2023年10月27日(金)より発売となる、総合カルチャー誌『クイック・ジャパン』vol.168。同号の表紙&第1特集に登場するのは、グローバルボーイズグループ・INI(アイエヌアイ)だ。10月11日にリリースした5枚目のシングル『TAG ME』は初週30.6万枚を売り上げ、デビュー(1st)シングルから5作連続初週売り上げ30万枚超えを達成した男性アーティストとして、史上5組目の快挙を遂げた。
今回の特集では、それぞれが多彩な個性を持ちながらお互いを受け入れ、手を取り合うように高みを目指す11人の「個性と寛容」をテーマに、それぞれのオリジナリティを掘り下げていく取材を実施した。
そこで本稿では、同号に掲載される合計4万字以上のソロインタビューから、「INIになって発見した自分のオリジナリティ」と「メンバーの尊敬している個性」について11人が語った箇所を一部抜粋。後編として後藤威尊・髙塚大夢・田島将吾・許豊凡・木村柾哉・西洸人のインタビューをお届けする。
松田迅・池﨑理人・佐野雄大・藤牧京介・尾崎匠海のインタビューを掲載した前編記事はこちら!
後藤威尊
自分の個性=感情のコントロールが得意
──INIに加入してから気づいた、自分の新たな一面はどんなところでしたか?
後藤 意外にも、自分の感情を自分でコントロールすることが得意だということに気づきました。
──どんなことがきっかけで気づきましたか?
後藤 何かよくないことがあったときに、終わってからちゃんとそのことに対して反省をして、分析をして、どうしてそれが起きたかを考えるようになりました。さらに、次はこうならないために、どうしたらいいかという改善策をちゃんと自分で考えて行動するようになったんです。この2年で、ロジカルな考え方が身についたように思います。
──性格はどのように変化しましたか?
後藤 INIに加入したころは、さまざまなことに葛藤してばかりでした。自分の心に余裕がなかったです。
だからこそ、INIを結成してからしばらくの間は、オーディションのときから一緒にいた、一番付き合いの長い(尾崎)匠海と(佐野)雄大としか話すことができなかったんです。そのふたりがいなかったら、誰とも話せなかったくらいで……。プライベートでもふたりとしか一緒にいなかったんです。
──ネガティブな性格を、どのように変化させていったのでしょうか。
後藤 INIのメンバーとは、楽しいことはもちろん、イヤなことや大変なことがあったとしても、絶対に11人で過ごしていたんです。そうしていくうちに、みんなの深いところまで知っていくようになって。その作業が、自分を知ることにもつながっていきました。
たとえば、「あの子はこういうことをされることがイヤ」とか、「こうされたときに、こう考える」という姿を見てきたときに、「自分がされてイヤなことはなんだろう」「自分ならどうやって乗り越えていくだろう」と考えたんです。
髙塚大夢の個性=かわいい、ボーカル指導が細やか
──髙塚大夢さんの尊敬している個性は?
後藤 すごくかわいいです(即答)。
──即答でしたね。
後藤 はい(笑)。何をしていてもかわいいんです。ご飯を食べていても、そこらへんを歩いていてもかわいいですし、楽しそうにしているとこちらもうれしくなるんです。そういう大夢が大好きです。でも、ただかわいいだけではなく、ボーカルリーダーとして、細かいところをちゃんとみんなに教えてくれるところは、毎回すごいなと思います。
──具体的にどんなことを教えてくれるんですか?
後藤 レコーディングの前日に歌を合わせて、ハモリなどの音もしっかり聴き取って教えてくれるんです。大夢自身は「どうってことない」と思っているかもしれないですが、デビューから今まで、一度も欠かさずその役割をまっとうしてくれるところは本当にすごいことだと思います。
しかも、「こうやって歌ったほうがいいよ」「こうしてみて」という本当に細やかな場所まで一人ひとりに声をかけてくれるんです。人間としてもすごくできていますし、一緒にいると安心するんです。
髙塚大夢
自分の個性=マジメな人間だということ
──INIになって髙塚さんが発見した、ご自身のパーソナリティはありますか?
