海外での拘束、エリザベス女王に謁見…まだまだ尽きない黒柳徹子伝説「私、死ぬ気がしないの」(大キョコロヒー)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『キョコロヒー』(6月12日放送)

ゴールデンSPの“予習”として清水ミチコをゲストに招き、黒柳徹子へのおもてなしの方法を学ぶ。

「清水さん、徹子さんのものまね上手ですね」と言う齊藤京子に、ヒコロヒーが「誰、捕まえて上手って言ってんねん」とツッコむも、構わず「そっくりです」と再び言うと「……どうもすみません」と清水に謝るヒコロヒー。それに対して清水、「(褒められるのは)うれしいけど、謝る気持ちもわかる(笑)」。

そのあとも「今日ですら……(緊張する)」と言ってみたり、邪気のない失礼が止まらない。「先輩の方にはめちゃくちゃちゃんとしちゃうっていう部分があるので……」とすっとんきょうな自己分析をする齊藤京子に、ヒコロヒー「どこが? どこがやったん?(笑)」。

「動物との会話」「ものまねを振る」「芸能人の話」など徹子が喜ぶ話題をひとしきり伝えたあとで、「よかれと思ってヨイショするよりは、なんにもしないほうがいい。いろいろこっちで持ち上げたりするとピンときちゃう」と予習は必要ないと清水は言い、「(予習)企画自体が間違ってる(笑)」。

最終的に「緊張すること自体がおこがましい。徹子先輩ほどの人だったらありのままで行ったところでどうにでもしてくれる」と結論づけたヒコロヒーは、最後に齊藤京子に忠告する。

「よく見せようとかはあかんな。だからといって失礼だけはやめてな。だってこの準備SPでも3回くらいヤバい瞬間があった」

『大キョコロヒー』(6月17日放送)

ゴールデンSPのゲストは黒柳徹子と天海祐希。ということでセットが豪華。それに対して、「気合い入れ過ぎ!」とヒコロヒー。

まずは天海祐希、単独で話を聞く。齊藤京子は『女王の教室』が「(みんなが思う)想像の10倍くらい大ファン」だという。出席簿を自作して家の中で演じて遊んでいたほど。ちなみに、笑顔でダンスするエンディングは、キツい役柄でイメージダウンにならないよう天海が要求したと一部で伝えられていたが、まったく逆で「最後まであのままで」と天海は抵抗したという。

共演経験があるケンコバがVTR出演し、数々の天海伝説を伝え、その真相を本人が語るという形式。「『他人が大変な思いをしている』ほうが負担になる。人にやらせるくらいだったら自分がやったほうがいい」という行動原理が、天海祐希の根幹をなしているのだろうなと思う。

黒柳徹子ゲストパートには、プライベートでも仲がいい天海も同席。登場するなりスイーツでおもてなしすると、「わりと長く芸能界にいるけど、何もしないでいるのにいきなり物を食べるのは初めて」と徹子。それを聞いたヒコロヒー「徹子先輩の初めてを奪えた!」。

『紅白』の司会の話や生ドラマの話、『徹子の部屋』では毎回衣装を変える話など、どうしてもよく聞く話にもなるが、海外で拘束されたあとの記者会見の映像などあまり見たことのない貴重映像も。やはり黒柳徹子伝説は尽きない。

さらには“予習”で清水ミチコが話していた徹子伝説のひとつ、チャールズ皇太子との電話の真相についても、あっさり「ウソ」と答える徹子、「あそこのお家の電話番号、知らないもん(笑)」。しかし、エリザベス女王と話したエピソードは持っているスケールの大きさ。

清水が言っていた徹子の鉄板ネタ「ロシアの人形劇のものまね」も「板東英二に怒るラクダのものまね」もやはりおもしろい。予習のかいがあってか、齊藤京子の素っ頓狂さは控えめ。天海は徹子について「ネガティブな音がない。だから聞いてるほうも楽しくなる」と評すが、それは天海自身も同様だろう。

今後のことを聞かれ徹子は、以前は100歳になったら政治記者になりたいと言っていたが、このところおもしろくないかもと考えが変わってきたという。

「でもまぁ、100歳までは生きるだろうと思ってるので、100になったらどんな気持ちがするものかね、それはちょっと考えてみたいなと思いますね」

そんな徹子の話を聞いて、「私、死ぬ気がしないの」と言われたことを明かす天海。

「この言葉が徹子さんだよなあって。本当に素敵だと思って」

そこから「私、死ぬ気がしないの」と天海と徹子が“徹子ものまね”で言い合うのがカオス。各世代の女性が集まり、リスペクトにあふれたストレス皆無の素敵なトークだった。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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