写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。

ピアノロックを基調としたサウンドと哲学的な歌詞で躍進をつづける7人組ボーイズグループ「原因は自分にある。」（げんじぶ）。その中でも、カメラが趣味だという長野凌大が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。

嫌とおもしろいの繰り返し

いかがお過ごしでしょうか？
長野凌大です。

昔は好きだった小説を
ある時期から私は読まなくなった。
きっと自分の中にない言葉や世界に
飛び込むのが怖かったのだろう。

日々の中で、
自分の中にたまたま入ってくる
言葉や考えを拾い集めることが
性に合っている気がしていた。

マンガやアニメや音楽は　
完成された世界を傍観する感覚に近かった。
だから好きだった。

私の中で小説の大枠の情報は
目の前にある文字だけで
それを自分の頭に入れて
自分でその世界を、空気を
投影しなければいけなかった。

つまり自分という
フィルターを通さないと、
その世界は完成しない。
だから、傍観ではいられなかった。

それらを容認できなくて。

今か今かと列を作って待っている
言葉たちを順に受け入れていくことを
強要されている気がして
それらを容認できなくて。
好きではなくなった。

そんな私だが、
久々に小説を読み始めた。

あの日、嫌だと感じた感覚が
今は心地よくておもしろいと感じた。
そんな繰り返しが僕を創っていくのだと思う。
そんな日々です。

それでは、また来週！

中山莉子（私立恵比寿中学）、セントチヒロ・チッチ（BiSH）、長野凌大（原因は自分にある。）、森田美勇人が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。

原因は自分にある。長野凌大×「QJWebカメラ部」オフィシャルグッズ販売中

販売期間：2023年2月28日（火）～5月31日（水）
オフィシャルショップはこちらから。