バカリズムと日村が“どん底”時代の思い出の地を巡る。『ブラッシュアップライフ』選曲秘話も「僕にとっても友情の曲」(ひむ太郎)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『ひむ太郎』(4月18日放送)

バカリズムと「明大前~下北沢~経堂」を歩く前編。今回はバカリズム(というより、ここでは「ヒデ」というほうがふさわしい)が「どうしようもなかった」という20代に一緒に過ごした明大前。「ここにあった」「まだ残ってる」などと言い合いながら思い出の地を巡るふたり「泣きそう」。

当時、日村はビリヤードにハマっており、柴田とバカリズムと3人でよく行っていたそう。だが「ヒデはハマってないの丸出しだった」ため、日村と柴田はバカリズムを「センスある」などと褒め、やめさせないようにしていたという。ちょうどつい先日『ぽかぽか』にゲスト出演した柴田が、日村とよくビリヤードをしていたと話していたのを聞いたばかりだった。「20代はヒデとしばっちょとしかいなかった」と日村。

「あそこのオープンカフェに座って目の前を歩く大学生に点数つけてた。最低。0点のふたりが(笑)」(バカリズム)、「(レンタルビデオの)延滞料金20万を、何者でもないのに恥ずかしいからマスクしてグラサンかけて払いに行った」(日村)など思い出話は尽きない。「ここから富士山が見えるんだ、俺が見つけたんだ!」と言っていたとか、コンビニで赤飯おにぎりを必ず買うだとか、「ヒデが演じる俺っていっつもバカみたい」と笑う日村。

極めつきのエピソードを当時一緒に住んでいたアパート近くで語る。
バカリズム「すぐそばにしばっちょの家があって、しばっちょの家にだけプレステがあるから『パワプロ』をやりに行くんですよ。で、夜までやって寝ようかっていって、冬の寒いなか、ここを歩いて帰るんです。で、この自販機で飲み物を買う。僕はホットウーロンを買うんですけど、日村さんはどんな季節でも冷たいポカリ買う。それがすげー嫌で(笑)」

そんなバカリズムだが、体育会系出身らしく実は「ザ・後輩」な振る舞いだそうで、あるとき、高校生が「バナナマンいるぞ」と絡んできた際、「誰だ、今バカって言ったの⁉」とブチギレて高校生に詰め寄ったことがあるという。「売れてないからどこにぶつけていいかわからないエネルギーがあった」とバカリズム。日村も「おもしろいんだけど、こいつ売れないんだろうなあ」と思っていたと語る。バカリズム「日村さんを笑わすことしか考えてなかった」。

思い出の地でジャンプをしながら写真を撮るふたり。バカリズムは「当時はこんな精神状態じゃなかったです。どん底だから。こんな笑顔で飛べるような……」としみじみと語る。

後半はバカリズムが脚本を書いた『ブラッシュアップライフ』の話。一番のファンとして、てらいなくまっすぐ称賛し感想が止まらない日村が素敵だった。ドラマではZONEの「secret base〜君がくれたもの〜」が流れるが、選曲会議でその曲を提案されたときにバカリズムは笑ってしまったそう。なぜなら日村が当時この曲を好き過ぎて着メロにしてたから。友情がテーマのドラマだが、バカリズム「僕にとっても友情の曲(笑)」。

どん底時代に心の拠り所になったふたりの絆の深さを改めて感じる素敵な回だった。

『ロンドンハーツ』(4月18日放送)

久々の男性芸人×女性タレントでの「ラブマゲドン」。男性陣は狩野、尾形、久保田、岡野、みなみかわ、男性ブランコ平井、ザ・マミィ酒井の7人。女性は藤田ニコル、横山由依、磯山さやか、雪平莉左、大島麻衣、あのの6人。

1巡目、みなみかわは磯山を選ぶも撃沈。その磯山は意外にも狩野を指名。しかしマッチせず。雪平も狩野を指名するモテっぷり。そして初めてカップル成立したのは意外にも岡野とニコル。スタジオが騒然となるが、思えばパチンコ好きという共通点があった。ニコル「デートの想像がしやすかったです」。

平井と久保田はあのを指名。久保田は「この世界に入って初めて腰が見えるくらい挨拶してくれた」「人として認めてくれた」と。あのは「めちゃくちゃ優しかった」「誰にでも優しくしなさそうなところもよかった」となんと久保田を指名し1巡目でカップル成立。うれし涙を浮かべるほど喜びを爆発させつつ、どう振る舞えばいいか戸惑っている久保田の姿がとても新鮮だった。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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