『おそ松さん』第3期1話を櫻井孝宏ら6人が証言「『降板』の時点で懲りてない」
第3期がスタートしたアニメ『おそ松さん』(テレビ東京)を特集した『クイック・ジャパン別冊 おそ松さん』が10月23日に刊行される。それを記念して、本誌に登場した5人のキャストとスタッフに本誌ライターを加えた計6人による、「第1話の証言」を公開。
善人の塊のような新6つ子たちの登場により、1話から降板を言い渡されるニートたち。ジェンダー松やグローバル松など『おそ松さん』史上初となる24人の6つ子が登場、豪華キャストの出演、うんこになる6つ子たち……今回も過激で過剰だった第1話を振り返る!
また、本誌に収録されている櫻井孝宏と松野おそ松によるSPECIAL PHOTO「ふたりのおそ松さん」からアザーカットを先行掲載!(※取材はすべて9月末に行われたものです)
目次
櫻井孝宏(おそ松役)
タイトルが「降板」の時点で懲りてない
そもそも1話が「降板」っていうタイトルですからね。なんか、こういうこと平気でやるんですよ(笑)。6つ子たちをそういうふうに扱えるっていうマナーができ上がっているからこそ打てるタイトルですし、3期だからこそやれるっていうアプローチではあるんですが。
毎期1話が僕は大好きなんですよ。出し惜しみせずてんこ盛りな感じで(笑)。「またか」なんて思う人もいるかもしれないですけど、1期が始まって5年経っているので、新しいファン層であるとか、初めて『おそ松さん』を観る方もいるでしょうし、そういう視聴者にしっかり届くものを作るには、これくらいパンチがあるといいですよね。
振り切った1話があるからこそ、シリアスな話も、ちょっとウルっとくる感動的なエピソードも、ほんとくっだらない「何がおもしろいねん」みたいな話もやれたりするので。毎度のごとく1話はいきなり流行りに乗っかっているし(笑)。
媚びてんのか媚びてないのかもよくわかんない、そういうスタンスも好きだよとか思いつつ……。とにかく1話観てもらえれば、「おお、始まったな!」「これこれ!」ってたぶん思ってもらえると思います。
富永禎彦(プロデューサー)
新6つ子のキャストはインパクト大です
良くも悪くも、今回もカオスな内容ですね(笑)。お客さんにまずインパクトを与えられる内容にしたいという気持ちから生まれたのが、新6つ子というアイデアで。さらにエンディングのクレジットにもインパクトを持たせたくて、音響制作側に「有名な方をいっぱい入れてください」と無茶なリクエストをした結果、本当に豪華な声優さんたちに新6つ子を担当いただけることになりました(笑)。
1話に登場、ひと言でもこだわり抜いたキャスト陣!? エンドクレジットまで要注目です!
新おそ松役:花江夏樹
新カラ松役:石川界人
新チョロ松役:島﨑信長
新一松役:松岡禎丞
新十四松役:内田雄馬
新トド松役:村瀬歩
ジェンダー松役:日笠陽子
グローバル松役:利根健太朗
村上光司役:吉野裕行
配達員:高橋伸也
安彦英二(キャラクターデザイン)
キャラデ泣かせ(!?)の気合の第1話
1話のラッシュ(撮影後のチェック用ムービー)を観てきたんですけど、新6つ子たちの完成形を観て、デザインが「すごい似てる!」と思いましたね。今まではひとりの作画監督や原画マンとして『おそ松さん』に関わっていたので全然気楽だったんですけど……。第3期はキャラクターデザインなので、これまでとは違う気合いがあるというか。ファンや視聴者から「こいつのせいだー」とか言われたくないなあというのがあるので、見つかんないように、バレないようにこっそりやってる感じはあるんですけどね(笑)。
第1話は新6つ子、ジェンダー松、グローバル松とたくさん描いたので、思い出深いです。たくさんの松の集合をお楽しみください!
吉川亜未(音楽プロデューサー)
楽曲にも注目!ぜひ何度も聴いてください
新6つ子の登場など、衝撃展開もたくさんありますが、やはり見どころは、6つ子の変わらないクズな姿ですね(笑)。昼間からコンビニのイートインで缶チューハイを回し飲みするという、よりパワーアップしたニート力を見せつけています。クズだけど憎めない、あの6つ子たちが帰ってきた!と、私もうれしく思いました!
EDテーマでは、Shuta Sueyoshiとトト子&にゃーの歌はもちろんですが、要所に散りばめられている、6つ子たちの個性豊かな合いの手にも注目です! 仕かけの多い楽曲なので、ぜひ何度も聴いて紐解いていただけるとうれしいです。
鈴村健一(イヤミ役/『シェーWAVE』パーソナリティ)
絶対ダメだと思ってるけどやっちゃう
1話に気合入ってるなって感じはしますよね。1期と2期でやってきたことを全部盛りにしてる感じはすごいあって。そこは『おそ松さん』らしい1話だなあとは思います。またやらかす気かっていう感じがいいですよね。
食べてマズかったものって、二度と食わない人ともう一度食ってみようかなって人がいるじゃないですか。僕、どっちかって言うともう1回食ってみようかなの人なんですけど、『おそ松さん』のスタッフはその感じがすごいします。これ、食ったら絶対ダメだと思ってるけど挑戦しちゃう感じとか。
行っちゃいけないよってところに行きたくなるみたいになって。人の心理というか本能というか……逃れられない大人たちが作ってるのが今回の3期1話な気がするけど(笑)。簡単に言うとみんなバカなんでしょうね~。でもそこが素直でいいなあ、と。本当に素敵な人たちだなあと心から思います。(愛)ってつけておいてください(笑)。
森 樹(ライター)
笑いに貪欲で真摯な姿勢
今回の『クイック・ジャパン別冊 おそ松さん』特集で、プロデューサー、宣伝担当、版権担当、作画監督など、さまざまな制作スタッフの方々に話を聞いた。その中で頻出したのが「原点回帰」という言葉である。では、『おそ松さん』にとって原点回帰とはなんであろうか? ブレない軸としてあるのは、笑いへの貪欲さであろう。物語も設定もデザインも、そして6つ子の関係性も不可欠な要素であるが、それらはすべて笑いを生み出すためのマジカルな装置であり、機能である。過激でブラックな表現も、赤塚不二夫イズムの継承に留まらず、いかに楽しんでもらえるかの方策なのだ。
第3期第1話は、まさに貪欲な内容だった。トレンドやコンプライアンスを押さえつつ、主演級クラスの声優を新6つ子に配役してサプライズ。作画はすこぶるよく、OP、EDもさすがの構成と作り込みでリッチな映像に仕上げられていた。けっして上から目線で世間をコケにしたりイジったりするものではなく、真摯に笑いを取りにいく姿勢が感じられたのだ。
それでいて、笑いのノイズになるであろう必死さを画面上におくびにも出さない制作陣の矜持。そうした彼らのスタンスの表れが“ウンコ松”である、という私の大胆な推論は、水に流してもらってもいいです。
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『クイック・ジャパン別冊 おそ松さん』収録内容
【表紙・80ページ特集】
特集:おそ松さん STAY AGAINな人たち2015年の第1期放送開始から5年。これまで数々の伝説を残してきた『おそ松さん』シリーズの最新作が始まった。今回で第3期となる『おそ松さん』だが、シリーズがつづいていくことは6つ子たちにとってどのような意味を持つだろう。ファンやスタッフから愛されつづけ、新しいスタートを切ったばかりの6つ子たちが次に目指すところとは。
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