BUDDiiSが夢の舞台たまアリで誓った“未来”。MORRIE「僕らにはもっともっとよい未来が待ってると思うんで…ドーム行くぞ!」
FUMINORI・KEVIN・MORRIE・SEIYA・YUMA・SHOW・TAKUYA・HARUKI・FUMIYA・SHOOTからなる10人組の“DIY”ダンス&ボーカルグループ「BUDDiiS(バディーズ)」。
2024年12月29日、彼らはさいたまスーパーアリーナにてグループ史上最大規模となるワンマンライブ『BUDDiiS vol.09 - MiiRAI -』を開催した。
5周年を迎える2025年、そしてその先に見据えた“未来”への記念すべき第一歩ともいえる、かっこいいもかわいいも詰まったライブのオフィシャルレポートをお届けする。
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10人でつかんだ輝かしい“未来”
今年9月にリリースした1st MiniAlbum『UtopiiA』がグループ初のオリコンウィークリーチャート1位を獲得。加えてテレビドラマや舞台、バラエティへの出演など、メンバー個々人でも活躍している10人組DIYダンスボーカルグループBUDDiiSが、12月29日にさいたまスーパーアリーナにて『BUDDiiS vol.09 - MiiRAI -』を開催した。
グループ史上最大規模となるワンマンライブは、過去から見た未来である“今”のBUDDiiSの可能性や進化をさまざまな角度から見せつつ、この先の“未来”を語るものに。BUDDiiSの夢=未来を綴った書物を巡る映像も随所に盛り込みつつ、メンバーシャッフルやカバー曲披露でもバディ(BUDDiiSファンの呼称)のド肝を抜き、アンコールでは春の全国ツアーと、秋の東西アリーナツアーも発表。来年2025年の結成5周年に向けて、鮮烈な光を放ってみせた。
開演時刻となって流れ始めたオープニング映像の中では、大きな時計盤の下で最年少のFUMIYAから順に、1冊の書物を次々に手渡していくメンバーの姿が。最後に最年長のFUMINORIにたどり着くと、ステージの階段上に10人のシルエットが逆光で映し出され、本公演のテーマ曲として作られた新曲「LIGHTS」でBUDDiiS史上最大となるライブの幕は開いた。
タイトルを表すように、レーザーの光がステージから放たれる軽快なダンスナンバーを迎えるのは、客席を埋め尽くしたカラフルなペンライトの光たち。そして10人全員がマイクを握り、間奏のダンスでは見事な足さばきを見せながら、今、目の前に存在する“眩しい世界”への想いを歌い上げていく。曲の歌詞を借りるならば、がんばったぶんだけ報われるかはわからないし、描いていたとおりの未来とは違うかもしれない。けれど、今、目の前にあるまばゆい景色こそが、この10人でつかんだ輝かしい“MiiRAI”なのだ。
以降も、近未来風のお城をバックモニターに映し出した「JUBiiLEE」に、「今日は最高に幸せな日にしていきましょう!」とつないだ「Brightness」と、タイトルからして眩しい光や輝きを表す楽曲で、BUDDiiSならではの幸福で心躍る空間を作り上げていく。
KEVINやSHOOT、SHOWらの抜けのいいボーカルに、MORRIEのエモーショナルな歌声が熱を加え、FUMINORIやFUMIYA、SEIYAがフックの利いたラップを聞かせていくが、ダンサーのTAKUYA、YUMA、HARUKIも加わり、とにかく全員で歌割を担当するのが今のBUDDiiSのスタイル。
アリーナ客席を突っ切る花道を進み、10人全員でセンターステージへと向かう姿の威風堂々ぶりも「Brightness」の歌詞を借りるなら、そんな“みんな違って みんないいよね”のポリシーを実行した結果なのだろう。そのまま10人で円になり、振り付けをアップデートした「ALIEN BOY」を360度のオーディエンスに囲まれて披露して、グループとしての確かな成長ぶりを示してくれたのもうれしい。
