22名のハンサムが管轄外の歌、ダンスで魅せる“奇跡的な機会”『SUPER HANDSOME LIVE 2024』

2024.3.25
HANDSOME LIVE 2024

2005年にスタートしたアミューズ所属俳優によるユニット「チーム・ハンサム!」のファン感謝祭『HANDSOME LIVE』(通称「ハンサムライブ」)。これまで佐藤健や神木隆之介、吉沢亮など数々の人気俳優も名を連ねてきたこのライブが、今年も3月22日から24日にわたって開催された。

『SUPER HANDSOME LIVE 2024 “WE AHHHHH!”』をタイトルにした今回のテーマは、「20周年に向けて一緒に旅をしよう!」。

ハンサムの飛行機に乗って、さまざまな世界へと観客を誘う。出演者は総勢22名。昨年リリースしたミニアルバム『HERE WE AHHHHH!』を「エアチケット」として、さまざまな世界へと巡っていく。そこにあったのは高揚する最高のエンタテインメントだった。

本稿では、3月23日1部の模様をレポートする。

俳優たちが歌い踊る、圧巻のステージがスタート

オープニングを飾ったのは人気曲のひとつでもある「PARTY RIDE」だ。2024年ver.のラテンテイストなアレンジとなった楽曲を真っ白な衣装に身を包んだハンサムメンバー全員で歌い、踊る。客席はカラフルなペンライトがきらめき、サウンドも相まってお祭り感がアップする。この公演での出演者は18名。かなりの大所帯となるわけだが、めまぐるしく変わっていくフォーメーション、軽やかなステップ──。いきなり圧倒されてしまう。

普段は俳優として活動する彼らが歌って、踊る。この稀有さを改めて1曲目から見せつけられ、自然とワクワクが高まっていく。

まずは全員による「THIS IS THE TIME」、「OVER THE RAINBOW」のほか、今年が『ハンサムライブ』初参加となる徳永智加来、林優大、今年が二度目の参加となる青山凌大、岩崎友泰、山﨑光がフレッシュに「キミノリズム」を披露したところで、ハンサムMC、もとい“ハンサム機長”の太田将熙と山﨑の仕切りでそれぞれあいさつ。

HANDSOME LIVE 2024
写真は左から徳永、青山、林、岩崎、本島純政(22、24日のみ出演)

新人ハンサムの徳永は「昨日の初回、本当にみなさんのおかげで楽しめました。ありがとうございます! 前回ハンサムライブ、観に来させてもらっていたんですけど先輩たちがめちゃくちゃ、輝いてたんですよ。本当にかっこよくて、感動して。自分が受けた感動をみなさんに自分が与えたいな、と思っています!」と元気いっぱいにあいさつ。

林があいさつをすると客席から「誕生日おめでとう!」の声が。この日が誕生日だった林には、観客とハンサムからハッピーバースデーソングが送られ、笑顔を見せた。

「渋谷盛り上がってますかー!!」と絶叫したのは、「初めまして! 超特大、大型スーパー新人ハンサム松下優也です!」。「昨日から出演させていただきまして、2日目、この昼公演で出演最後なので、やり残すことなく楽しませていただこうと思います(松下は22、23日昼公演のみ出演)」と、スーパーな笑顔で会場を沸かせた。

そして、「本日は、お越しくださいまして誠にありがとうございます。皆様に少しでも快適な空の旅をお届けできるように、搭乗員一同、全力を尽くす所存でございます。それではよい旅を! いってらっしゃい!」という猪塚健太のあいさつに送られ、いざ、空の旅へ。

HANDSOME LIVE 2024

ここでしか観られない共演の数々を

今回巡るのは5つの世界、「ACTION」「CINEMA」「SHOW」「STORY」「FASHION」だ。

それぞれの世界にぴったりな楽曲とパフォーマンスをハンサムたちが繰り広げるが、これがある種、彼らの魅力を遺憾なく伝えてくれるものとなっており、曲数が重なっていくごとに心をつかまれていく。

