RUI・TAIKI・KANONがトレーニーと学生生活の両立で感じた刹那「ちゃんとその大事さをわかっている」

2025.4.19
RUI・TAIKI・KANONがトレーニーと学生生活の両立で感じた刹那「ちゃんとその大事さをわかっている」

ヘアメイク=伊澤明日花、津谷成花(マスターライツ) スタイリスト=槌田有希

文・編集=森田真規 撮影=梁瀬玉実


SKY-HIがCEOを務めるマネジメント/レーベル「BMSG」が主催したふたつのオーディションを経て、現在はBMSGにトレーニーとして所属しているRUI・TAIKI・KANONが、2025年4月18日に『GOTH』をリリースした。

そして「GOTH」は、SKY-HIが企画し、堤幸彦が監督を務め、3人が主演するFODオリジナルドラマ『ゲート・オン・ザ・ホライズン~GOTH~』の主題歌にもなっている。

“青春バカ×ミステリー×アクション=チャンプルードラマ”だという同作の放送と、トレーニーと学生生活の両立を経て、いよいよ本格始動する新ボーイズグループオーディション『THE LAST PIECE』への参加を控えるRUI・TAIKI・KANONに、“最後の青春”をテーマに話を聞いたインタビューをお届けする。

ドラマの答え合わせになっている「GOTH」

RUI リリックを含めて、ドラマ『ゲート・オン・ザ・ホライズン~GOTH~』の物語そのものを表している曲になっていると思います。

TAIKI そう、この曲でドラマの答え合わせが全部されています。だから、ドラマを観る前とあとで印象がまったく違う曲になっています。

KANON これまで僕たちが歌ってきたテイストとはひと味違う、ゴリゴリのHIP-HOPテイストの曲で、今までにない雰囲気を感じてもらえるはずです。

RUI そういう新しい雰囲気を感じてもらえたらすごくうれしいし、曲調もそうだし、おそらく今までで一番高いキーになっているとか、自分たちにとっても新しい挑戦が詰まっている一曲です。

RUI,TAIKI,KANON / GOTH - Music Video -

KANON 僕もRUIも普段はしっとりした落ち着いた曲調を歌うことが得意で、キーがめちゃくちゃ高いところが多かったのもあって、強いニュアンスを出すのが少し難しかったです。

TAIKI そうですね。こういうアングラな感じのHIP-HOPは昔からやってきているので、表現しやすかったです。

(左から)TAIKI・RUI・KANON
(左から)TAIKI・RUI・KANON

RUI TAIKIのバース「ねぇもしも最低の/言えない過去があっても/今の君とかその未来とか/つまりそれ次第でしょう?」ですね。人間の大多数を救うような歌詞だと感じて。過去にコンプレックスを持っている人って世の中にマジでたくさんいると思うんですけど、そういうことをあと押しできるワードがこの4行に詰まっていて、めちゃくちゃすごい歌詞だなって。

TAIKI 僕はミックという役だったんですけど、「どうかしてる この街のルール/今日もすれ違ってくカスとクズ」という歌詞がミックすぎるっていうか。「邪魔するなら根こそぎぶっ飛ばす」とか普段のBMSGの楽曲では出てこないような、いい意味で汚い言葉が歌っていて新鮮で楽しかったです。

KANON 初めて歌詞を読んだときにはドラマの内容を知っていたので、本当にドラマのために書き下ろされたリリックなんだな、というのが最初の印象でした。撮影が終わってから改めて読んだら、SKY-HIさんがすべてを知り尽くしていたかのようにリリックが全部当てはまっていて、興味深いなって思いました。

RUI
RUI(ルイ)2007年6月1日生まれ、東京都出身。2021年、中学1年のころにオーディション番組およびプログラム『THE FIRST』に参加。オーディション番組の最中に異例の練習生契約の打診があり、半年後にはSKY-HIの作品「14th Syndrome」に参加し、ライブやイベントなどでその美声を轟かせている
TAIKI
TAIKI(タイキ)2007年7月28日生まれ、東京都出身。小学生のころから多くのフリースタイルバトルに出演し、実績と経験を積んできた。2021年、SKY-HI主催のオーディションおよびプログラム『THE FIRST』にて、中学生らしからぬパフォーマンスのクオリティに対するこだわりと、年相応な愛くるしい一面のギャップで話題を呼ぶと、同年SKY-HIの楽曲に客演参加
KANON
KANON(カノン)2006年4月3日生まれ、福岡県出身。2022年、高校1年生のときにBMSG第2弾ボーイズグループを生み出した『MISSIONx2』に参加。セクシーな低音ボイスと表現力、そして音楽への愛情の深さにSKY-HIも惚れ込み、BMSGへの所属が発表された。『SKY-HI ARENA TOUR 2023 -BOSSDOM-』のオープニングアクトとして初ステージに立った際には、その歌声で会場にどよめきが起こるほどのパフォーマンスを見せつけた

