テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。
『相席食堂プライムビデオSP』(7月28日放送)
上田慎一郎、村西とおる、高橋みなみら著名な“監督”5名が演出を担当し、それぞれが自らキャスティングした旅人とロケを行う、Amazon Prime Videoの特別編。
秋山は#9から登場し、花田虎上に自作の歌を歌わせつづけるというロケをやっていたが、#10では自ら「徳島が生んだスター」つむさんこと津村屋コウジに扮して、自身が企画・演出・出演するローカル番組『デタラメっ弁当』とコラボ……という体裁の、いわば特別編の特別編。
テロップの入れ方から雰囲気まで『水曜どうでしょう』というより、それを模したローカル番組のパロディ。つむさんのパートナーの「はらやん」(原田健二)が、いかにも地方アナウンサーっぽくておもしろい。
彼らがやっている企画は「くじ引きトラベル」。 方向、移動手段、距離などすべてをくじで決めるため、徳島に4年間帰れていないそう。くじを引き直したり、車の種類までくじで決めたり、ひたすらくじを引きつづけ、「セーフ!」などと繰り返す。
「死ぬ死ぬ! おもろ過ぎて死ぬかも」とノブ。大悟も「こんなんやりたいもん、わしも」「わしらのツッコミなしで観たほうがいいかも」「おもろないって、すごいおもろいんや」などと絶賛。
さらに、プロデュースしているアイドルグループ「脱っ♥平凡宣言。」や、つむプロに所属するミュージシャン・弦仙ゆうきが登場。いちいち抜群。
特に「レッカーライ ホーホー」と謎のフレーズを長渕風に歌う弦仙ゆうきには、「もう無理や」「おもろ過ぎるぞ」と千鳥のふたりが笑い過ぎて呆然とするほど。ノブ「マジで近年観たものの中で一番おもろいかも」。
大悟が「刺激になりました」と総括するほど、凄まじかった。秋山自身がスゴいのはもちろん、秋山の脳内イメージを具現化したかのようなキャスティングも神がかっていた。
『魔改造の夜』(7月27日放送)
今回の競技は「パンダちゃん大玉転がし」。
参加したのは「H置電機」こと日置電機、「N社」ことNEC、そして「N岡高専」こと長岡高専。これまで東大はあったが、初の高専の参加。
おそらく「Z世代」ということで、ももいろクローバー(Z)の「走れ!」に乗って入場。
「総合リーダー」を務める5年生はこの日が卒業式だというが、「夜会のほうが大事」と参加。コロナで不完全燃焼だった『ロボコン』の雪辱を晴らしたいのだという。
彼らが魔改造したパンダの名は「花火師パンダ 転転ちゃん」。H置電機は「ぱんだ幸村」、N社は「ころころおおだま 社N社N(シャンシャン)」とそれぞれネーミングがとてもいい。
トップバッターのN岡高専。成功して記録がつくこと自体が難しいのが『魔改造の夜』だが、ほとんど完璧な走りで見事6秒20で完走。伊集院「おじさん、泣いてしまいそうだ」。
それに立ちはだかったのがN社。ものすごいスピードでゴールまで駆け抜け、4秒37という驚異的な記録。「君たちが目指す道が僕らなんだ」と示したようだ、と伊集院。
第2試技では「圧倒的な記録を出してくれたおかげで、リミッターを外すことができる」と伊集院が言うように、スイッチを押した瞬間トップスピードになるようにプログラムを変更した上で、スタートボタンを押す担当の後輩に「最悪フライングしてもいいからギリギリ攻めて」と声をかけるリーダー。
卒業する先輩にとって最後の挑戦という強烈なプレッシャーに打ち勝ち、抜群のスタートを切ったが、スピードに乗り過ぎたためか、あえなく大玉がコースアウトで失格。
しかし、やり切った彼らの表情は充実感と清々しさに満ちていた。そこに流れる「仰げば尊し」。感動的な「卒業式」だった。
一方、H置電機の「ぱんだ幸村」は1本目なぜか動かず、2本目は動き出すもすぐに止まってしまうという悲劇。その原因が「夜会までの過度な練習で配線が傷んでしまっていた」というのだから残酷過ぎる。
N社も2本目はあり得ないようなミスを犯し、やはり『魔改造の夜』には魔物が棲んでいることが改めて証明された。伊集院「悪魔は優しいですねえ……。みんなに公平に“失敗”というプレゼントを」。
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