写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
金曜日はザ・マミィ林田洋平が担当する。『キングオブコント2021』では、準優勝に輝いたザ・マミィの頭脳、林田。そんな彼は、自身のインスタグラムで発信するエモーショナルな写真も話題となっている。林田が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
陽を楽しむ

勇気を出してテラス席でご飯を食べたら、美しい光の屈折を見た。
自分は街の景観の一部になる、そういうのが画になるタイプの人間ではないと、テラスを固辞してきたのだが、思い切って受け入れてみた瞬間、太陽が素敵な贈り物をくれた。3分前まで「日差しがアチいな」とブツブツと文句を言ってた自分が恥ずかしい。
30歳になって、太陽を楽しんだほうが人生は豊かになるっぽいということに気がついて、朝できるだけカーテンを開けて、陽を浴びるようになった。陽を浴びると人は前向きになるようで、僕は朝からジムに通うようになって、少しだけ胸筋が分厚くなった。筋トレから帰ってきて、プロテインを飲んでひと息ついたころに、陽が高くのぼって、部屋に入ってくる光が少し柔らかくなる。
隣に座っている貴婦人がワンちゃんを横に座らせて読書をしている。前の道路を散歩するほかのワンちゃんと目が合っては、歯茎をヌリッと見せて威嚇している。貴婦人が言うには、そのワンちゃんはもうおばあちゃんらしい。
いいなと思った。僕も、いくつになっても歯茎を見せて人を威嚇できるような、芯の太い人間になりたい。
そんなことを考えながら、グラスで屈折した光を撮っていると、葉っぱに包まれたご飯が運ばれてきた。まだ何も乗っていないテーブルを熱心に撮影している僕を見た店員さんは、何も言わずに少し微笑んでくれたような気がしたが、実際のところは逆光でよく見えなかった。
またテラスでご飯が食べたい。

加賀翔(かが屋)、中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)、森田美勇人が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
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