「目元&身体のラインの再現を意識しました」『【推しの子】』など“2024年夏アニメ”ヒロインに扮するコスプレイヤーたちに聞いた“こだわり”

2024.7.4
(左から)ゆゆさん、千羽矢さん、のぞみさん

文・撮影=ソムタム田井 編集=森田真規


世界最大規模のアニメの祭典として知られ、3月23日、24日に開催された『AnimeJapan 2024』で、『【推しの子】』や『2.5次元の誘惑(リリサ)』、『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』などの人気アニメのヒロインに扮したコスプレのレイヤーたちに、“衣装やメイクに対するこだわりポイント”を聞いたレポートをお届けします。

コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”

コスプレイベントといえば会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも参加する上での醍醐味のひとつ。2024年も全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。

そうしたイベントに興味はあるもののまだ参加したことがないという方に向けて、本稿では春に行われた大型コスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。

ここでピックアップするのは、東京ビッグサイトにて3月23日、24日に開催された『AnimeJapan 2024』に参加していたコスプレイヤーたち。同イベントは“世界最大規模のアニメの祭典”として知られ、毎年国内外から多くのアニメファンが来場。コスプレエリアにも新旧さまざまなアニメ作品のレイヤーたちが駆けつけていたが、その中には流行を先取りして、2024年7月より放送開始となるアニメ作品のヒロイン(に扮したレイヤー)の姿も。

『【推しの子】』の星野アイをはじめ、『2.5次元の誘惑(リリサ)』のミリエラ、『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』の深森白夜らに扮したコスプレ参加者が一堂に会し、それぞれに撮影のための長蛇の列ができていたのが印象的だった。

もちろんそのほかにも『ようこそ実力至上主義の教室へ』『魔法少女にあこがれて』『姫様“拷問”の時間です』など、イベント開催時期に放送中だったアニメ作品のキャラに扮するレイヤーも多く、終了時間ギリギリまで各所で写真撮影や交流を楽しんでいる姿が見られた。

「星野アイちゃんは瞳孔に星が描かれてた独特の目元が特徴的なキャラクターなので、あとで写真を加工しやすいように、やや抑えめの色味のカラコンを用意しました。その上で“目”そのものを大きく、かわいらしく見せるために、アイメイクで下まつ毛を強調したのもこだわったポイントです」(『【推しの子】』星野アイ/のぞみさん)

『【推しの子】』星野アイ/のぞみさん
『【推しの子】』星野アイ/のぞみさん

「身体のラインがはっきり見える衣装なのでサイズ感を調整して、その上できれいに着こなせるよう、体型の維持にも気をつけました。ウィッグは両サイドのボリュームや結い上げる位置がちょっとでもズレると印象が大きく変わってしまうので、左右のバランスに気をつけながら形を整えました。それともう1点、ミリエラは大きくて力強い目も特徴的なキャラクターなので、その雰囲気を再現するためにアイメイクにもこだわりました」(『2.5次元の誘惑(リリサ)』ミリエラ/ゆゆさん)

『2.5次元の誘惑(リリサ)』ミリエラ/ゆゆさん
『2.5次元の誘惑(リリサ)』ミリエラ/ゆゆさん

「まだアニメに関する情報がほとんど出回っていない時期だったので、衣装や小道具はすべて自作で用意しました。衣装は身体のラインが見えるデザインなので、ぴったりフィットするようにサイズ感を調整しています。その上できれいに着こなせるように、イベントの3カ月前から筋トレの回数を増やして“くびれ”を作ってきました。キャラクターのイメージを損なわないように身体作り&体型維持に取り組んだことが、今回のコスプレで一番こだわったポイントになります。ウィッグに関しては魔法少女ならではのキラキラ感を出したくて、お団子部分にスパンコールをちりばめてみました。また、杖の先端の星は浮いている設定なので、浮遊感が出るように調整しています。ここもこだわったポイントなので、注目していただけるとうれしいです!」(『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』深森白夜/千羽矢さん)

『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』深森白夜/千羽矢さん
『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』深森白夜/千羽矢さん

「昨年に続き、今年も『よう実』ブースで坂柳有栖ちゃんの公式コスプレをさせていただきました。今回は昨年よりもさらにメイクを研究して、全体的にクオリティを高めてきたつもりです。アイライナーの引き方を変えるなど、アイメイクには特にこだわっていて、大好きな有栖ちゃんに近づけるように精いっぱいの愛を込めてがんばりました!」(『ようこそ実力至上主義の教室へ』坂柳有栖/大河ももさん)

『ようこそ実力至上主義の教室へ』坂柳有栖/大河ももさん
『ようこそ実力至上主義の教室へ』坂柳有栖/大河ももさん

「特徴的な髪型のキャラクターなので、今回は特にふわっとしたツインテールの再現にこだわりました。ウィッグはなかなかイメージに合う色味のものがなかったので自宅で染色して、何度か試してこの色味に仕上げました。それとレオパルトは瞳孔の大きさとたれ目も印象的なキャラなので、普段より大きいカラコンを使ったり、アイラインや涙袋のメイクにもこだわって、目元を忠実に再現しています。小道具のピストルは、100円ショップで購入したおもちゃの銃をシルバーに塗装して用意しました」(『魔法少女にあこがれて』レオパルト/トキワさん)

『魔法少女にあこがれて』レオパルト/トキワさん
『魔法少女にあこがれて』レオパルト/トキワさん

「注目していただきたいのは、原作サイズで再現した足枷用の鉄球です。サイズ感を計算した上でライオンボードを切り出し、制作しました。こういった形の造形に挑戦するのは初めてだったので、ちょっと難しかったです」(『姫様“拷問”の時間です』姫/林檎飴さん)

『姫様“拷問”の時間です』姫/林檎飴さん
『姫様“拷問”の時間です』姫/林檎飴さん

QJWebでは6月以降も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、レポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。

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ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..

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