福井俊太郎(GAG)連載「指が輝いてる人はピザ食べた人」第4回【荻窪×中華徳大×行列擬似売れ体験】

文・撮影=福井俊太郎(GAG) 編集=福田 駿


2023年8月に始まった福井俊太郎(GAG)による新連載「指が輝いてる人はピザ食べた人」。総武線沿線の旨いグルメを、福井お得意の“決めつけ”を挟み込みながら紹介していく決めつけグルメ連載だ。今回降り立つのは、福井のグルメ秘技【行列並び食べ】を生み出した街・荻窪。……行列並び食べ? そして「行列擬似売れ体験」とはいったい。


春木屋さんで遭遇した緊張と緩和

どうもぉ総武線に乗りながら外の景色を見ていると窓に映ってる自分が薄く見えてて、、そのうち気づくと景色を見てるのか自分を見てるのか解らなくなる人間です、、あれなんでですかね、、景色を見てたはずなのに、、気づいたら窓に反射してる自分を見てる時間、、私だけだったらお許しください、、

今回で第4回目の「指輝」〜荻窪編〜、、OPV(オープニングVTR)の代わりとなるOGP(オープニンググルメピクチャー)を、、

私の大好きな番組、、NHK『サラメシ』のオープニングに使われている、、PAKuRIさんの 「ROCK‘N ROLL MONSTER」が流れているイメージでどうぞ!

♩Fightin’ peace and Rock’n’Roll Fightin’ peace and Rock’n’Roll♩

春木屋 荻窪本店様

荻窪中華そば「春木屋」さん、、1949年に創業された老舗中の老舗、、伺わせて頂いた理由は、、吉本芸人の中でも大阪吉本や東京吉本、、福岡吉本など様々な出身芸人がいますが、、ラーメン吉本出身とまで噂されているラーメンフリーク、、しずるずる麺上さん、、失礼しました、、しずる村上(純)さんに「連載やってるらしいね!荻窪行くなら一度は春木屋訪問した方がいいよ!絶対損させないから!」とラーメン吉本出身者ならではのアドバイスをもらったので、、わんたん麺、、をススりに行かせて頂きました、、

春木屋さんのわんたん麺

最高でしたね、、スープの旨みがずっと口の中で消えないんですよね、、言い過ぎではなく今でも思い出そうとするとスープの味が口に残ってるような、、強く覚えてるんですよね、、言うなれば、、旨味メモリー系スープ(めちゃくちゃ勝手な言葉を作ってすいません)、、この旨味が記憶に残るスープと呼んでも説得力がある話がありまして、、

来店当日は人気店なのでお店の外に列ができていて、、ちょうど僕の後ろに70歳くらいの小綺麗な格好をされた人生の先輩男性が並ばれたんですね、、すると、、ずっとお独り言で、、

先輩「懐かしいなぁ!いやぁ懐かしい!えぇ?今ラーメン900円すんの?えぇ?そんなすんの?昔はそんな高くなかったけどねぇ!しかも並ぶの?今?」

と盛り上がられていて、、真後ろでの独り言は少し怖いかも、、と震えていたら、、別で4人の人生の先輩グループが列の横を通り過ぎていかれる際に、、

4人の先輩「あぁどうもどうも(口々に)」

先輩「あぁどうも!ここよく行ってたのよ!また後で!」

4人の先輩「また後で!楽しんでね!(口々に)」

と、、、、あくまで勝手な決めつけですが、、、、

その日に大学の同窓会が荻窪であって、、ついでに何十年ぶりに当時よく通ってた春木屋さんへ寄ってみようとなったのではないかと、、そんな先輩の人生のストーリー演出が入った事で、、急に、、背後からの独り言がキラキラと光り輝いて聴こえてきて、、なんだったら当時の失恋話とか喋り出してくれないかな、、などとひとりで盛り上がっていたら席が2つ空いたので同時にふたりで入店、、そして、、先輩の前に中華そばが着丼し、、期待に満ちた眼でゆっくりレンゲを手に取られ黄金色のスープをすくい口元へ、、ズズズゥ、、と飲まれた後に放った先輩の第一声を私は聞き逃しませんでしたよ、、

先輩「熱っ、、(少しイラッとした言い回しで)」

本当に笑ってしまいそうになりました、、お笑いの基本、、緊張と緩和、、勝手に褒めるコメントが飛び出すと思ってたので裏切りもあり、、完全にお笑い養成所NSCで学んだ笑いが起こるシステムを体現されてました、、それに実際、、とてもスープが熱かったので私としては共感の笑いもありましたね、、先輩は口を冷ました二口目で「これだこれ変わってない」とおっしゃっていて、、やはり何十年前の味を舌が覚えているスープなんだなと、、ただこういった昔の常連客がラーメン屋に来て「これだこれ変わってない」のくだりはグルメ漫画の世界でよく描かれているんですが、、実際には当時の味を守りながらも改良に改良を重ねて現代でも変わらず美味しいと思ってもらえるようにお店側のたゆまぬ努力の上で成立している、、思い出の美化、、というオチがお決まりで、、あっ?今絶対それだっ!、、とグルメ漫画でよくあるシーンの実写版にハッとしました、、でも幸せな思い出の美化ならいいですよね、、

♩ Yeah Yeah Yeah YeahYeahYeahYeah Yeah Yeah Yeah YeahYeahYeahYeah ♩

ホーレン草炒飯から思い出す“曲がるカーブ”と“べじぽた事件”