FUMINORI「みなさんが僕たちの光です!」
ワンマンは9月の日本武道館公演以来ということで、その間に30歳の誕生日を迎えたリーダー・FUMINORIをKEVINが祝う場面も。“キセキの30歳”と称し、写真集も発売したばかりのFUMINORIは、誰も体調を崩さずライブ当日を迎えられたことを喜んで「次も新曲持ってきました。超絶かわいい曲になってるんで!」と完全未発表の新曲「LÖVE ME」をサプライズ披露。
ハートが飛び交う巨大LEDモニターを前に、抑えられない“こんなに好きなのに”という想いを、かわいい振り付けと切ないリリックでアピールしていく。ちなみに、この曲は作詞をSHOOT、振り付けをFUMIYAとBUDDiiSの弟組が担当したとのこと。リリースの暁には、そこにも注目してほしい。
続く「Magic」ではラッパー陣を含めた全員がメロディを歌い、Bメロで絶妙なラインをたどるSHOWのボーカルが客席をとろかせれば、SEIYAが愛を告げる英文ウィスパーにも黄色い歓声が。最後はFUMINORIが“It’s like Magic”と締めくくり、舞う花びらを背にピタリとそろったシンクロダンスで、バディたちを文字どおり“魔法のように”魅了していった。
ここで、少年が夢を書き綴った本に“自分たちの夢のステージを作る!”“世界中の仲間に会いに行く”など、こっそりページを描き足していく10人の映像が流れ、センターステージにはKEVIN、MORRIE、SHOOTだけが登場してバラード「her+art」を歌唱。そこにメインステージの上段からSHOWが駆け出して、別れを経ても消えることのない狂おしい想いを、全身を使ったコンテンポラリーダンスで表現していく。
そして全員が集まって円を作ると、その中心でボーカル3人を乗せたドーナツ型ステージがリフトアップ。彼らを囲むペンライトの光に「最高の景色をありがとうございます。みなさんが僕たちの光です!」とFUMINORIが告げてからの「SUNSHINE」では、エモーションが滲む歌声で聞く者の胸を打ったSHOOTを筆頭に、全員で歌いつなぎながら全方位のバディに手を振っていく。そこでステージは再びリフトアップし、さらには回転しながらリフトダウン。高さを変えることで、スタンド席のすみずみにまで視線を投げかけていくことが可能になり、ふたつのバラードをより深くバディの心に届けていった。
そこからひとりステージに立つSHOOTを中心点として、9人が円型になってステージに横たわるという、印象的なフォーメーションからお披露目されたのが、カンテレ・フジテレビ系全国ネットで1月から放送されるドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』の主題歌「Iris」。スモークが流れるなか、ドラマを感じさせるシアトリカルな動きと、トーンの高い薄絹のように繊細なボーカルで、幻想的な世界を展開していった。
FUMINORIいわく「ドラマ主題歌ということで、ひとつの作品として作った」という、BUDDiiSとしては画期的な楽曲に続いては、MORRIEがカメラを挑発しながらセンターステージのさらに先へと進んで、アリーナ最後方に作られたサブステージへ。そして「Instinctive Love」のエキゾチックなトラックに合わせ、艶めかしく腰を揺らして挑発的な振り付けで躍動する10匹の“愛のケダモノ”が、バディたちを悩殺していく。こんな世界観強めの楽曲で、グッと場内の空気を変えられるようになったのも、結成からの4年間しっかり研鑽を積み重ねた今だからこそだろう。
