悲しきモンスターは「人に優しくすること」を覚えた
──これは、小宮さんの魅力というかおふたりに共通する魅力かもしれないですが、自分がおもしろいと思ったものを信じて疑わないですよね。
相田 あぁ、確かに。しつこいのが好きなんですよねぇ。
──ラジオでは、笑撃戦隊の柴田アイスピックさんやフレンチぶるさんなど、知名度がそこまで高くない方のお話で盛り上がることも多いですよね。ふたりで楽しんでいるだけではなくて、その方たちの名前をメディアで出そうとしているのかと深読みしているのですが……。
相田 はは(笑)。じゃあ、今ここで開発くんの話をしたほうがいいってことですかね?
──(笑)。
相田 まあ、そんなつもりは俺にも小宮にも全然ないですよ。だって、俺らのラジオは「売れたら卒業」ですから。KAƵMA(しずる池田)も卒業になったし(笑)。
──卒業させないでください。実は世に出したいという気持ちがあるのかと勘違いしていました。
相田 ずっと手元に置いておきたいから、世に出てほしくないです。ラパルフェの都留(拓也)とかもリスナーとだけ楽しんでいたい。(なかやま)きんに君さんなんて売れ過ぎちゃってますから。NHKのアナウンサーさんが笑っちゃったニュース動画でバズったんだよなぁ~。あれおもしろかったよなぁ……ふふ(笑)。アハハハハ! あんなん笑っちゃいますよね? あれこそ緊張と緩和。たぶん俺、15回くらい繰り返して観ましたよ。15回目でもおもしろい。ふふ(笑)。
──三四郎さんは、本当にきんに君さんのこと大好きですよね。小宮さんは自分のテリトリー内の方には愛ゆえに本気で怒ったり、教えたりするイメージです。
相田 奥村とかザ・マミィの酒井(貴士)が有名番組の初出演が決まったときは、収録前にシミュレーションやったりしてるみたいです。それもエピソードトークになるんでしょうね。変人の後輩に関しては、めちゃくちゃ世話してると思います。
──それはとてもエネルギーが必要なことですよね。
相田 収録とか、仕事に関しては熱くなれるんじゃない?
──プライベートではどうなんでしょう?
相田 あんまり想像つかないんですよね……。(誰かと)3人でいるときはすごいしゃべるんですよ。でも、ふたりきりになったとたん急にしゃべらなくなる。学生のときも、帰り道に俺じゃない人とふたりきりになった瞬間、バッグから『ジャンプ』取り出して読んでたらしいですから(笑)。
──相田さんとふたりきりのときは、そんなことなかったんですか?
相田 学生のときはなかった。たぶん、俺がしゃべってただけかな?
──自分が好きだと思う人から同じ熱量を求めるような気もします。
相田 確かに。“認められたい人”かもしれないです。褒めてほしいじゃないけど、自分のことをわかってもらいたいというか。小宮の好き嫌いはもちろんあるだろうけど、わかろうとしてくれてる人には好意的かもしれないですね。だから、しゃべりかけてもらうのはすごい嬉しいんだろうけど、自分からはしゃべりかけない。……めちゃくちゃひねくれ者じゃん!(笑)。
──繊細なんですね。人からの言葉も、細かく覚えてそうです。
相田 「あの番組おもしろかったです」とか言われたら嬉しいんだろうけど、ひねくれてるから、それに対して「どこがおもしろかった?」って聞くんですよ(笑)。自分がおもしろいと思ってるところに気づいてほしいんだろうなぁ。共鳴する人を探してるんじゃないかな? ……悲しきモンスターですよ。
──本当にご結婚されてよかったです。
相田 そうなんですよ。小宮の理解者が増えたわけだから、それの嬉しさがあります。これでようやく、人の気持ちが芽生えたというか「人に優しくすること」を覚えた。
小宮が継承するイズム・未来のポジション
──小宮さんは、お笑いに対してかなり勉強熱心ですよね。努力の人なんだろうなと思います。
相田 狩野さんとかが返しの言葉とかを考える人だから、“狩野イズム”を継承していますね。
──そこ、狩野さんなんですね?
相田 “出川(哲朗)イズム”?
──別のジャンルの方だと思っていました。
相田 違うって思うかもしれないけど、芸人にしかわからないソレがあるんですよ。
──そうなんですね? 『アメトーーク!』(テレビ朝日)の「マセキ三兄弟」では、出川さん・狩野さんと小宮さんは少し違うのかなと思っていたんです。
相田 狩野さんとかって、クリエイティブな感じを出すけど結局できないってところがおもしろいじゃないですか。マセキ三兄弟も、収録前にご飯食べに行っていろいろ考えた上でできないのがおもしろいんです。だから、“不器用な3人”って感じですよね。
べクトルは全然違うと思いますよ。狩野さんはナルシスト。出川さんは勉強熱心だけど、まわりからめちゃくちゃバカにされる。けど、結局あの人が一番おもしろい。偶然を呼ぶのもあるし、出川さんから小宮が継承してることもあります。たとえば、出川さんの番組に出たときも「汚れは拭かないほうがいいよ」とか、そのラインのことを教えてくれるんです。
──なるほど。今、相田さんのお話を聞いて“出川・狩野イズム”が腑に落ちました。
相田 そういう先輩の話を聞いてるから、勉強熱心なんだと思います。
──小宮さんって、今後どのポジションになっていくんでしょう?
相田 そうですよね~、わかんないなぁ。小宮ってけっこうマルチプレイヤーですからね。でも、MCじゃないだろうしな……。先輩・視聴者のおもちゃになるのが一番おもしろいですね。“抗ってる姿”が一番。一生懸命やるけどできない、バカにされる。「バカにすんな!」って吠えると「小宮が吠えてらぁ」って笑いになるじゃないですか。……ストレスえぐいと思います(笑)。
──それを耐える力。
相田 出川さんも、マイナスなイメージから盛り返している方ですからね。だからやっぱり、出川さん狩野さんに似てると思うんですよ。
──小宮さんも「性格が悪い・嫌われ者」のイメージを盛り返して、今ではCMや朝の番組にも出演されていますもんね。
相田 あ、位置的にアンガールズの田中(卓志)さんじゃないですか? 田中さんってなんでもできますし、すごい物事を考えている人ですし。
──確かにそうですね! 小宮さんは「ポンコツ」と言われることも多いですが、その表現は売れるためのキャラクターだとわかっていて演じられていますよね。
相田 そう。ポンコツを装ったクリエイターですよね。
──そのキャラクターで世に出るのは、プライドなど、たくさんのものを捨てないと難しいと思います……。
相田 ポンコツって思われてるほうがおもしろいけど、たぶん小宮はクリエイティブに思われたい人。ポンコツ扱いなんて中学のときからずっとされてるし、まわりはそう思わない。でも、プライドなのかわかんないけど、ちょいちょい「自分はやってるアピール」をするんですよ(笑)。それは裏の人が感じ取ればいいから、別に言わなくていいのになって思うんですけどね。賢いところはわかってるよって。「俺は台本をめちゃくちゃ読んでる」とかも言います……読まなくていいときまで読んでます(笑)。
──勉強熱心?
相田 違うんですよ(笑)。三四郎でMC仕事を受けて、俺が仕切り役で進行してるときも俺のセリフをずーっと見てるんです(笑)。目線落ちちゃうから台本はなるべく見ないようにするものなのに、俺のセリフをすごい見てるんだから! 変ですよ?
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