BTSの4thアルバムから読み取れる次作へのマニフェストとは?(imdkm)

2020.3.5
BTS_MAP-OF-THE-SOUL:7

文=imdkm 編集=森田真規


K-POPボーイズグループBTSの4枚目のアルバム『MAP OF THE SOUL:7』が、2020年2月21日に世界同時リリースされた。韓国はもちろん日本にも熱心なファンを持つ彼らだが、その熱狂は世界に広がっている。

同アルバムは米ビルボード「Billboard 200」で1位に輝き、BTSとしては4度目の全米1位となる。しかも、1年9カ月の間に4枚のアルバムで1位を獲得したスピードはあのビートルズに次ぐ記録だという。

世界中のポップミュージック好きを惹きつけている『MAP OF THE SOUL:7』を、『リズムから考えるJ-POP史』の著者で気鋭の批評家であるimdkm氏が分析します。

グラミー賞に2年連続出演!破竹の勢いでアメリカを席巻

BTSのニューアルバム『MAP OF THE SOUL:7』(以下、『7』)が2020年2月21日にリリースされた。2010年結成、2013年デビューのBTS(当時は防弾少年団)は、K-POPファンベースの世界的な拡大を象徴するグループだ。特に、アメリカのマーケットに切り込み、成果をあげた草分けである。ひとつ前のフルアルバム『LOVE YOURSELF 轉 ‘Tear’』は、韓国のミュージシャンとして初めて「Billboard 200」(米ビルボードのアルバムチャート)のトップを飾った。

また、主要賞のノミネート・受賞はないものの、第61回グラミー賞(2019年)ではプレゼンターとして登壇、次いで第62回(2020年)ではリル・ナズ・Xのパフォーマンスにゲスト参加。『7』のプロモーションでも『ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン』ではグランド・セントラル駅をジャックしたパフォーマンスを披露し、ジェームズ・コーデンがホストを務める『ザ・レイト・レイト・ショー・ウィズ・ジェームズ・コーデン』内の人気コーナー「カープール・カラオケ」にも出演するなど、破竹の勢いでアメリカのマーケットに切り込んでいる。

リル・ナズ・Xのパフォーマンスにゲスト参加(0:55から)

とはいえ、あまりアメリカでの成功を過剰に持ち上げても仕方があるまい。2020年に入ってスタートした、世界5都市を結ぶアートプロジェクト「CONNECT, BTS」は真に「世界的」でなければ放ちようがないスケールだ。かつ文化的な視野の広さも感じさせる、いろんな意味でBTSの野心の大きさを象徴しているように思う。

[CONNECT, BTS] Press conference @ London

さて、追い風を満帆に受けつつリリースされた『7』。ミニアルバムの『MAP OF THE SOUL:PERSONA』(以下、『PERSONA』)から5曲を含む19曲1時間10分に、メンバーのソロ曲も含めたサービス精神旺盛な内容が詰め込まれている。

「もっと困難なステップ」へ――という意思が感じられる秀逸なエンディング

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