ドラマの撮影で感じた「幻のような、リアルな気持ち」

【公式】企画:SKY-HI 監督:堤幸彦 FODオリジナルドラマ「ゲート・オン・ザ・ホライズン」60秒PR<FOD>

RUI 10代の子にも刺さると思うし、僕たちよりも上の世代の方にも刺さる気がします。今の時代ってグレた奴ってあまりいないじゃないですか。でも、ドラマに出てくるのはグレた奴ばかり。そういう時代にはいたのかなっていうキャラクターがたくさん出てきます。

KANON あと、今ってリアルな10代が主人公を演じるドラマが少なくなってきているらしくて、そういう意味でも今の時代にあまりないようなドラマだと思います。堤(幸彦)監督も、久しぶりに10代が主役のドラマを撮ったみたいです。

TAIKI ドラマでも主題歌でも、10代の僕たちだからこその空気感が出せているんじゃないかなって思います。

RUI 1月上旬からですね。

KANON そこから2月中旬に撮影を終えて、帰ってきました。

KANON
KANON
KANON

RUI 特定にこれっていうものはなくて……42日間がんばってきて、正直、今考えたらちょっとしか思い出せないんですけど、「あのシーンはこういう感情だったな」とか、一つひとつの気持ちってマジで大事だと感じました。本当に幻のような気持ちなんですけど、そのときに感じた気持ちはリアルなんだなって。

TAIKI はい、そうです。自分はずっとアクションをやってみたくて、今回は演技にプラスしてアクションがあると聞いていたので、楽しみにしていました。でも、セリフも演技も覚えないといけないし、そこにプラスしてアクションだとすごく苦戦するだろうなって予想していたら、意外にできて。アクションは楽しかったし、やっぱりやってみるものだなって思いました。

TAIKI めっちゃ活きたと思います。ドラマの舞台が沖縄なんですけど、空手の発祥の地でもあるので感慨深かったですね。格闘シーンがすごく印象に残っているので、楽しみにしていてください。

KANON 僕はドラマの撮影期間中に、別の映画(※KANONが日穏の名義で主演した『代々木ジョニーの憂鬱な放課後』)の舞台あいさつがあって、一回東京に帰って、そこで初めて自分が出ていた映画を観て。もちろん映画としては素敵だったけど、自分としては「もっとこうできた」と思った点がいっぱいあったんです。

KANON それで沖縄に戻ってドラマの撮影を再開したんですけど、自分の演技の改善点っていうか、今までどこを意識してなかったというのが見えたんです。それを踏まえていろんなことを考えながら演技できたことがよかったというか、印象に残っていますね。

TAIKI KANONが「映像を見ないとわからない」と言っていたから、それを聞いた日から自分は、その日に撮った素材を確認して次の日に挑むようにしました。

TAIKI
TAIKI
TAIKI

トレーニーと学生の両立に感じている“青春”

RUI 自分たちは今もほぼ毎日行っているし、KANONも行っていました。それこそ普通に授業を受けていますし、僕、頭いいんです。

KANON ビッグマウスきた(笑)。

RUI 学校終わったあとにレッスンに行って、帰ってきてテストの勉強して、そういう生活を送ってます。大変だけど、人間無理なことはないんだなって思いました。がんばれば意外といけるよね?

TAIKI うん、そうだね。RUIが言ったとおり両立って大変なんですけど、できないことはないなって。

KANON 学校に行って、終わってから事務所でレッスン受けて、次の日にまた学校に行くっていうサイクルがルーティンになっていて、苦に感じることはあまりなかったです。今、卒業して早起きしなくていい期間が生まれてから改めて考えると、普通とは違うおもしろい生活していたんだなって思います。大変ではあったんですけど、楽しさとか達成感のほうが大きかったです。

RUI マジでよかったです。それこそ青春そのものだし、たまに修学旅行のこととか思い出すんですよね。部屋に集まって、みんなで人狼したり。芸能界にいたらこういうことはもうできないって覚悟でいたんですけど、こんなに活動をしているなかで学生生活も経験しているっていうのは当たり前じゃないなって。マジで楽しすぎて、“青春”だなって。甘酸っぱいよね?

