VTuberの性別ってどんな気持ちで決めてるの? 新連載「VTuberのしんぎゅらりティー」#1性を選ぶ(たまごまご)

2021.6.5

ネカマ文化から次の世代へ

今ぼくが使っているアバターは女の子だ。しかしぼくは自分を男だと公開して使っている。昔はこういう「女性アバターを使う男性」を「ネカマ」と呼ぶことがあった。MMORPGやチャット文化を中心に使われたスラングで、どちらかというと「嘘つき」的な悪い意味で語られることが多かった。

でも女の子アバターのぼくのようなスタイルを「ネカマ」という人は、今はあまりいない。『モンスターハンター』『どうぶつの森』のようなプレイヤーアバターがあるゲームやSNSで、すでに「女性アバターを使う男性」はかなりの数存在し、定着したからだろう。ツイッターなどでアイコンが女子の男性、男子の女性は無数にいる。「男性アバターを使う女性」もかつては「ネナベ」なんて言われていたが、今は何も言われないだろう。空間ごとに好きな姿を選べるようになってきた。

VTuberを始める際、自身のアバターを何にするかは完全に自由だ。性別どころか種族なども含めて、なんでもありの世界だ。天使のVTuberに対してわざわざ「実は人間じゃん」と突っ込む野暮な人は、今はまずいない。でもVTuber出始めの時期にはかなりいた。悪口ではなく、前提の把握具合の問題だ。現在のVTuber視聴者は、意図的に詐欺を行う相手ではない限り、どんな容姿や生い立ちであろうと「個性」として飲み込み、一緒にその個々の世界に浸る姿勢で楽しんでいる。

現実の性からの脱却

VTuberの中には、現実社会でトランスジェンダーの悩みを抱えている人もいる。性別に悩まされていた人たちにしてみれば、性をまるごと自在に変えることができるバーチャルはのびのび自分を表現するツールとして非常に便利だ。異性装を好む人にも楽しいツールだろう。バーチャルアバター用のありとあらゆる3Dモデル用衣装が簡単に買える時代になったので、規約を守りさえすれば着替え放題だ。

バーチャルは、現実社会で「男の性」「女の性」に圧迫されていて解放されたいと願う人の安らぎの場だ。現実社会に出るときは「リアル用の衣装」としての肉体、家に帰ってきてからは「本当の自分の衣装(アバター)」に着替えて過ごすこともできる。

好みの方向へ性を強調して表現していきたい場合にも、バーチャルアバターは効果的だ。男性が理想の女性を演じることで独自の色気が出る「女形」がこれに近い。ビジュアルを自在に100%理想の女性にできるとなれば、これは強力。

やっとみんな会えたね!!!新3Dお披露目配信~ネキとライフ先生を添えて~【兎鞠まり】

兎鞠まりはいわゆる「バ美肉おじさん」と呼ばれる姿勢で活動するVTuber。自身をおじさんだと明言した上で、幼い女子の容姿で活動している(バ美肉=バーチャル美少女受肉の略)。少女性をより強調したようなムーブで、声は最先端レベルのボイスチェンジャー技術をフル活用。「おじさん」が抱く「かわいい」のイメージを突き詰めたことで、二次元美少女の概念的な存在になった。兎鞠まりのようなバ美肉VTuberに対しての場合「かわいい」と声をかけるのは、理想を追求した努力を讃える最高の褒め言葉だろう。

「にじさんじ」の性別不詳ライバー

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