髙塚 発見というよりは再確認したことなんですけど、自分ってすごくマジメな人間なんだなぁって……(笑)。
別に、INIになるまでマジメに生きていなかったわけではないけど、自分がマジメな人間だっていう意識も特になかったんです。でもINIになって、生い立ちもまったく違ういろんな個性がある中で、ハメを外せない、外さない自分がいるなって。みんなを見ていて感じるし、みんなと自分を比較しても感じます。
コンテンツではみんなで大騒ぎすることも多いんですけど、そのときにも、そこまで自分のネジを外すことができないんですよね(笑)。11人集まったときのユーモアのエネルギーみたいなものってすごいなって感じるので、その中にポンと自分がいると、「自分ってマジメなんだな」って(笑)。
どんなときでも冷静に考えてしまう自分がいるんです。それを気にする自分もいるんですけど、逆に、ちゃんとしなきゃいけないとなったときにしっかりできるという意味では、バランスが取れているのかなって思います。誰かが何かコメントしたときにも、「このコメント、相手に対して失礼な言葉になってないかな?」とか、「このタイミングで言うべきことかな、合ってるかな?」とか、よく考えるんですよ。
田島将吾の個性=クリエイティブに対する姿勢
──田島将吾さんの尊敬している個性について教えてください。
髙塚 内に秘めた強い野望というか、やりたいことやクリエイティブに対しての強い姿勢。コンテンツを観る限りだと、ぽわぽわふんわりしていて、優しく静かにまわりを見ているイメージがあると思うんですけど、たとえばシングルの制作に関して、たじくん(田島将吾)は曲だけじゃなくジャケットのグラフィックや歌詞、ダンスパフォーマンスの見せ方についてまで考えているんです。
振り付けもただ踊るだけじゃなく、「この振り付けのこういう部分をもうちょっと見せたらいいんじゃない?」とか、そういうことを言ってくれる。リーダーの(木村)柾哉くんとはまた別のかたちで引っ張ってくれている感じがすごくします。
それに彼自身の将来に関しても、いろんなことをしっかり考えているなって思います。彼は思っていることをノートに書いて、心を整理しているんですよ。忙しい生活のなか、僕はなかなか自分の心の整理がつかないときもよくあるので、そうやってメンタル面や将来について自分としっかり向き合う時間を作っているのはすごいことだなって。のんびりマイペースなように見えて、本当にいろんなことをしっかり考えている人だなって思います。
田島将吾
自分の個性=人を笑わせたい
──INIになってから新たに発見した、自分の個性や特徴を挙げるとすると?
田島 マジメそうとかマイペースな部分は、元からあると思うんですけど……あ、「自分は意外と人を笑わせたいんだな」ということに気づいたかもしれないです。これまでの人生では、人を笑わせたいとか、特に思わずに生きてきたんですよ。でも、INIでバラエティとかをやるじゃないですか。そうするなかで、自分の中にそういう思考回路が生まれてきたように思います。
──自分が言ったことで人が笑ったらうれしくなる、という。
田島 人と話すのが普通に好きなんだなって気づきました。以前はあまり話さない人間だったかもしれないです。
──グループのコンテンツなどを拝見していると、田島さんが笑いを起こしている瞬間も多いように思えます。
田島 自分から仕掛けるとダメなんです……不発が多い。突発的じゃないとダメですね。
──(笑)。トークやバラエティが苦手だったら、割り切ってグループの中でそういう立ち位置でいることもできたと思うんですが、そこで割り切らず、やりがいを見出してきたんですね。
田島 新しい世界が見えてきてうれしいです。最初のころはたぶん「自分にはそういうのはできない」「自分はおもしろくないしな」って劣等感を持っていて、あきらめていたと思うんです。でも今は楽しめるようになったし、前よりも自分から話すようになりましたね。
許豊凡の個性=探究心、素直さ
──ほかのメンバーの尊敬している個性についてお聞きしたくて。田島さんには、同い年のフェンファン(許豊凡)さんについてお話を伺いたいです。
田島 フェンファンは……まず日本で暮らして、こうして活動していること自体、すごく尊敬します。探究心があって、自分の惹かれるところに素直に向かっていくところは、これまで自分もそうしてきた身なので共感する部分もあるんです。そのよさも苦しさも、僕にはよくわかります。
──飛び込む度胸と覚悟に、自分と近いものを感じるんですね。
田島 そうですね。でも僕は、(異国で)仕事にするところまではいかなかったから。フェンファンがちゃんと仕事にしたことは、改めて考えるとすごいなと普通に思うし、尊敬するところです。でも普段話しているときに、そういうところが見えるわけではないんですよ。優しいし、ほのぼのしているし、でも何かを決断するときには特に、フェンファンという人の根本には、芯が強い部分が絶対にあると感じます。
許豊凡
自分の個性=ボーカルにおける発音や発声
──INIになって発見したご自身のパーソナリティって、何かありますか?