今回は荻窪ですが、、この街には何度か訪問させて頂いてまして、、私のグルメ必殺技である、、何も調べずに街へ降り立ち、、ただただ行列ができているお店の最後列に並ぶだけ、、暇で怠惰な人間だけが繰り出せる奥義【行列並び食べ】を生み出してくれたのが荻窪なんですよね、、休みの日に、、なんの目的もなくふらっと荻窪に行って「あれ?このお店行列できてるなぁ」と思って、、勢いで列に並んだのがかの有名な、、吉田カレー、、さんでした、、そこで食べたキーマカレーの衝撃的な旨さで成功体験を覚え、、未だに続けています、、グルメの百聞は行列の一見にしかず、、

吉田カレー様のキーマカレー

ただ、、この行列に並ぶという行動、、意外と反対派が多いんですよね、、

「並んでまで食べるなんて時間の無駄だ」とか

「モノの価値をわからずにただ並んでいるだけの馬鹿だ」とか

「金持ちになれない人がやる行動だ」とか

「多数派の他人と同じように振る舞う事で安心感を得ているだけの典型的な日本人だ」など、、

他にも様々なアンチ行列の意見が飛び交っていまして、、だからといって私が今後並ぶ事をやめようとは思わないし、、自分のやりたい事をやってるだけなので信念に基づいて行列に並び続けますよ、、

ただ、、何故ここまで行列アンチがいるんだろう?と、、別に好きで行列やってるんだから放っておいてくれればいいのに、、こんなにアンチがいるなんて、、あれ?、、ちょっと待てよ、、そうか、、私はある結論にいきつきました、、人気が出るとアンチも増えるって定説がありますよね、、もしかして行列に並んでる人って、、売れてる芸能人の状態に近いのではと、、唯一、、売れてない芸人やバンドマン、、一般の方々が、、売れてる人達と同じ気持ちを味わえる【擬似売れ体験】をできてるのが行列に並んでる時間なのではないかと、、だって並んでる時ってジロジロ見られる事もあるし、、心なしか見てる人も少し羨ましそうに嫉妬の目を向けてる気がする、、そしてネットにもアンチが多い、、ほぼそうですよね、、やはり飲食店の行列に並んでる時は有名人と同じ状況です、、「あぁ並ぶ(売れる)って思ってたより大変だなぁ良い事ばかりじゃないよぉ」と有名人の大変さを少し理解できるようになりますよ、、そんな勝手な事ばかり言いながら、、荻窪でもう一軒、、懲りずに並んできました、、中華徳大さん、、ホーレン草炒飯+らんらん、、

中華徳大様
中華徳大様のホーレン草炒飯(らんらんトッピング)

旨旨旨ぁぁぁ旨すぎるぅぅぅ(低くねっとりした声で)

この派手な炒飯からホーレン草の甘みと渋みをしっかり感じれるなんてぇピアスだらけの勢いありそうな若者が礼儀正しかった時の感動に似てるぅ(低くねっとりした声で)

乗ってるお肉も少しトロッとしてる系だったのも食欲をそそるしぃらんらん食べた後の感覚は誕生日プレゼントもらった時と同じような幸せ物質が脳から出ますぅ(低くねっとりした声で)

見た目は迫力あって写真映えもしますが、、味はとても優しく、、お店の誠実さが伝わってくる、、誰に紹介しても心配のない炒飯、、『自慢の兄貴』ってこの炒飯みたいな事なんだろうなぁと食べながら物思いにふけっていました、、ちなみに私には4歳離れた弟がいまして弟は身長185cm以上で野球部のエースで四番、スポーツ推薦で強豪高校に行った男、一度弟が中学生で私が高校生の頃に家の前の公園でキャッチボールをしたら弟が「次、7割くらいの力でカーブ投げるで」と言ってきたので兄貴として「本気ので来いよ」と返しました、お察しの通り、私は弟の大きく曲がる7割カーブを取れずに後逸、小走りでボールを取りに行ってるダサ背中を見せた兄貴です、あの背中を弟はどう思ってたんだろうなぁ、、優しい男だから5割で投げれば良かったなぁと反省すらしてたかもしれません、、あぁ、、そう言えば学生時代、毎年2月14日は実家に弟へチョコを渡しにきた女性陣が、、行列、、になってましたね、、

最後に私の【擬似売れ体験】を少し、、あれは11月の中旬の出来事でした、、私のSNSにDMが届いてまして、、内容は、、「福井さん!Yahoo!ニュースのトップページに載ってます!見てください!」と、、私は心の中で「まじか?Yahoo!のトップニュースに?何だ?(ワクワクしながら)」と思いながら、、アプリを開きました、、すると、、

M–1グランプリ、“人気芸人1組”だけ3回戦のネタが配信されなかったトラブルを謝罪 本人「理由はどうあれ目立てたぞぉ」

と、、

いやベじぽた(福井とSJの漫才コンビ)だけ3回戦のネタ動画を『M–1』の運営さんがアップし忘れてた事かいぃぃぃぃぃ(低くねっとりした声で)

しかも人気芸人てぇぇこの表記も擬似擬似擬似ぃぃ(低くねっとりした声で)

ほんとに人気芸人ならコンビ名書く書く書くぅぅ(低くねっとりした声で)

ハアハアハア、、いつか自分達の力でYahoo!トップページに載りたいです、、


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福井俊太郎(GAG)

(ふくい・しゅんたろう)お笑いトリオ・GAGのネタ作り担当。『キングオブコント』では過去4度決勝進出を果たす。2023年から「福井俊太郎(GAG)プロジェクト」始動。GAG活動は「GAG福井」、個人としての脚本・執筆活動などは「福井俊太郎(GAG)」として活動する。低くねっとりとしたボイスが持ち味。

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