ラジオ英語講座だけで英語が話せるようになるのか?『カムカムエヴリバディ』安子の事例から考えてみた
2021年11月から放送されているNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』。“朝ドラ”史上初となる3人のヒロインによる100年のファミリーストーリーを描いた本作では、ラジオ英語講座が物語のキーとなっている。
ラジオ放送が始まった1925年3月22日に生まれたという設定の、上白石萌音が演じる初代ヒロイン・雉真(きじま)安子。彼女は、とあるきっかけでラジオ英語講座で英語を学び始め、のちに日本語が話せずに困っていた進駐軍の将校を英語で助けるまでに上達。
英会話スクールに通っていたわけでもない安子は、基本、ラジオ英語講座を利用した学習だけで流暢な英語を話せるようになったようだが、本当にそんなことは可能なのか……? さまざまな本を参考にしつつ、考察してみた。
ラジオだけで英語が上手になるのか?
びっちり張り巡らされた伏線と展開の速さに目が離せない、と話題になっている朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』。深津絵里さん演じる雉真るいとオダギリジョーさん演じる大月錠一郎は夫婦となり、京都で回転焼き屋を始める。ふたりの間には娘が誕生。新たな家族の誕生にどんな物語が始まるのか、毎朝胸をわくわくさせている。
ところでひとつドラマを観ていて、疑問に思ったことがある。初代ヒロインの上白石萌音さん演じる雉真安子の英語についてだ。このドラマは昭和から令和を生きた3人の女性の人生を、3人のヒロインを通じて描くという物語だ。
2021年の12月まではるいの母親の安子が主人公だった。安子はラジオの英語講座をきっかけに夫となる稔と出会い、愛を深めていく。ところが太平洋戦争で英語講座は中断。稔は出征、戦死する。戦後、稔の亡きあとも安子は復活した英語講座を聴きつづける。
あるとき安子は、進駐軍のロバートと出会い実際に英語を使う機会に恵まれる。安子の英語はツイッターなどでも話題になるほど流暢なものだった。しかし、果たして本当にラジオの英語講座だけでこんなに英語が上達するのか?
というのも中学生時代から英語の勉強を始めて、かれこれ25年あまり、これまで私は英会話スクールに通ってみたり、TOEICを受けてみたり、評判の参考書を使ってみたり、海外ドラマを観てみたり、いろんな学習法を試してきた。ところが悲しいことに安子ほど流暢には話せない。もちろん、安子ほど熱心に勉強しているわけでもないから当然なのだが。
毎日勉強したとして、ラジオだけであれほど流暢に話せるようになるのだろうか。それとも、安子には天性の語学の才能が備わっていたのだろうか。あるいは、戦前の英語ラジオ講座は聴くだけで会話ができるくらい上手になれるようなものだったのだろうか。
『英語講座の誕生』によると、戦前のラジオ英語講座は英文学講座、受験英語講座を経て、実用英語会話へと変わっていったそうだ。この英会話講座が現代の英語講座の番組の基礎となったという。基本的な内容は変わってないとすると、安子が話せるようになったのは内容よりも学習方法のほうに関係があるのかもしれない。
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