写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
金曜日はザ・マミィ林田洋平が担当する。『キングオブコント2021』では、準優勝に輝いたザ・マミィの頭脳、林田。そんな彼は、自身のインスタグラムで発信するエモーショナルな写真も話題となっている。林田が、日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
野球を観に行こう
今年は絶対、野球を観に行く。
昔、神宮球場に野球を観に行ったのがすごく楽しかった。屋台メシを食って、ビールを飲んだ。7回になると急にまわりの人たちが傘を広げて踊り出して最高だった。
「あれが村上って言ってね。2年目ながらめちゃくちゃ打つんだよ」あのころ19歳だった村上(宗隆)選手は、今や球界を代表するスラッガーになった。
野球はずっと好きだった。長崎にいた僕はずっと(福岡ソフトバンク)ホークスを応援していた。九州を代表するチームだ。
初めて観たプロ野球。福岡ドーム。リーグ優勝決定戦。
小学校に入ったばかりくらいの僕にはそのすごさがよくわかっていなかったけど、小久保(裕紀)選手が同点のホームランを打ったときの地響きのような歓声が今でも耳の奥にこびりついて離れない。
また野球を観に行きたいって思った。
それから数年経って、また野球を観に行った。なんかの応募に当たって、平日の試合に行けることになった。
母に連れられ、長崎から福岡までの小旅行。試合はお互い打ちに打ちまくった末にホークスの勝利。めちゃくちゃ楽しかった。試合も延びて、帰りも信じられない量のお客さんでごった返してうまく身動きが取れず、このままだと当日に長崎まで帰れないことがわかった。次の日は学校なのにどうしよう。
「仕方なかけん、明日の学校は遅刻させてもらおうか」けっして甘やかすタイプじゃないウチの母から遅刻の提案。
「上手に伝えとくから昼からちゃんと行きなさいよ」野球ってすげーって思った。大人の約束、野球が引っ張ってきた。野球って特別。僕が大好きな野球は、ちゃんと一大事なんだって鼻高々だった。
地元の長崎でオールスターがあって観に行った。できたてのキレイな球場にスター選手がたくさん来ていて誇らしかった。ピッチャー石井(弘寿)がキャッチャー古田(敦也)に向かって放った球を金本(知憲)がファウルした。客席を何回かバウンドした球に母が手を伸ばした。おじさんから子供までいくつもの手が伸びたそこをすり抜けて、ウチの母が球をもぎ取って帰ってきた。一生飾って一生自慢した。
東京にはたくさん野球がある。神宮に東京ドーム、千葉だって、横浜だって。もっと観に行こう。今年の目標。
それだけ好きな憧れの野球だったけど、僕は野球をやらなかった。イチローが大好きで、イチローの大ファンだった僕は、子供ながらに「僕はどうがんばってもこうはなれないな」と思ったからだ。冷め子。
サッカーをやった。
加賀翔(かが屋)、前田こころ&平井美葉(BEYOOOOONDS)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
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