許 僕は性格的に、あんまり自分が前に前にというタイプではないんですけど、ボーカルでいうと、声質的にほかのメンバーと違う部分があるというか。発音とか発声という面で、僕の声はけっこうわかりやすいんじゃないかと思います。
それに、メンバーと違うだけじゃなくて、ちゃんと自分ならではの歌い方があるような気がします。それを、今年に入ってつかんできました。僕はちょっと洋楽寄りというか、R&B調寄りの歌い方なのかな。特に歌のイメージがある3人(尾崎匠海・髙塚大夢・藤牧京介)にはそれぞれにすごくよさがあるから、その3人のボーカルに、洋楽寄りの歌い方でスパイスを加えることが、曲においての僕の役割なのかなって気がしています。
ちょうど最近「Busterz」という、韓国の番組『STREET WOMAN FIGHTER2』のOSTを出したんですけど、ああいう曲ではけっこう自分の声が強い気がするんです。
木村柾哉の個性=負けず嫌い
──木村柾哉さんの尊敬している個性を教えてください。
許 (即答で)負けず嫌い。企画とかゲームでの負けず嫌いはもう、ファンのみんなもいっぱい見ていてわかると思うんですけど(笑)、僕は最近、(木村)柾哉の韓国語でのコミュニケーションを見ていて「負けず嫌いだな」って思いました。
僕らはデビューしてから1年経たないうちに2回くらい韓国に行ったんですけど、柾哉はそのとき、韓国語に苦戦していて、コミュニケーションが取れなかったんです。それが響いたのかわからないけど、それからずっと韓国語の勉強をがんばっていました。
僕と(田島)将吾はもともと韓国語をちょっとしゃべれたし、韓国に行くことにもまったく苦労はなかったんですけど、やっぱりずっと日本で育ってきたメンバーがいきなり韓国で長期トレーニングをする、それも半分は韓国に住むような生活をするって、難しいことがいっぱいあったと思うんです。
レッスンのときには通訳さんもついているし、そういう人たちに頼ればなんとかなるんですけど、柾哉はメンバーの中でも一番、そういう状況を改善しようと、自分からコミュニケーションを取っていました。去年からの1年間、そういう柾哉の意思がすごく見えて、韓国語力もすごく伸びたんですよ。日本にいる間も教科書を買って勉強している姿を見かけるので、そういうところ、偉いなって思います。
僕はもともと韓国語を勉強するのは大好きだから、苦でもなんでもなかったんですけど、これまで触れてこなかった人にとっては難しいものですよね。それでも、自分のコンフォートゾーンをあえて飛び出して、挑戦を受ける柾哉はすごいなって。
木村柾哉
自分の個性=気にしやすい性格とグループ活動への葛藤
──INIとしてデビューしてから、性格はどう変化しましたか?
木村 僕自身、よくマイペースといわれるんですが、意外と効率よく仕事をするタイプだと気づきました。これまでは自分がしたいことを優先したり、少し遅刻してしまうようなことはあったんですが、INIになってからは、効率を何よりも考えて動くようになったんです。
──リーダーとしての自覚ですか?
木村 いや、人数が多いから……?(笑) 少しでもグダグダしてしまうと現場が回らないですし、収拾がつかなくなってしまうので、まわりを見て、どうすれば効率よく動けるかを考えるようになりました。
──プライベートでも効率重視になりましたか?
木村 そうですね。家を出る10分前に掃除を開始して、終わらせてから行くようなことも増えました。完全に人間のレベルが上がりました(笑)。
──木村さんはオーディションでは1位で合格し、結成後はリーダーも務めることになりました。プレッシャーはありましたか?