ACTION WORLDでは、青柳塁斗、猪塚、岩崎、福崎那由他、松島庄汰で「ブチ上げ万歳!」を。応援団として徳永と林、山﨑もともに盛り上げる。スタンドマイクを利用したパフォーマンスに加え、観客も一緒になって体を動かせそうな振り付けに、会場のテンションが上がっていくのもわかる。

HANDSOME LIVE 2024
観客とともに「ブチ上げ万歳!」で盛り上がるハンサムたち(左から岩崎、猪塚、青柳、福崎)

CINEMA WORLDでは、「All ways,Always」をこの日は青山、太田、兵頭功海の3人で披露(細田佳央太を含む4人がオリジナルメンバー)。前半はMVを流し、後半はステージに用意されたソファなども使いつつ、雰囲気ある楽曲をしっとりとパフォーマンス。俳優ならではの表現力で世界観を作り上げた。

HANDSOME LIVE 2024
4人の笑顔で会場も和やかな空気に(左から青山、太田、細田、兵頭)

SHOW WORLDでは舞台でも活躍するメンバーが躍動。植原卓也、平間壮一、松下らステージでの活躍も目覚ましい3人による「LAST ALUCARD SHOW」は圧巻のひと言。間違いなく、最高級のエンタテインメントを繰り広げていく。

HANDSOME LIVE 2024
会場に美しいハーモニーを響かせた、左から植原、松下、平間

一方、メンバーが公演ごとに変わる「Secret Kiss」。この回では、猪塚、兵頭、溝口琢矢、山崎が登場。クールさとかっこよさに振りきった楽曲ながら、その合間に挟み込まれる艶やかさに客席からはたびたび歓声が上がった。向かい合い、額を合わせるシーンではハッとしてしまう。そしてラスト、猪塚がりんごをかじるという演出で締めくくられた。

圧倒的な歌唱力で観客を魅了したのは平間と甲斐翔真。披露した「夜想曲―you’re in…」は、制作段階からふたりがアイデアを出し合っていたという。ハンサム、いやアミューズを代表するミュージカルスターふたりが珠玉のハーモニーを届けた。

ラストのFASHION WORLDでは、ダンスパフォーマンスでも圧倒していく。カラフルな衣装に身を包んだ新原泰佑、水田航生、溝口、山﨑による「Bet Me ?」では息を呑むようなダンスで会場を魅了。おしゃれでファッショナブルなステージだが、垣間見られる危うさが漂う楽曲となっている。

HANDSOME LIVE 2024
左から東島京(24日のみ出演)、新原、山﨑、水田、溝口

続く太田、新原、平間による「Dress Up」ではさらに高いダンススキルを見せつける。椅子を使った演出を取り入れ、激しいダンスには客席から歓声が上がる。特にFASHION WORLDで2曲続けてアグレッシブなダンスを魅せた新原のスキルは圧倒されるものがあった。

ここまで息つく間もなく楽曲を披露してきたが、続いては「振り向いて…トゥナートゥイト」。ミュージカル仕立てのような楽曲に、女性に紛争したメンバーやヒゲをたっぷりと蓄えたメンバーがいるなど、どことなくあの人気インド映画を彷彿とさせる。ヒロイン(?)を務めた青柳は、自身の筋肉美をしっかりと見せつけた。

HANDSOME LIVE 2024

毎年恒例のゲームコーナーも白熱

怒涛の楽曲披露から一転、ゲームコーナーへ。各公演でゲーム内容は違っており、この回では「ハンサム30秒チャレンジ」が行われた。4チーム(飛行機・二輪車・バス・船)に分かれ、箱の中から引いたお題をチームで協力して30秒以内にクリアできるか、というもの。

ここではよりハンサムたちの素が見えてくる。チーム飛行機のリーダー猪塚は機長の太田に間違えて「機長!」と呼びかけられると「ありがとうございます!! 小さい飛行機ですけども!! みんな一生懸命がんばろうな!」と全力で喜び続け、なかなかお題を引かずツッコまれる、という流れでしっかりと笑いを取る。

チームバスは「けん玉を3回続けて大皿に乗せる」というものだったが、どうにも青山ができず、失敗という結果に。がっくりと肩を落とす青山に、ほかのメンバーが「チームプレイだから」と励ます場面も。

