なぜ囲碁将棋が北海道で「絶景番組」?地方局で「お笑い番組」を作る難しさ
2月25日(金)から北海道文化放送(UHB)で始まる、新しいお笑い番組『ZEKKEI NETA CLUB』。東京を代表する実力派漫才師・囲碁将棋が、北海道の大自然を舞台に漫才を披露する、新しいバラエティ番組だ。
漫才衣装を持って絶景スポットを巡り、大自然の中でスーツに着替えてネタを披露。ネタ番組なのか、自然番組なのか、それとも旅番組なのか、どのジャンルにも属さない新しいテレビ番組の企画・演出を務めるディレクターふたつぎが番組について綴る。
なぜ囲碁将棋が、ゆかりのない北海道の番組に?
『M-1グランプリ』では準決勝常連、『THE MANZAI』では決勝進出、近年はニューヨークやオズワルド、ダイタクといった東京よしもとの後輩芸人から慕われ、「芸人が憧れる芸人」ともいわれる囲碁将棋。漫才のおもしろさは知られている一方、テレビタレントとして観ることはまだ少ない。
いちお笑いファンである私は、「こんなにおもしろいのに、まだあまりテレビに出ていないなんて! 世の中のテレビ関係者は何をしているんだ!」という、テレビマンとしては矛盾した怒りさえ感じていた。
「……だったら自分で番組を作ればいいのではないか?」
お笑いファンとしてではなく、テレビディレクターとしての私は、2021年7月に今回の企画書を提出した。情報番組を制作する報道情報部から、バラエティ番組を作るコンテンツ制作部に異動した初日のことだった。
もちろんテレビ局員として番組を作る以上は、上司や会社を納得させる「理由」が必要だ。正直、北海道のテレビ局でお笑い番組を作ることはキー局に比べて難しい。ましてや、北海道にゆかりのない東京芸人をキャスティングするのは尚のことだ。
そこで私は「絶景」番組として番組をプレゼンすることにした。囲碁将棋が公式YouTubeチャンネルで「絶景漫才」という動画を上げていて、「コレだ!」と思った。
「北海道の絶景をステージに漫才を披露する番組」と、あくまで「絶景メインの番組」として説明した。するとそこに、北海道で囲碁将棋が番組をやる意味が生まれる。この理由づけが上司にクリティカルヒット。「絶景番組」を作ることになった。ただ、本当にこの番組が「絶景番組」なのかどうかは、放送を観て確かめてもらいたい。
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