木村 正直、めちゃくちゃありました。あまりに肩の荷が重すぎて、どうにかなりそうだったことも。グループ活動も初めてでしたし、自分の気持ちをどう話していいかもわからなければ、リーダーだからまとめなくちゃいけない……。
どうにもできなくなって、仲がいい男性のドライバーさんに、仕事帰りに湘南の海まで連れて行ってもらったんです。そこでずっと海を眺めていた時期が一番大変でしたね(笑)。ドライバーさんはそんな僕が心配で、ずっとそばにいてくれました。今考えると、感謝してもしきれません。
でも、その後はメンバーやスタッフさん、MINIのみなさんの存在のおかげで、次第に肩の荷を少しずつ下ろすことができて、今は本当に楽しく過ごせています。今度はただ遊ぶだけのために海に行きたいですね(笑)。
西洸人の個性=“好き”への熱量、言葉のおもしろさ
──西洸人さんの尊敬する個性を教えてください。
木村 好きなものに対する熱量は本当に尊敬します。たとえば、現場の空き時間にパソコンをカタカタ叩いていて、何をしているのかと思って見たら曲の制作をしていることも多くて。そういったことに対しての集中力が本当にすごいんです。あとは、洸人は何も考えていないときに放つ言葉が一番おもしろいです。逆にいえば、笑いを取ろうと考えて発した言葉はまったくおもしろくない!(笑)
──おふたりはどんな関係ですか?
木村 仲間、友達というよりも、家族、兄弟に近いですね。これはポジティブな意味ですが、ほかのメンバーや、友達には言わないようなことも言えちゃうんです(笑)。それだけ心を許せる存在です。
西 洸人
自分の個性=その場のエネルギーを大切にする
──INIになってから発見した自身の個性というのをお聞きしたいです。
西 楽しむことを優先するというのは自分の個性かもしれないです。特にオーディション中はいろいろ考えちゃうこともあったんですけど、吹っ切れたというか評価されることをあまり意識せず、その場を楽しんでパフォーマンスするようになったらいい方向にいきました。あとなんだろうな……あんまり長時間練習を続けられないとかですかね(笑)。
──短期集中型ということですね(笑)。INIの中では最年長ですが、最年長としての個性はいかがですか。
西 気負いしなくて接しやすい。接しやすいけど、パフォーマンスではしっかり魅せるところとかです(笑)。
──年長者が接しやすいグループってとても素敵だと思います。
西 だといいんですけど。もともと縦社会がしっかりした環境にいたので、最初は引っかかることもあったんですけど、僕自身、気を遣われたり接しにくいと思われるのもイヤだし、構ってほしいところもあるので(笑)。だから今の環境は居心地がいいです。
松田迅の個性=まわりを明るくする元気と自信
──松田(迅)さんの尊敬する個性を教えてください。
西 自信ですかね。過剰なくらい自信があるし、それを全部表に出すから、そこは尊敬しています。あと、MJ(松田迅)がいるだけでまわりが明るくなるんですよ。最年少があんなに元気なグループでよかったなと思います。
──松田さんの元気に救われることもありますか。
西 そうですね。でも、僕は元気な人が近くにいると静かになるタイプなんです。だけど、まわりの元気がないときは元気になるタイプ。だから、MJの元気がないときほど、うぇーいみたいな感じで絡んでます(笑)。
──西さんだから知る松田さんの意外な一面はありますか?
西 普段は生意気な感じですけど、ふたりになると意外と後輩後輩してくるんです。そこはかわいいです(笑)。LAに行ったとき、部屋が一緒だったんですけど、部屋に戻るのが遅くなっちゃったら「どこ行ってたの~!?」みたいな感じで(笑)。一緒に飲もうと思ってお酒とかをふたり分買って用意してくれたみたいで、帰ったら「待ってたのに!」って言われました。意外とふたりきりになるとそういうかわいいところがすごいあるんですよ(笑)。
あと、美容とかについて僕があまり詳しくないので、そのときはいいシャンプーとかドライヤーとかをおすすめしながら貸してくれました。そういう部分も頼りになりますね。
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↓前回INIが表紙を飾った、2022年8月発売の『クイック・ジャパン』vol.162も併せてチェック!↓
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