カンニング竹山が教える芸能界で生きる極意「キャラつけようなんてやるから失敗する」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『あちこちオードリー』

カンニング竹山、野呂佳代、竹内由恵を迎えて「芸能界が生きやすくなる参考書を作ろう!」の第6弾。最近では俳優としての活躍が目立つ野呂が「育ててくれた場所を大切にしないと自分を見失う」と説得力抜群で語ったり、竹山が「芸能界(で生き残る)のコツは広く浅く」「どうせ最後はひとりぼっちなんだから」「見せてるようで見せないを守る」「俺の超理想はいろんなことやって、観てる人に『こいつ何者なんだろう』って思われたい」などと金言を連発するなか、竹内の迷走っぷりが際立った。

「テレビは、できる人・おもしろい人・がんばる人で構成されている」としっかり大枠は分析できているのに、自分自身のことになると、多くの人が思う「できる人」ではなく「がんばる人」と自己分析をして「体を張るロケをやりたい」とローションなども厭(いと)わないと言う。すかさず竹山が「もう一個大事なポジションがある。負けができる人」と補足しつつ「自分のスキルの中でできないことを無理やりやると人は見てられなくなる」と諭す。

しかし、竹内は肩書をアナウンサーからタレントに変えたそうで、女性が集まって悪口を言い合うような番組も役になり切ってやるのは楽しいという。が、エゴサーチして傷ついているように無理しているのは明らか。

「もともと意地悪な目線で人を見る人なの?」と若林が聞くと「人の悪いところがあんまり見えない人」だと言う。そのまま自然体でやったほうがおもしろいと若林らが諭すも、「レールどおりに行ったらいけない気がする」とやたらムチャをしたり、よけいなキャラをつける人が陥りがちな考え方。これに即座に「ダメよ、ダメ、ダメ」と否定する竹山「キャリアがないことをやろうとするから売れないの。キャラつけようなんてやるから失敗する。自分の中に持ってるものでしかタレントとして成功しない」。

迷走している竹内の存在で奇しくも、自分を客観視するのがいかに難しいことなのか、そして、いかに自分で「自分」を発見することがタレントとして成功するために不可欠なのかがよくわかる放送になっていた。

『午前0時の森』(火曜日版)

「人生相談」企画で過去3回素晴らしい結果を出したTAIGAに彼が喜んでくれる場所で人生相談ロケ。そこはなんとプレスリーの聖地であるアメリカ・メンフィス。いきなり海外ロケ。これには夢が叶ったと心底うれしそう。海外ロケは初めてなのだという。街の説明も、好きなだけに、いつになく流暢でわかりやすい。「アメリカのTAIGA、調子いい」と若林も讃える。メンフィスの街並みでプレスリー風の格好で自転車をこぐTAIGAの画力がすごい。若林「アメリカのTAIGAいいですねえ(笑)」。

本当に終始うれしそうでのびのびと自然体のTAIGA。それが本当にステキだった。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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