2022年3月4日にデビュー2周年を迎えた、11人組のグローバルボーイズグループ「JO1(ジェイオーワン)」。あだち充の同名短編集を原作に、彼らがそれぞれ1話ずつドラマ初主演を務めた『ショート・プログラム』が3月1日よりAmazon Prime Videoにて配信されている。
QJWebでは、このドラマの概要と見どころを記したレビューを1話ずつ掲載していく。第6回は、金城碧海が主演を務めた『若葉マーク』を紹介する。
唯一無二の歌声の持ち主
『若葉マーク』に主演した金城碧海は、大阪府出身の21歳。JO1を輩出したサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』にて、一度はFクラス(最下位クラス)という評価を受けたものの、未経験とは思えぬダンスの上達ぶりと、自身の魅力を最大限に活かす見せ方のうまさ、色気と清涼感を併せ持つ唯一無二の歌声を武器に、デビューを掴み取った。
特にJO1のボーカル面において欠かせない存在だが、ラップのポテンシャルも高い。180cmの長身と切れ長の目、特技は空手と、初見にはクールな印象を与えるが、メンバーいわく「寂しがり屋」だという金城。メンバーとのじゃれ合いでは、時に甘えん坊でチャーミングな性格が垣間見え、JO1公式YouTubeにアップされている金城の「デビュー公約」動画では、優しく穏やかな素顔を知ることができる。
気になる娘を身辺調査することに
金城が演じた田所岬は、森山探偵事務所の調査員。とある事情により、所長である森山のひとり娘・若葉の身辺調査を引き受けることになる。半年前、ストーカーから助けたことをきっかけに、若葉は岬にとって気になる存在。依頼とその目的に複雑な心境を抱きつつも、“仕事”と割り切って若葉をマークする岬だが、調査を進めるにつれ、若葉のある秘密が明らかになっていく。
ヒロイン・森山若葉を演じたのは、『Seventeen』専属モデルとしても活躍中の秋田汐梨。近年、話題作への出演・主演が相次いでおり、中でも映画『惡の華』では、数百人が参加したオーディションにてヒロイン役を勝ち取り、第44回報知映画賞新人賞にノミネートされた。森山所長役には、言わずと知れたベテラン俳優・勝村政信。優しくユーモラスな父&上司役を演じている。監督は『闇金ドッグス』シリーズの土屋哲彦が担当。
本人と役柄の素顔が重なった“ぎこちなくも優しい仕草”
もともと実年齢よりも大人っぽく、落ち着いて見える金城だが、作中では21歳とは思えぬ渋いオーラを放っている。セリフまわしこそまだ拙いが、芝居における存在感と説得力、ふとした仕草や視線に漂う色気と哀愁、それらは“俳優”のポテンシャルをじゅうぶんに感じるものだった。特技の空手を活かしたアクションシーンもありつつ、複雑な心境を表現する繊細な芝居も求められる岬役。そこは、ボーカリストとしての潜在的な表現力と、金城自身の素顔──シャイゆえにあまり見せないが、常に相手のことを思う優しさが反映されていた。
大きな身体と敵を前にしても怯まない強さ、包容力を持ち合わせながらも、やきもちや心配、さまざまが入り混じった瞳で若葉を見つめる岬。彼女と話すときの照れや少しの幼さが、リアリティのあるときめきを生んでいた。結末は、ファンにとっては少々複雑かもしれないが、不器用な岬と積極的な若葉、ふたりのバランスがあってこそ、心温まるシーンに仕上がっている。金城の甘えん坊な一面と岬の素顔が重なる、ぎこちなくも優しい仕草が印象的だった。
調査員という役どころゆえ、岬にとってカメラは仕事道具。構える姿が様になるよう休憩時間もシャッターを切っていたという、まじめな金城らしいエピソードが撮影チームから明かされている。カイロを5枚以上貼って挑んだという熱演にも注目だ。
なお『ショート・プログラム』の見どころのひとつは、JO1が歌う主題歌「Dreamer」のあとに流れるエピローグ。『若葉マーク』ではあっと驚く結末が待っている。最後まで見逃すことなく、そしてまた、改めて観返すことをおすすめする。
-
JO1初主演ドラマ『ショート・プログラム』
配信開始日:2022年3月1日(火)よりAmazon Prime Videoにて独占配信中!
作品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B09PQRYF97
出演:大平祥生、川尻蓮、川西拓実、木全翔也、金城碧海、河野純喜、佐藤景瑚、白岩瑠姫、鶴房汐恩、豆原一成、與那城奨ほか
原作:あだち充
脚本:山浦雅大、守口悠介ほか
監督:渡部亮平、菊地健雄、上村奈帆、土屋哲彦、益山貴司、森谷雄
プロデューサー:北橋悠佑、森谷雄、斎木綾乃
制作:アットムービー
製作:吉本興業
(c)あだち充・小学館/吉本興業
*
1話読切の短編集。あだち充ならではの青春感や切なさがふんだんに注ぎ込まれた作品集を、JO1メンバー全員が主演を務め、世代を超えて、現代に生きる視聴者にも共感・共鳴できるドラマに仕上がった。
関連記事
-
-
天才コント師、最強ツッコミ…芸人たちが“究極の問い”に答える「理想の相方とは?」<『最強新コンビ決定戦 THE ゴールデンコンビ』特集>
Amazon Original『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』:PR -
「みんなで歌うとは?」大西亜玖璃と林鼓子が考える『ニジガク』のテーマと、『完結編 第1章』を観て感じたこと
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
「まさか自分がその一員になるなんて」鬼頭明里と田中ちえ美が明かす『ラブライブ!シリーズ』への憧れと、ニジガク『完結編』への今の想い
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
歌い手・吉乃が“否定”したかった言葉、「主導権は私にある」と語る理由
吉乃「ODD NUMBER」「なに笑ろとんねん」:PR