【『THE LAST PIECE』レポート#2】グループでの審査がスタート。悔し涙を流すRUIにSKY-HIが寄せた信頼「全部正解にして返してくれると思っている」

BE:FIRST(ビーファースト)、MAZZEL(マーゼル)に次ぐ3つ目のボーイズグループを誕生させるべく、SKY-HIが主宰するマネジメント/レーベル「BMSG」が始動させたオーディションプロジェクト『THE LAST PIECE』。
『THE FIRST』『MISSIONx2』に続いて本オーディションでもプロデューサーを務めるSKY-HIは、「あなたの夢を叶える事が今の俺の夢だ」とコメント。さらに、『THE LAST PIECE』は以下のステイトメントを掲げている。
全ての10代と、
かつて10代だった
全ての人へ。
さあ、世界で一番自由で大きな夢を見よう。
2025年7月4日にYouTubeで配信された『THE LAST PIECE』本編Ep.02では、グループでの課題曲パフォーマンス審査となる3次審査に挑む3チームの様子が届けられた。その模様をレポートする。
目次
最後にシュートするのがアーティストの役割
10代限定ボーイズグループオーディション『THE LAST PIECE』。Ep.02では3次審査合宿の様子を配信していく。合宿の会場は、自然に囲まれた小学校。2次審査を通過した30名は、体育館に集合していた。

どうやら、審査前にプロアーティストを目指す彼らにSKY-HIから伝えておきたいことがあったようだ。SKY-HIは体育館に現れると、「みんなも肝に銘じておいてほしいんだけど……」と切り出す。
「人に対しての誠実さみたいなものが欠けると、やっぱり絶対自分に返ってくるので。(……)何百、何千とみんなが立つステージを作って、その上でフロントマンとして、みんなが作ってくれた期待、お客さんが掲げている期待とかを体現するのがステージの上の人だから……」
SKY-HIは、さまざまな人たちが回したパスをシュートするのがアーティストの役割だと語る。そして、いろんな人の生活のひとつの終着点に自分がいるという想像力を踏まえて誠実さを大事にしてほしいと呼びかけた。
今回は、グループ別課題曲パフォーマンス審査だ。5人×6チームでそれぞれの課題曲をパフォーマンスする。審査ポイントは、「センターでの存在感を証明できる力」と「原曲を塗り替えるくらいの存在感と表現力」。

TAIKIが引っ張るMove Onチーム
1組目はYUTA、TAIKI、KANTA、EITA、SOLAによるチーム。課題曲はBE:FIRST「Move On」だ。
まずはダンスの振り入れからスタート。振り入れ担当のMoneyいわく「振りもダンスも難しい」とのことだが、5人は順調な様子。30分後には早くも振り付けをものにしていく。
実はこのチームには、ダンス歴10年以上の実力者が集まっている。この5人を1組目に選んだ理由には、彼らに得意なことを存分にやらせて本オーディションのレベルの高さをアピールしてもらいたいという意図があった。その期待どおり、Move Onチームは合宿初日にして「プロ顔負け」のクオリティまで上げていく。
そんなチームを引っ張るのが、2021年にBMSGが開催したオーディションプログラム『THE FIRST』にも参加していたTAIKIだ。
4歳からラップを始め、数々の大会にも出場。『THE FIRST』で脱落したあと、BMSG TRAINEEとして4年間レッスンを重ねていた。そんなTAIKIの夢は、世界で活躍するアーティストだ。
「スキルはできる限り身につけてきたつもりではあるので、あとは人間性や謙虚さは常に持っていたいなっていう意識と、まわりを見る力。もっと視野広く見ることができれば、デビューできるんじゃないかなと思っています」
TAIKIはそう語る。彼の3次審査の目標は「全員通過」。ライバルでもあり仲間でもあるという気持ちは忘れずにいたいという。