チーム船のお題は「ふたり1組でおなかに挟んだ風船を10個割る」。植原がチームメイトの松下に「優也さん最後なんで……優也、俺と割る?」と問いかけ、それだけで歓声を浴びた。ほかのチームメンバーである松島、太田、新原は風船を渡すなどの役割を担うが、これがまったく割れない。松下が植原を押し倒すようにして倒れ込み、その上にほかの3人が乗っかる、というわちゃわちゃも見られたが、クリアできずじまいとなった。

優勝は「卓球ラケットに玉を弾かせながら端から端を3往復する」というお題を、兵頭と山﨑が見事にクリアしたチーム二輪車。ちなみに優勝景品もなかったが、罰ゲームもなく、ほっこりと締めくくられた。

「ちゃんとお返しができるようにレベルアップしたい」

ライブも終盤。ゲーム終わりに披露されたのは「HANDSOME ANTHEM」だ。植原が作詞・作曲、ステージングを担当したハンサムの自己紹介曲となっている。途中、客席からコールがかかる部分もあり、会場一体となって盛り上がれる楽曲だ。さらに「BANG!」、「Beautiful Stranger」で盛り上げ、「親孝行!!!」で本編を締めくくった。

HANDSOME LIVE 2024

しかし、すぐに「WE ARE HANDSOME!!」のコールが客席から上がり、まだまだ興奮は冷めやらない。大きなコールの中、ひとり登場したのが松島だ。アンコール1曲目となる「ハンサムサンバ」の振りをレクチャー。レクチャー後は「踊りたいから歌って!」と客席にサビ部分を歌ってもらい、自身は踊るという楽しそうな様子を見せた。

全員そろっての「ハンサムサンバ」からしっとりとした「一人じゃないからね~僕らの夢と希望~」のあとはメンバーそれぞれから最後のメッセージが。

平間は「19年って本当に長いな、って思います」としみじみ。「心っていうものはすぐに変わっていくものだと思うんですよ。いろんなことがあって『ハンサム』に来ないことがあったとしても、みなさんの人生の中で、『ああやってあの人のこと応援してたな』とか『あの人たちよかったな』と心の中に刻まれていることが僕たちは本当にうれしく思いますので。本当に応援はいつだってして欲しいんですが、無理をなさらず、本当に自分が楽しいって思える人生の、僕たちは一部でありたいと思っています」。

福崎は「毎回思うんですけど、うちわとかペンライトを振ってくださるのは当たり前じゃないな、と思って。なので、ちょっと上げていただけますか」と客席に促す。「この景色が本当にすごくきれいなんでごぜぇます! ありがとうございます!」と目を細め、「僕たちこうやってみなさんに感謝を伝えるため、ってライブをやっていますけどこっちがもらってばっかりなので、ちゃんとお返しができるようにレベルアップしたいと思います!」。

「いつも、『ハンサム』に来ると自分のキャラがわからなくなる」と、はにかんだのは甲斐。「いろんな人たちがいるから自分がどの人間なのかわからなくなる。でも、ある種自分がどういう人間なのか見つめ直す機会になるんです(笑)。普段、役を背負って生きている役者がこういうふうに歌って踊って、管轄外のことをやって。こんな奇跡的な機会ってない」と噛みしめた。

そして最後はやはりチーム最年長の猪塚。「皆様、本日はお越しくださり、誠にありがとうございます。今回のこの旅、楽しんでいただけましたでしょうか」と客席に向かって呼びかけると大きな歓声が返った。「その声援だけが! 私どもの生きがいでございます! 本当にありがとうございます。もしこの会社、お気に召しましたら、またぜひご利用いただきたいと思います。ではいい1日を。Have a nice day!」

華やかに締めくくられた『HANDSOME LIVE 2024』。彩り豊かな楽曲の数々は間違いなくファンを笑顔にさせたはず。来年の20周年ではどのようなステージが展開されるのか、期待が高まる。

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ふくだりょうこ

ライター。大阪府出身。大学卒業後、フリーランスとして活動。お酒と小説が好き。

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