「お笑いわかってます面するアイドル」って私のこと!?『M-1』ウエストランドのネタにでか美ちゃんが震える

文=でか美ちゃん 編集=高橋千里


12月18日に放送された『M-1グランプリ2022』決勝戦(ABCテレビ・テレビ朝日)。今回の大会を観て、お笑い好きのでか美ちゃんが改めて感じた“プロの漫才師”のすごさ、そして優勝したウエストランドのネタにドキッとした理由とは?

今年も『M-1』の季節がやってきた!

私は今年で31歳なので、単純に冬を31回経験してるはずなんですが、毎年こんなに寒かったっけ?と戸惑っていますし、毎年同じように何回目の冬なんだよ慣れろよ、と自分でツッコんでる気がします(夏も同様に)。

それにしても寒い、寒過ぎる。コロナにも気をつけたいけど、陰性反応が出て「ただの風邪だったよー」って言葉が安堵になってることにも気をつけたい。

そもそも風邪なんてひかないほうがいいんでね。皆様も楽しいお正月に向けてご自愛くださいませ。

でか美ちゃん

さて、そんな寒さが到来したということは、今年も『M-1グランプリ』(以下:『M-1』)があったってわけですよ!

いやあ……おもしろかったぁ。最高でしたね。笑い過ぎて観終わったあとクタクタでした。テレビ観てただけなのに!

例年増えつづけるエントリー数から見ても、決勝に進めるだけでとてもすごいこと。明らかにレベルが上がっているし、近年のお笑いブームによって良くも悪くも「お笑いの見方」みたいなものが広まり、人気も高まる一方です。

息つく暇もない、笑いまくりの決勝戦

カベポスターはトップバッターというある意味一番大変な役割を見事に務め上げました。基準点が、順番が、そもそも審査のシステムが、といろいろ言いたくなっちゃう気持ちにはなりますが、今年のトップバッターがカベポスターだったおかげでとても楽しい大会の幕開けになりました。

カベポスター
(C)M-1グランプリ事務局

インターネット大好きアラサー世代を狙い撃ちにした真空ジェシカ。見事に狙い撃ち範囲内なので大好きなんですが、平場でのサイレント「まーごめ」は俺でなきゃ見逃しちゃうね。

真空ジェシカ
(C)M-1グランプリ事務局

誰が優勝してもおかしくないラインナップに、敗者復活戦からオズワルドが上がってきたときは燃えました! 視聴者優勝予想の3連単に“敗者復活”があれだけランクインしていたのも、オズワルドへの期待が高かった表れかもしれません。知名度も実力も申し分ないオズワルドが『M-1』にこだわる姿、やっぱりグッときちゃいますね。

オズワルド
(C)M-1グランプリ事務局

推しのランジャタイが今年はいないけど、新たな推しに出会っておかしくなっちゃった志らくさん。完全にヲタクが沼に片足突っ込んだときの表情をしていて笑いました。

そんな沼の中でひたすらお餅をついていたヨネダ2000。『THE W』直後にすご過ぎる! 結成3年目ですって、末恐ろしいですよね……。

ヨネダ2000
(C)M-1グランプリ事務局

コント師ならではの演技力と発想力でアッと言わせた男性ブランコ、言葉に固執する独特の空気感が最高なダイヤモンド、そして大舞台でもキュウがキュウのままで9番目に9位!

はー、おもしろい。と、ひと息つく間もないまま、次から次へと笑いまくりでした。

博多大吉が見極めていたのは「漫才師に必要な技量」

ファイナルラウンドに進んだのはさや香、ロングコートダディ、ウエストランド。

ロングコートダディの「世界大会レベル高ぁい」というセリフに、これまんま『M-1』じゃん!とか思ったり。

ロングコートダディ
(C)M-1グランプリ事務局

さや香はもう見事としか言いようがなく、これぞ漫才師でしたよね。

さや香
(C)M-1グランプリ事務局

『M-1』という大会が漫才を競技化しているのは何度も語られている話ではあると思うのですが、審査員を務めた博多大吉さんの「少し短い。あと20秒あったから期待してしまった」という講評により、競技性の高まりも感じました。

でも、よくよく考えてみると、劇場でも営業でも、とにかく舞台の上に立つ漫才師って、その日その時その状況に合わせてネタの分数を変える方もいます。

それこそ、今年自分の主催フェス『でか美祭2022』にオズワルドさんが出てくださった際、タイムテーブルが若干押しているなか、これくらいの時間には終わってくださいとお願いしたまさにその時間にネタが終わったんですよ。

プロの漫才師って本当にすごいって改めて思いました!

だから、大吉さんの審査基準は、実は競技や『M-1』のルールとしてじゃなく、漫才師として必要な技量をきっちり見ているのかもしれませんね。

ウエストランドのネタにドキッとした瞬間

さぁ、熾烈な戦いを何度も繰り返し、今年の『M-1』王者に輝いたのはウエストランド!

ウエストランド
(C)M-1グランプリ事務局

まくし立てるような井口さんの悪口……否、ボケの数々と、サイコパス……否、落ち着きのある河本さんのツッコミって、やっぱり唯一無二ですね。

よくぞ言ってくれた!感じゃないですけど、突き抜けるって、そっち方向に突き抜けてもいいんだ、みたいな。

みんなが「こんなこと言ったら逆に自分が小さい人間だと思われるから絶対に言わないぞ」と心の中に閉じている、すごく些細だけど一番見せたくない汚い部分、的な。

井口さんが言うとなんか笑えちゃうんですよね、不思議だなー。disりの対象規模が実は大きめだから、絶妙に嫌な気持ちにならないんですよね。

でも、めちゃくちゃドキッとしちゃった部分がひとつだけあったんです。

2年前、主催フェスにウエストランドさんが出てくださいました。昨年は吉田豪さんとのトークイベントに井口さんピンで出演していただきました。

でか美ちゃんとウエストランド

……え、待ってください。井口さんの言う「ネクストブレイクくらいの芸人に近づいてお笑いわかってます面するアイドル」って……もしかして、私!?!?!?

と言うとあまりに自意識過剰ですけど、さすがに思わずドキッとしちゃいましたね(笑)。

井口さんとはイベント以外にも数回共演させていただいて、そのあともしれっとご本人には黙ってライブを観に行ったりしてたんですけど、もし向上心があるように見えていたのなら光栄です!(笑)

でか美ちゃんとウエストランド

そんな井口さんが「ネタの分析」とか『M-1』にまで言及するもんですから、前もってこの連載の担当編集さんから「12月のテーマは『M-1』でお願いします!」と伝えられていた私、いろんな意味で八方塞がりになりかけました。

でも、めげずにやっていきます!
なぜなら私には「向上心」がありますから。

またご一緒する機会がありますように!
そのときには「あれって私のことですか?」って聞いてみようと思います。

改めてウエストランドさん、優勝おめでとうございます!
アナザーストーリー』、楽しみです!

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