写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
金曜日はザ・マミィ林田洋平が担当する。『キングオブコント2021』では、準優勝に輝いたザ・マミィの頭脳、林田。そんな彼は、自身のインスタグラムで発信するエモーショナルな写真も話題となっている。林田が、日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
祖母の家にいた4匹の猫
僕はもうかれこれ5年ほどインスタントカメラで猫を撮っていない。理由はこの写真にある。
なんかすごい目が光っちゃった。
猫だってこんなに目が光りたくて生きてるわけじゃないだろうに。こちらの都合で忍び寄らせていただいて、こちらの都合でフラッシュ焚かせていただいて、こちらの都合で現像させていただいたら、こんなに目が光っているなんて。
ごめんね。
余談中の余談だが、僕は猫が好きだけど猫アレルギーという地獄の中で生きている。猫を触ると喘息が出て、目がぶりぶりに腫れたりする。
それでも子供のころ、祖母の家には4匹の猫がいて。その猫がとてもかわいくてかわいくて。触りたい触りたい。
とある日、僕は意を決して「もうどうにでもなれ」と猫ちゃんたちを触った。触り終わったら、僕はきっと爆発してしまう。命がけで撫でた猫ちゃんはすごくふわふわで、確かにそこには命の温かさがあって、たまらなかった。
アレルギーが出る前に触れるだけ触っておきたい。必死で追いかけて必死で触った。命あるうちにすべての愛情を注いでおきたい。わしゃわしゃわしゃと撫で回した。
猫に嫌われた。
アレルギーが出て苦しかった。それでもまた触りたいと祖母の家に行った。
でも、もうアレルギーが出ることはなかった。猫たちは僕から逃げ惑い、もう二度と触れなかったから。
加賀翔(かが屋)、前田こころ&平井美葉(BEYOOOOONDS)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
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