ウッチャンナンチャンそろい踏みの「威力」『もしツア』の幸福な最終回(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『もしもツアーズ』

最終回のゲストになんとウッチャンナンチャン。まず「こんにちはー!」(錦鯉風)と内村が合流。瀬古利彦のパロディキャラでマラソンランナーに扮して登場した「ウ古」ことウドは内村がいることに驚く。そんなウドに「お前、足細くなったな」と笑う内村。

「ウドは出会ったときが一番おもしろかった。天才かな?と思った。(今は)キレがないんだよね。天才じゃなかった」という内村に「言い切りました!」とウド。楽しそう。他人をイジらないウドが唯一イジるのが内村だという話に内村「ウドがオレの肩を叩き出したらバカにし始めている(笑)」。

後半、「ウッチャンに呼ばれてさぁ」とサプライズで南原も合流。「久しぶりだなぁ、元気?」と内村に駆け寄る南原。今年初めての一緒の仕事だという。天野が「2ショット威力ある」と言うように、やはりそろうと強い。そんな「ここぞ」という場面を盟友ともいえるキャイ~ンの番組の最終回に使うというのが愛情の表し方が見事だなと思う。

「ウンナンさんにテレビをなんにも知らないときからお世話になって、スタッフとのつながりとかカメラさんとの関係とか全部見て、こんなファミリーできて自分たちの番組できたらこんな雰囲気で仕事ができるんだって。そういうのをいつか自分たちのホームで作りたいなって」という天野に「もうできてるじゃない」と南原。「俺らはこんなに長くつづいた番組ない」(内村)「20年ってスゴいよ」(南原)と讃え合う。

一方、オープニングに「ウ古」というキャラで登場したことに「なんでそんなことしたの?」と内村がイジるとウド「ウンナンさんの影響ですよ! 『ウリナリ』でおふたりはキャラクターを演じてましたもんね! 俺たちはウンナンさんの背中を見て育ってきたから!」。

そんな流れで、ホワイティ、ローズ南原が一瞬“降臨”する貴重な場面も。最終回とはいえ通常どおりの30分。そこにウッチャンナンチャンをキャスティングするために、きっとスタッフは大変な障害を乗り越えたはず。それだけスタッフにもキャイ~ンや番組が愛されていたということだろう。“大往生”と呼ぶにふさわしい幸福感あふれる見事な最終回だった。

『持ち寄り謎Q殿』

クイズを持ち寄り全員で考察するという『野田レーザーの逆算』の流れを汲む番組。ハライチ岩井は「『プロゴルファー猿』考察」。必殺ショットがどんなものかを考察。それぞれが解答するのではなく、みんなで話し合ってひとつの答えを導き出すのが楽しい。

中でも楽しかったのが野田考案の「RPGボス考察」。93年発売『アルバートオデッセイ』の5体のボス(ゴーレム、グローバス、ハーピー、ガスト、オズワルド)の見た目だけで出てくる順番を考察するというもの。「ゴーレムとかハーピーとか既存のキャラクターはストーリーの説明がまず必要だから、序盤に出るはず」とカズ。「ラスボスは人型じゃないか」「グローバスはドットが凝ってる」「得体の知れない生物とも思えないようなヤツがラスボスのパターンもある」など意見を出し合って考えるのがとても楽しい。『野田レーザーの逆算』が終わるのがとても悲しいので、このシリーズは何かしらのかたちでつづけてほしい。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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