写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
加賀翔(かが屋)、前田こころ&平井美葉(BEYOOOOONDS)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
金曜日はザ・マミィ林田洋平が担当する。『キングオブコント2021』では、準優勝に輝いたザ・マミィの頭脳、林田。そんな彼は、自身のインスタグラムで発信するエモーショナルな写真も話題となっている。林田が、日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
眼鏡の撮影で一番大事なこと
昔、自分の眼鏡をいかにかっこよく撮れるかに凝っている時期があった。
絶えず己の肉体に張りついて視力の補助をしてくれている眼鏡に感謝する気持ちが突如あふれたことがあって、そんな眼鏡を保存しておかなければと思ったのだ。
まず1枚目の僕の眼鏡は「空飛ぶ僕の眼鏡」だ。こちらはいい感じの空のときに、眼鏡をいい感じに投げ飛ばし。それが太陽にいい感じに被ったところでカメラのシャッターをいい感じに切りまくって撮った。ポイントは眼鏡の角度でも色味でもなんでもなく、地面が芝生の場所を選ぶということだ。地面がコンクリートだと眼鏡が粉砕してしまうからだ。
次の僕の眼鏡は「農道に横たわる僕の眼鏡」だ。こちらはいい感じに長くつづく農道に僕の眼鏡を置いて撮った。
ポイントはできるだけ人通りがない時間に撮ること。自分も地面に這いつくばって撮るので見られると恥ずかしいし、ちょっと目を離した隙に誰かが通って踏み潰されて粉砕する可能性があるからだ。
最後の僕の眼鏡は「ベンチで休む僕の眼鏡」だ。こちらは近所の公園のベンチに僕の眼鏡を座らせて撮った。
眼鏡も休みたいときもあるだろうなという僕の粋な計らいついでに写真を撮らせてもらった。こちらのポイントは眼鏡を座らせていることを忘れて自分も座ってしまわないように注意することだ。もし眼鏡の上に成人男性である僕が座ると眼鏡が粉砕してしまうからだ。
とりあえず何より眼鏡は粉砕しないほうがいい。これは断言する。
ちなみにこの僕の眼鏡は先代のもので今の眼鏡はまた違うのだが、今の眼鏡でこのような写真は撮っていない。今の眼鏡はこの当時よりも高級なものになっているため、容易に空に投げたり、荒い道に置き去りにしたり、自分で上から座りかねないベンチに置くなどという愚かな行為をしたくないからだ。とにかく絶対粉砕したくないからだ。
とはいえ、以前、やっぱり撮りたくなって今の眼鏡を風呂に沈めて「風呂につかる僕の眼鏡」を撮ってみたが、何やら意味がわからな過ぎる狂気的な仕上がりとなったため、ここには載ぉ~せない!
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