若林が問う、光浦靖子に金髪メッシュを入れさせなかったものとは何か(あちこちオードリー)

オードリー

イラスト=おさく

文=てれびのスキマ 編集=梅山織愛


テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『あちこちオードリー』(5月10日放送)

アルコ&ピース、シソンヌ長谷川、鬼越トマホークを迎えて新企画「俺だけがグッときたニュース」。酒井が上げたニュースは、マシンガンズの『THE SECOND』ベスト16入り(収録後、決勝トーナメント進出)。昔からよく知る若林も共感する。「優勝したら感極まっちゃう?」と若林が聞くと酒井「いやぁ、ガンズは泣くなあ」。

優勝したらグッとくるタイプの芸人だと平子がマシンガンズを評すと、鬼越らは吉本でいえば囲碁将棋がそれに当たる、と。この2組共が決勝トーナメントに進出しているので俄然楽しみになってくる。しかも2組が勝ち上がると決勝戦で激突する組み合わせ。

若林が上げたのは、光浦靖子がカナダ留学中に金髪メッシュに激変したニュース。キャラも近いものを感じるという若林は、「光浦さんに金髪メッシュを入れさせなかったものってなんだろう?」と日本の“お笑い村”の風土への不満をぶちまける。

「ごちゃごちゃ言い過ぎなんじゃないかな、日本のお笑い界って。金髪メッシュに俺がしたらすごい言うでしょ? 俺の3つ上くらいのダサいことが嫌いな世代。真ん中分けただけで『なんで真ん中分けたの?』って。黙れ!」とマシンガンのような勢いで言い放つ。パンサー向井がこの番組での宣言どおりピアスを開けるも、ある人に「高校生の夏休みみたいだからやめな」と言われふさいでしまったと聞き「すっごい悔しかった!」と若林が言うと、平子も同調し「高校生の夏休み、上等じゃんか! それを永遠につづけていけることが幸せ。高校生の夏休み以上に楽しかったことないじゃん! 俺も悔しいよ!」と止まらなくなる。坂井「すごいですね、みんなマシンガンズさんみたいになってる(笑)」。

まさかの不在のマシンガンズが漂う回。「優勝したら呼ぼう」と言っていたように、ゲストがマシンガンズという回が実現したら、それはもうグッとくるに違いない。

『イワクラと吉住の番組』(5月9日放送)

以前、AV女優という仕事を親にカミングアウトできないと相談の投稿をしたつばさ舞が、まずはこれからも一番長くいるであろう弟にAV女優であることを告白する日に密着。小籔「これってもっとNHKのまじめなドキュメントとかでやるんかと思ったら、こんな声ちっさいふたりの番組(笑)」。

まだ学生だという彼に告白すると「何してんのぉ?」と第一声。しかし「自分が納得してるんやったらいいんちゃう」「将来的にどうするかも考えてたらいい」としっかりとした考え方で姉の選択を認める。そんなVTRを観て、「重要な話してるなかで、ずっとポテチ食べてるのがすごくよくて。そこまで『えっ』ってならない感じ」と弟の仕草に注目して語るイワクラ。「半分は(冷静に)聞いてられへんから食うてるのかも。動揺の手」と違う角度から心情を慮る小籔。そして「ひとり知ってくれてる人がいるっていうのはかなり気持ちが違う」と寄り添う吉住。「こんな声ちっさいふたりの番組」だからこそ、そこでカミングアウトする決断をしたのだろうなと思わせるやりとりだった。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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