オードリー若林「本物の変態って普通の格好してる」ナイツの“転機”を作った土屋のヤバい行動(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『しくじり先生』

ナイツが「漫才協会」のしくじりについて授業。

漫才協会は、1955年に前身となる「漫才研究会」が結成されたのが始まり。塙「え? (初代会長の)リーガル万吉知らないんですか?(笑)」。

80年代にはツービートも所属し、師匠イジリネタの漫才も行っていたそう。しかし約20年前、ナイツが加入した際には「ナイツ、終わったな。もうテレビに出られないな」などと言われたという危機的状況。

そんななかで師匠たちが試行錯誤。『M-1グランプリ』を模して『漫才新人大賞』を開催。

だが、2002年の第1回の出場は6組だけ。ロケット団が優勝し、第2回は7組でナイツ、第3回に至っては7組で、優勝は「該当者なし」だった。「全員スベった(笑)」と土屋。

仕方なく協会以外にも門戸を広げると、ハマカーンが襲来。優勝をかっさらい、賞金だけを持って行かれてしまう。

2005年には『はねトび』に影響を受け、おぼんこぼんのおぼん発案で、新人大賞優勝者の4組(ナイツ、ロケット団、ホンキートンク、宮田陽・昇)によるユニット「漫才四天王」を結成。

その直後、Wコロンが「なぞかけ」でブレイクすると、「浅草三銃士」(ナイツ、ロケット団、Wコロン)になるも、さほど話題にならず。

一方、同じ年、つくばエクスプレスが開通した上、『タイガー&ドラゴン』による浅草の演芸ブームでにわかに注目を浴びると、ナイツは「浅草といえばナイツといわれるようになろう」と決意。漫才協会から売れた芸人が誰もいないなら、逆に「遠回りのようで近道じゃないか」と。

そして2007年、塙が史上最年少理事に。実は選挙がある総会のときに塙が遅刻し、土屋が悪ふざけでまわりの若手をけしかけ、塙に投票したことがきっかけ。5票入り、当選ラインではないが、師匠がこれを見て「若手の中で人望があるのではないか」と大抜擢したのだという。

その土屋のヤバい行動に「本物の変態って普通の格好してるんだよな(笑)」と若林。けれど思い返すと、この「漫才協会・理事」という肩書はかなりインパクトがあった。「浅草=ナイツ」というイメージが浸透する大きな起爆剤だったように思う。

その翌年の2008年、ちょうど50年前の1958年に、師匠の桂子・好江が受賞して以来のNHK新人演芸大賞を受賞。さらに『M-1グランプリ』決勝にも進出。

このとき、伊集院は「テレビなんか出たくない」という考えの芸人だと誤解していたそうだが、塙は「出たくてしょうがない」タイプ。塙「テレビ出てる人のほうが100倍おもしろいですよ!」「『演芸場しか出てない人が一番おもしろい』と思ってるかもしれないですけど、全っ然おもしろくない(笑)」。

もはや伝統芸の域まで達したナイツの浅草噺、師匠噺。そんななかで「浅草といえばナイツといわれるようになろう」と決意した熱い部分もあり、聞き応えがあった。

『~手書きMAPで街探検~地図にナイナイTOWN』

浅草をまったく知らないナイナイが、ナイツが書いた手書き地図を頼りに浅草のディープスポットを街ブラロケする番組。ナイナイがコンビでロケするのも新鮮だし、それをナイツがモニタリングしているというのもまた新鮮。

さまざまな「ディープ」なところを訪れるが、最後の指令「ビートたけし伝説が始まった秘密の部屋を拝め!(※お笑いゾンビに注意)」で行った浅草東洋館がやはり強烈。塙「結局、一番ディープな人って東洋館にいる(笑)」。

ものまねのはたけんじの案内で、たけしが寝泊まりしていた部屋に。が、その途中、にゃん子・金魚やビックボーイズら「お笑いゾンビ」たちが行く手を阻む。師匠たちのしょうもないギャグに、塙「テレビなめんなよ!」。

中でも、東京二がすごかった。同じことを聞いたり、昔の苦労話をしたり、話が止まらない。「師匠のその話はあと何分で終わる?」と矢部らしい制し方をするも、まだまだ止まらない。

結局、36分経ってようやく強引に退出。土屋「観てるだけで疲れる。ナイナイさんの負担、半端ない」。

違うタイプの「過酷」なロケだった。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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