芸人たちが『徹子の部屋』で惨敗する意外な理由(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『アメトーーク!』

『徹子の部屋』に出演し、芸人として結果を出せなかったかまいたち、霜降り明星、錦鯉、おいでやすこが、ゆりやん、フワちゃんが集結して「徹子の部屋芸人」。

「先に言うとくよ。実力不足やからね」と、蛍原が黒柳徹子は悪くないと牽制しつつ、「そつなくこなすでおなじみ」のかまいたちも、「あのくらいだとちょっと笑わない」と言われフォームを崩し、ドツボにハマっていき、エンディングでは「なんだ、つまんない」と強烈なひと言を浴びる。「数々の大御所を手懐けてきたでおなじみ」のフワちゃんも「うちらって似てるから」と言うと「ん?」とピリッとした反応をされ、途中から敬語になってしまう。ゆりやんは徹子が好きそうな「昭和の日本映画に出る女優のしゃべり方」というネタをはじめとしてダジャレ、変顔を果敢に繰り出すも、最後に「今日、何か芸をおやりになりました?」と言われてしまう始末。錦鯉・渡辺は突然、坂田藤十郎に似てると言われ、ピンとこずに困惑してしまう(実際、似てる)。

最近はなぜか突然「家族へのメッセージ」を振ることが恒例になっているようで、これに大半の芸人が苦戦。「ちょっと軽かったけど」などと言われてしまうことも。怖過ぎる。せいやは『徹子の部屋』の収録を「めっちゃでかいスタジオで、40mくらい先に部屋だけあるんですよ。部屋以外真っ暗。夢の中みたいなところでやってるんですよ! まずそれにビビる」と振り返っていて、芸人がやりにくく感じる大きな要因のひとつがそこにある気がした。スタッフも30mくらい離れてるから笑い声も聞こえず、「だからどんどん追い詰められていく」のだそう。この収録の仕方は笑いを前提にしない俳優なら話しやすいのかもしれないが、反応を大事にする芸人にとって何重にも過酷だなと感じた。

『田舎に髪を切りに行く』

タイトルどおり「田舎の美容室でおまかせで髪を切る」という、いかにもテレ東らしいシンプルなルールの番組。「旅行先で髪切るのが好き」というフワちゃんは「私得」「最高の企画」といつも以上にテンション高め。

フワちゃんが訪れたのは村民3120人の山梨県鳴沢村。最初に出会った村人から「ビューティータカコ」という名前の美容室を教えてもらい「かわいいぃ」と喜ぶフワちゃん。田舎の風景とド派手なフワちゃんのコントラストもいいし、地元の人たちとすぐに打ち解けるフワちゃんもいいし、意外なほどというべきか、想像どおりというべきか、田舎×フワちゃんがマッチしていて、終始ほんわかした雰囲気が心地いい。

ほかの美容室も教えてもらうも結局「ビューティータカコ」へ訪れたフワちゃん。レトロな店内がとてもいい。お釜ドライヤーも健在。髪を切られながら身の上話を引き出していくフワちゃん。そして、でき上がった髪型はなんとソバージュ。フワちゃん「かわいいぃ!」「平野ノラより似合っちゃってる!(笑)」。番組コンセプトもぶっ飛んでいたけど、次回ゲストが金属バットという人選もぶっ飛んでた。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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