写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
月曜日は、加賀翔(かが屋)が担当。コント師として知られる一方で、芸人仲間などを撮影した写真の腕前にも定評があり、インスタグラムのフォロワーは10万人以上を誇る。そんな彼が、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
黄色い花に囲まれた黄モア

第23回。今回は黄色い花に囲まれる黄モアイを撮影。渋谷の通りにみんなで作る花壇、というような共有スペースがあり、その中のプランターのひとつがまっすぐ光っていて、それがこの黄モアイだった。
「私は黄色とモアイが好き。大好き」
そう言わんばかりの黄色。プランターも黄色だった。なんて気持ちがいいのだろう。僕が小学生だったらここを待ち合わせ場所にしたい、とても楽しい光景だった。
僕は今28才で、若くはあるけれど「まだ」のエリアから「もう」のエリアに差しかかっている。老後を考えるのは早いに越したことはない。僕は蓄えを作っておくことや、あらゆることに備えておく、という考え方の一環として「花の名前を覚える」という日課を作ることにした。
花の名前を1日に1種類覚えていけば、30年後にはきっと全然咲いてないつぼみを見ても即答できるようになるはず。いつか地域のコミュニティに属するとき、即答する僕の博識っぷりがおばあさん界隈で話題になり、もてはやされることを目標にしている。
ただ、老後のためにと始めた日課のおかげで、間違いなく今の楽しさも増えた。
歩いている途中に自分が覚えた花を見つけると、子供が動物園で動物の名前を叫ぶのと同じように心の中で言いたくなる。そんなことを繰り返すなかでたまに、なんの花だろうと近づいたらモアイだった、というようなことが起こるとうれしい。わざわざ話すほどではないことも、自分が老いて、おじいさんおばあさんとこれを見たら楽しいだろうなと想像する。
おそらくこのモアイは自立しないモアイなのだろう。ぼやけているけど、中心のモアイの背景には、限界までリクライニングしたようなモアイが2体写っている。
「せめて中心のモアイはしっかり立たせたい」おそらくそんな気持ちによって生まれたのだろうモアイ背中合わせというアイデア。
何かで見たことあると思って「背中合わせ ポスター」で調べたらブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの『Mr.&Mrs.スミス』だった。一応ポスターに対応させると、手前がブラピで奥がアンジー。
浮かんだのは『Mr.&Mrs.モアイ』じゃないので、思ってたやつとは全然違った。

加賀翔(かが屋)、前田こころ&平井美葉(BEYOOOOONDS)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
関連記事
-
-
「奪われたものは取り返すつもりで生きていく」FINLANDSが4年ぶりのアルバムで伝える、新たな怒りと恥じらい
FINLANDS『HAS』:PR -
牧場バイトからアイドルへ、かてぃが歩んだ多彩な仕事遍歴
求人ボックス:PR