地球でのつらい生活と孤独を、そっと救う『うしろシティ 星のギガボディ』終了が悲しい(奥森皐月)
自称“ラジオ変態”、奥森皐月。3歳から芸能活動を始めた、16歳の女優・タレントである。
4月からの改編に向け、新番組のスタートと人気番組の終了が続々と発表されている。その中で彼女が最も悲しんでいるのは『うしろシティ 星のギガボディ』(TBSラジオ)が終わってしまうことだった。「ギスギスしない空気」「斬新な生放送」など、この番組の魅力を改めて考える。
目次
改編期の3月、HPが残り1です
一年のうちで最も感情の起伏が激しくなるのが3月である。テレビ・ラジオをこよなく愛する人であれば「改編期」のつらさを共感してくれるはずだ。毎週楽しみにしている番組が終了すると知ったとき、希望の光を突如遮られて悲嘆に暮れる。
たった今、私は深いダメージを負っている。2020年度が終わるこの時期に、大好きな番組が次々と終了することが判明した。
初回から一度も見逃さずに丸4年経った『勇者ああああ』(テレビ東京)、好きなアイドルが出演するたびワクワクしながら聴いていた『ミュ〜コミプラス』(ニッポン放送)、深夜ラジオのおもしろさを幾度となく教えてくれた『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』(TBSラジオ)。HPが1しか残っていないくらいショックを受けている。棺桶に入るまでリーチだ。
ムーシー藤田さんや、ハリウッド軍団VS二郎会、サシャナゴンがもう観られないのかもしれないと思うと、自然と涙が流れた。よっぴーとアシスタントのみなさんのトークが大好きだったのだと突きつけられた。唯一『エレ片』は後継番組がスタートするとのことで安堵したが、長年つづいた番組が終わるとなるとやはり寂しさを感じる。
もうこの感情を味わうことのないように、好きなコンテンツには惜しみなく時間とお金を費やそうと心に誓うのであった。
欠かさず聴いた『デブッタンテ』からの「24時台3兄弟」
しかしながら、私はもうひとつ重大な衝撃を受けた。それは『うしろシティ 星のギガボディ』(TBSラジオ)終了のお知らせ。
これがかなりの重症になってきている。日増しにこの事実を受け入れられない自分がいることに気づいた。今、どれだけ叫んだとて意味がないことはわかり切っているのだが、改めてギガボディは魅力的なラジオ番組だった。
『うしろシティ 星のギガボディ』はTBSラジオにて毎週水曜24時から放送中の番組(※3月24日が最終回)。
前身番組の『デブッタンテ』から、パーソナリティのうしろシティとハライチが独立して、2016年9月にスタートした。火〜木曜24時放送の『アルコ&ピースD.C.GARAGE』『うしろシティ 星のギガボディ』『ハライチのターン!』の3番組は「24時台3兄弟」と呼ばれ、イベントは3組合同で開催されることが多い。
私はこの「24時台3兄弟」が何よりも好きだ。肉親と同じくらい好き。兄弟というネーミングから考えれば、実質家族だとも言えるだろう。どんなに余裕がないときも、この3番組だけは一週も欠かさずに聴いてきた。
開始当初から聴いていることから、思い入れが特に強いラジオ番組になっている。ラジオスターのアルピーと、テレビスターのハライチという最強の布陣の狭間で、うしろシティも独自のラジオを放送していてとても好きだった。
「ヤベーやつ」が集まるレリゴー放送
ギガボディの基本に「足を使う」ことが挙げられる。わからないことはまず体験して、それを番組で報告する。一時期はパーソナリティの金子学さん自らが街に繰り出し、道行く人に番組を宣伝するコーナーもあった。
旅行好きの金子さんとキャンプ好きの阿諏訪泰義さん、フットワークの軽さから出てくる各地でのエピソードトークはとても魅力的である。それだけではない、ギガボディには数々の伝説がある。特に印象的だった出来事を今一度振り返ってみたい。
まず最初に思い出されるのは、斬新なスタイルを貫いていた生放送だ。
基本は録音放送だが、生放送のときは特別な企画で番組が進められることが多かった。生放送のことを、編集が加わらないありのままのラジオ「レリゴー放送」と呼んでいるが、これに関しては意味がわからない。
レリゴー放送では毎回TBSラジオにリスナーを招集していた。番組終了までに、TBS放送センターの横の小道にある謎のウルトラマン像に集合するというお決まり。生放送の前週の放送で「靴を履いておいてくれ」という匂わせをして、生放送中に「今からTBS来ちゃいなよ」とリスナーへ呼びかける。
集めたリスナーと合唱をしたり、最強の23区はどこなのかリスナーのじゃんけんで決めたり、ウルトラマンを起動してみんなで宇宙へ移住したり。いい意味で「ヤベーやつ」が集まってくるレリゴー放送は毎回とても興奮した。
私も生放送中にウルトラマン前に集合してみたかったのだが、中学生だったため唇を噛みながら家で聴いていた。悔しさが残るが、あの像を起動すれば宇宙に行けると今でも信じている。
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