披露し、深夜ラジオ界隈で話題となった。そして、今まで箱番組と距離を取っていたオールナイトニッポンのチーフディレクターでもある石井玄の特番「俺がオールナイトニッポンだ 石井玄のピカピカRADIO」の放送も決定している。

“令和を代表するラジオパーソナリティの序章”を夢想する楽しさ


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村上謙三久

(むらかみ・けんさく)編集者、ライター。1978年生まれ。プロレス、ラジオ関連を中心に活動。『声優ラジオの時間』『お笑いラジオの時間』(綜合図書)の編集長を務め、著書に『深夜のラジオっ子』(筑摩書房)、『声優ラジオ“愛”史 声優とラジオの50年』(辰巳出版)がある。

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