だが「ここからは俺たちBUDDiiSのスペシャルメドレーでブチ上がっていきたいと思います。さいたま行けるか!?」(FUMINORI)と一斉に花道に飛び出してからは、一気にバディたちを熱く煽動していく。SEIYAが容赦なくラップで斬りつける「Koi to me」に、SHOWのダークなボーカルに客席中のペンライトが大揺れする「Mr. FREAK OUT」と続いてからは、デンジャラスなダンストラックも展開。
巧みな足技を用いながらタフなダンスをピタリとそろえる10人のまわりを噴き出す火花のスパークラーが彩るというスペクタクルな画でバディのテンションを上げ、さらに「そんなんでイケんのかよ!?」とSHOOTが煽ってファイヤーボールが打ち上がる「BEAST2」へとなだれ込む展開は、心だけでなく物理的にも灼熱だ。しかし熱くさせっぱなしではなく、その熱を軽やかな「Beautiful」に夏曲の「Glow Gold」が、キュートに心地よく冷ましていくのがBUDDiiSらしい。
バディが熱狂したメンバーシャッフル&「最上級にかわいいの!」カバー
アリーナに十字型の花道とセンターステージ、一番うしろにはサブステージなど、会場が広いからこそしっかりステージを作ったとMCでは説明し、FUMIYAも「けっこうみんなの近くに行けたんじゃないですか」と満足げ。TAKUYAは「メチャメチャ熱いですね! 1曲目の『LIGHTS』もけっこうキャッチーで楽しくないですか?」と客席に問いかけた。
そして今回のライブが、次のライブ会場をダーツで決める『BUDDiiS ダーツの旅iiS』の一環であることにも触れ、なんと『ダーツの旅iiS』で恒例となりつつあるメンバーシャッフルも実施! 冒頭、FUMIYAの代わりにFUMINORIが獰猛なラップを放ち、歌い出しからKEVINパートのTAKUYA、MORRIEパートのYUMAとダンサーふたりの歌声に場内のテンションは爆上がる。HARUKIがSHOWパートのメロをハイトーンで歌えば場内からは“かわいい!”の声が湧き、YUMAの代わりにSHOOTが吐息を漏らすと客席から悲鳴が。
1番の終わりではTAKUYAパートの“Oh Yeah”をFUMIYAがニヤリと放ち、2番に入るとSHOWはSEIYAの高速ラップを軽々とこなしていく。また、KEVINはHARUKIのポジションに入り、忖度ナシのガチダーツの結果、MORRIEが弟・SHOOTのパートを当てたのも胸アツだろう。サビでは“mera mera”というリリックに合わせ、特効のド派手な炎まで。「HONEY」という楽曲がもともと持つラテンなエモーションを、シャッフルという特別なスパイスと共に倍増させ、最後はFUMINORI役のSEIYAが艶っぽい吐息を聞かせて熱狂の数分間を締めくくる。
そんなスペシャルなセクシーを味わわせて、続けざまにまったく種類の異なるラブリーな熱狂を場内に生み出したのが、同じ事務所に所属する超ときめき♡宣伝部のヒット曲「最上級にかわいいの!」のカバーだ。ド頭からFUMINORIとSEIYAが“これが乙女の逆襲だ!”とポーズを決めれば、のちのMCで「地響きしてなかった?」とKEVINが言うほどの歓声があがり、メンバーが “かわいい!”と歌えば客席からも“かわいい!”の声が返る。また、KEVINが「ひよりんさん(吉川ひより)を宿して! マジで動画たくさん観ました」と言ったように、メンバーのなりきりぶりはかなりのもので、2番ではFUMIYAがかわいい声で歌いながらSHOOTに“ヨシヨシ”する場面も。
サビでは全員でドールのように揺れる、おなじみのかわいいダンスを披露して、バディに“ときめき”を宣伝しまくってみせた。超ときめき♡宣伝部の楽曲をBUDDiiS がライブでカバーするのは2022年の横浜武道館ライブに続いて2度目だが、前回と同様に今回も同じ会場で前日に超ときめき♡宣伝部がライブをしていたことから「どうかやらせてください!」と頼み込んだとのこと。快くOKを出した“とき宣”にバディとしては感謝せざるを得ないだろう。