TAIKI うん、甘酸っぱい。

KANON あとから振り返ってじゃなくて、今の段階で甘酸っぱさを感じてるんだ(笑)。

TAIKI でも、本当に普通の学生よりも学生の期間を楽しめていると思います。ちゃんとその大事さをわかっているので、後悔のないように学校に通っています。

RUI
RUI

KANON 高校を決めたときには自分がまさかBMSGに所属するとは思ってなくて、まわりには普通に友達がいるし、僕がオーディション(『MISSION×2』)を受けてきた過程とかも全部見てくれていたので、めちゃくちゃ応援してくれていました。まだ卒業して間もないんですけど、卒業してからも友達と遊んだりしていますし。そういう一生の友達ができたっていうのは、かけがえのない体験だったんじゃないかなって。宝物だと思います。……(RUI&TAIKIに向かって)なんだニヤニヤしよって!

KANON トレーニーとして活動中だからこそ得られた青春みたいな体験もありました。たとえば、トレーニーだけど『BMSG FES』に出させてもらったり、トレーニー仲間のみんなで『BMSG Trainee Showcase』をやらせてもらったり、その宣伝のためにショッピングモールを回らせていただいたり、全部含めてトレーニーの間でしかできない青春だなって。そういうことが高校生のうちに経験できて、それが本当に楽しくて、うれしかったです。

KANON 毎日のように思っています。3人以外のトレーニーも含めてデビューに向かって日々、努力しているんですけど、この生活の楽しさみたいなものを覚えているからこそ、トレーニー期間が終わる寂しさもあります。

TAIKI たしかに、戻れないからね。

KANON そう、だからこそ今を楽しもうって気持ちがあります。(TAIKIに向かって)どうですか?

TAIKI そうですね……トレーニー期間って、なんでもチャレンジできるし、何にチャレンジしても背中を押してくれるから、めちゃくちゃ成長できた期間でもありました。だから、トレーニーの期間が終わるのは本当に悲しいです。デビューしたらいちアーティストっていう目線で見られる、その怖さは少しあります。

RUI チャレンジして成功しても失敗しても、トレーニーだから学べる。失敗を今後に活かしていけるのはデビュー前の今しかないので、本当に人としての成長どころだなって思います。

RUI

謙虚と感謝を忘れずに挑む『THE LAST PIECE』

(左から)TAIKI・RUI・KANON

RUI 『THE FIRST』の6京(けい)倍、いや6垓(がい)倍カマしてやろうって、めちゃくちゃ気合いが入ってます。

KANON 今まで培ってきた経験とかスキルとか、してきた努力を証明する意味でカマすことも大事にしたいんですけど、最優先で考えることは自分自身が音楽を楽しむこと。そうしないとデビューしたあとに一緒に楽しんでくれるお客さんがついてこないと思うから、自分は「楽しむ」っていうことを一番に考えたいです。

TAIKI デビューって人生で一回しか基本はないと思うので、僕たちにとっても人生が決まる瞬間っていうか、これで一生食べていくっていうのが決まる瞬間だと思うので、すごいことが始まるんだなって。トレーニーとしてやってきた4年間、その前からやってきたMCバトルとかの経験も全部が自分のスキルにつながっていて、それが結果にもつながってくると思うので、その経験を最大限に活かせるようにがんばります。

RUI 間違いない。

TAIKI そして、常に謙虚で感謝を忘れずに。

(左から)TAIKI・RUI・KANON

RUI・TAIKI・KANON『GOTH』

RUI・TAIKI・KANON『GOTH』

デジタルリリース:2025年4月18日
Lyrics:SKY-HI
Music:Chaki Zulu, LOAR, SKY-HI
Produced by SKY-HI, Chaki Zulu

FODオリジナルドラマ『ゲート・オン・ザ・ホライズン~GOTH~』

ドラマ『ゲート・オン・ザ・ホライズン~GOTH~』は、沖縄の高校生たちの抗争や友情、成長を描く“青春バカ×ミステリー×アクション=チャンプルードラマ”。

FODオリジナルドラマ 『ゲート・オン・ザ・ホライズン~GOTH~』 (C)フジテレビ
FODオリジナルドラマ『ゲート・オン・ザ・ホライズン~GOTH~』 (C)フジテレビ

配信:2025年4月18日(金)配信スタート
※毎週金曜日21時最新話配信
出演:RUI、TAIKI、KANON、edhiii boi、服部樹咲、池田鉄洋、戸田恵子ほか
企画:SKY-HI
監督・原案:堤幸彦
監督:平一紘(3話・4話)/池辺安智(6話・7話)
脚本:池田テツヒロ
脚本協力:平一紘
制作プロダクション:オフィスクレッシェンド
企画協力:BMSG
制作著作:フジテレビ
URL:https://www.fujitv.co.jp/goth/

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Written by

森田真規

(もりた・まさき)『クイック・ジャパン』編集部所属。エディター。編集・発行人として『なんとなく、クリティック』、編集人として知人と3人で『なnD』という本を年に一度のペースで作っています。イラストは飯田裕子さんに描いてもらった似顔絵です。

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