草刈正雄の父を探し出す『ファミリーヒストリー』の最高傑作「モヤモヤしていたものが…こんな幸せはないです」

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『ファミリーヒストリー』(8月14日放送)

ゲストは草刈正雄。シングルマザーだった母・スエ子は、父のことについて多くを語らぬまま死去。朝鮮戦争で死んだという父の名前が「ロバート・トーラ」とだけ聞いていたが、写真もなくスペルすらわからない。ほかは祖父に当たる人が郵便局員という薄い情報のみをもとに全米を捜索。

可能性のあるスペルを調べると8,827件ものヒット。しかし、手がかりが掴めない。検索範囲を「トーラー」に広げると183,864件にもふくれ上がる。その中から可能性のある人物にひたすら手紙を送ると、ついに「家族の謎が解けた」と喜ぶ人物から返信が来る。

彼は親族で、ロバートの姉、つまり草刈の伯母に当たる人物が生存しているという。ロバートは2013年に死去。草刈と証言が食い違うため、DNA検査を実施。97%血のつながりがあると判明する。

というか、もう間違いないだろうと思えるほど、彼の親族の一人ひとりがみんな草刈正雄そっくり。見つかったことに、「すみません……言葉が……」と涙を拭う草刈。NHKの調査力のすごみを見た。

ロバートは将校になる幹部候補学校に行くことになり、アメリカへ帰国。日本でのことを語らず、それが原因なのかは不明だが神経衰弱になったという。そんな彼を見て姉のジャニタは、ドイツへ行くことを勧めたという。

彼がドイツに発ったころ、スエ子から窮状を訴える手紙が届く。ロバートの母や姉たちが受け取り、おそらくロバートに知らせぬまま返事を書いた。時代状況的にやむを得ない事情はあったにせよ、はっきりいえば、見捨てられたかたち。実際、母は大変な苦労をして子供を育てることになる。

「言葉が出てこない……まあ、苦労しましたね……」と声を震わす草刈。「モヤモヤしていたものが……こんな幸せはないです」と言うが、父のことを知れた喜びと共に、簡単には割り切れない複雑な感情がにじみ出ていて、胸が締めつけられた。そしてラストの展開……。名作ぞろいの『ファミリーヒストリー』の中でも最高傑作と言っても過言ではないすごい回だった。

『キョコロヒー』(8月14日放送)

夏ということで、去年に引きつづき島田秀平がゲスト。「よくもまあ、のこのこと」とヒコロヒー。前回、怪談を披露するもさんざんな言われようだったためリベンジとして新たな怪談を披露。

聞いている途中もニヤケを隠し切れないふたり。ついには齊藤京子が同じような話を城島リーダーから聞いたと「盗作」呼ばわり。ずっと言いたい放題でおもしろい。UFO映像も持っていたというと、ヒコロヒー「ちょっと島田さん、手広げ過ぎですよ(笑)」。

「早く手相の話をしてほしい」と手相を見てもらい、褒められ、うれしさを噛み締める齊藤京子。黒柳徹子と同じ生命線を持っていると言われたヒコロヒーは、「パンのCMが来る」と島田に占われ、「いい加減にしてくださいよ!」「よくもまあ、そんなインチキばっかり。ペテンの幅広げていくだけ!(笑)」。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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