狩野英孝が、数カ月前とまったく同じネタでオーディションに合格できた理由(アンタウォッチマン!)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『アンタウォッチマン!』(7月11日放送)

狩野英孝を特集。もはやこの番組の準レギュラーのようにVTR出演している渡辺正行は、ラ・ママ時代の「コーラスライン」で狩野がネタに入る前に客の手が挙がって失格となっていたことを証言。実際の映像を観ると、開始わずか22秒、自己紹介の段階で失格になり「おかしいよ!」と本気で激昂している。「初めてイジられたっていう感覚」だったと狩野「それがおいしいとかこれがおもしろいんだとか一切わかっていなかった」。そんな狩野に「嫌われることも必要なんだ。これはこれで武器になるから君しか持っていない武器だから使えるかもしれないよ」と渡辺はアドバイスしたという。

大きな転機となったのは『爆笑レッドカーペット』への出演。オーディションの審査をする人が2~3カ月前に出たオーディションと同じだったため「絶対に落ちた」と思ったが「同じネタを同じリズムで同じ間でやっているのにウケ方が違う」と感じたそう。唯一変えたのが衣装。それまで普通のスーツだったが、「洋服の並木」で作った白スーツを着た一発目の仕事だったという。店主が「ナルシストだけどちょっと古い感じ」を提案してくれたこともあり、キャラがわかりやすくなった。

さらに2008年以降、『ロンハー』でドッキリスターになっていく。加地Pは「狩野にドッキリをかけるときってワクワクするんですね」「引き算しない。足し算の発想だけ。もっとこんなことしたい、あんなことしたいばかり思いつく」「制作をワクワクさせてくれる存在」と最上級の評価。狩野は「なんかやってくれる」と視聴者に思わせてくれると、富澤。テレビは「何かが起こっている」から観るのでなく、「何かが起こりそう」だから観るものと萩本欽一も言っているけど、そういう意味では狩野はテレビの特性に合致した人なんだろうなと思う。

『チョコプランナー』(7月10日放送)

やっていることはおもしろいが評価にバラツキがあるということで、長田がよくYouTubeを観ているというデータアナリストのサトマイを招いて「チョコプランナーをプランニングしてもらおう」という企画。

彼女が提唱したのは「親近性:新規性=7:3の法則」。みんなが知っていて注目度が高いこと=親近性と新規性=オリジナリティのバランスが大事だと。再生数が伸びないときは新規性が強過ぎるなどバランスが偏っている。7割くらい内容を予想できるけど、3割くらい内容が予想できないというバランスがクリックを促しやすいのだと。

「わからないから知ろうってならない?」と反論されると「一般の人たちからすると脳に負荷をかけたくない」「未知の要素が大きいものはストレスに感じる」と論じる。この手のものは言ってることはわかるけど、後づけでしょ?と言いたくなるものが多いが、彼女の話はとても腑に落ちるもの。

狩野もまさに「親近性:新規性=7:3」かも、と思った。サトマイが「ドストエフスキーお笑い。知性がないとわからない」とつけ足すと長田「共演NGなんで(笑)」。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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