「ホームランの約束」は賞味期限切れ? 野球ネタの未来を語る
──野球コントだと、ほかには「ヒーローインタビュー」や「高校野球の不祥事」あたりの設定がよくありますね。
林田 そのへんはまだできるかな。“ホームランの約束”はそろそろキツい。
吉住 ベッドと人が出てくるって、印象に残りやすいですしね。
林田 というか、正直、コントで知った設定ですよ。元ネタが何かって言われたら知らないし、なんでこんなに定着してるのかもわかんない。
上田 ベーブ・ルースの実話なんですよね? 調べたことあります。
──はい。入院中の少年にワールドシリーズでのホームランを約束し、実際に打ってみせたという逸話があります。
上田 もう逆に、一番最初の、ベーブ・ルースをやったらウケるのかもしれない。
林田 ベーブ・ルースのモノマネを!?
上田 そう。
林田 それはいよいよ終わりですよ。ピリオドが打たれます。
吉住 誰が初めにこの設定をやったんですかね? その人、すごいですよね。
上田 これぞというのは知らないけど、俺が芸人始めた10年くらい前はまだ「いや2軍の選手かい」って感じでもけっこう新しかった気がする。だからそんなに古くはないんじゃない?
林田 松本(人志)さんがやってましたよね。「何をやったかわからない人がお見舞いに来る」ってネタ。あれが大元なんですかね?
上田 世界1位の人が励ましに来てくれるけど、なんの1位なのかわかんないってネタね! そこから変えて変えて派生していったのかなぁ。
林田 ……意外と盛り上がるな、野球とコントの話。あ、最近だとヒコロヒーさんと納言の幸さんが『ネタパレ』(フジテレビ)で女子選手と女性患者って角度でやってましたよ。
上田 あったあった。そう考えると『女審判』もすごいよね。審判のネタはほかにもあるけど、女の人っていう角度はなかった。
林田 性別は切り口変わりますよね。女性はまだ野球ネタができる!
吉住 確かに、女はまだいけますね。男の人が女装してやるのとは全然見え方も違うし。
林田 「女装してまで角度つけてきたか!」って思われたくないですもん。野球ネタの未来は女性に託そう。
上田 開拓していくのは吉住さんしかいないのかもしれない。
吉住 じゃあ、あとは私が引き受けます(笑)。
林田 男芸人の野球コント引退宣言。まさかの、この座談会で(笑)。