悩みながらも繰り返す練習と修正
すべてが順調に進んでいるように見えるMove Onチーム。だが、合宿3日目の中間発表でメンバー3人が壁にぶつかる。
実はKANTA、EITA、SOLAは歌唱経験がほぼない。激しいダンスをしながら難度が高い歌唱もしなければならないことに苦戦していた。BMSG TRAINEEであるTAIKIとYUTAはそんな3人を支えようとする。
EITAにはラップパートもある。さまざまな業務があるなかでも合宿に足を運ぶSKY-HIは、彼にラップの細かい表現パターンを教えていた。強弱をつけるなどして粒を立たせるといいと実演してみせる。しかし、EITAはうまくできるか不安そうだ。
そこで、ラッパーのTAIKIがここでもアドバイス。アクセントのタイミングをわかりやすくするように、歌詞カードに印をつけて教える。そうしたTAIKIのサポートによって、EITAのラップスキルは磨かれていく。

一方、KANTAには歌以外にある悩みがあった。
「吃音症、場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)とかっていうのがあるんですけど、詰まる音とかが苦手で……」
人前で話すのが苦手なKANTA。これまでに参加したオーディションでも伝えたいことが伝えきれなかったという。自己紹介をする際に名前がどうしても詰まってしまう。それが審査の足を引っ張ってきたのではないかと悩んでいた。
本オーディションの2次審査でも自己紹介で詰まっていた。しかし、そんなKANTAに大丈夫だよと声をかけていたSKY-HI。KANTAは当時をこう振り返る。
「社長が、詰まっていても大丈夫だよって声がけしてくださって。ある意味、自分の素を見せられたというのがあるので……」
悩みを抱えながらもオーディションに挑むKANTA。そんな彼の夢は、同じ悩みを持つ人の希望になることだ。
練習と修正を繰り返すMove Onチーム。合宿4日目でボイストレーナーのなつき先生にチェックしてもらうと、その成長ぶりになつき先生は思わず涙。自分たちのパフォーマンスで人の心を動かしたという初めての体験は、彼らの自信にもつながっていた。
そして翌日に迫る本番。果たしてどんなパフォーマンスになるのか。
“努力は裏切らない”を証明したパフォーマンス
本番当日、1組目のMove Onチームが登場する。緊張感が漂う会場。SKY-HIからそれぞれ名前を言うように振られると、トップバッターのKANTAは声を詰まらせてしまう。それでもできるだけ冷静に、少し間を空けて名前を言いきったKANTA。ほかのメンバーもそれに続いて名前を述べていく。
いよいよ本番。ラップ歴の長いTAIKIが歌唱面で牽引するなか、KANTAもまた先ほどからは一変して、強気で自信に満ちたパフォーマンスを見せていく。YUTAもしなやかかつコミカルなダンスを披露して個性を発揮。歌唱面に苦戦していたSOLAとEITAも、裏声と地声を使い分けてスムースな歌声を披露していた。
ライバルでもあるほかの候補生たちも、スキルの高さに大盛り上がり。パフォーマンスが終わるとSKY-HIは、「この手のパフォーマンスをこうやってできるのは、今までの積み重ねがないとできない。やっぱり時間は裏切らないし、努力は裏切らないっていうのを証明したパフォーマンスだったと思います」と評価した。
抜群のダンススキルを見せたISANA
2組目はCOTA、KEI、SHO、ISANA、A.J.によるチーム。課題曲はPSYCHIC FEVER「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」だ。コレオグラファーのKAITAは、楽しむ要素が多い楽曲だという。
COTAとKEIはBMSG TRAINEEであり、SHOとA.J.とISANAは一般応募者ではあるがBMSG合宿に参加経験もある。振り入れ1時間半後には1番の振り入れが完了していた。
中でもスキルが目立っていたのが、ISANA。COTAやKEIからも一目置かれている。
しかし、本人は不安そうだ。「自分が今日できることはやれたとは思うんですけど、自分ができる最大限がまだまだだったなとは思った」とスタッフに話す。自分に対する自信がまだ足りないという。
ダンス歴は10年以上、かつて練習生として大手事務所にも所属していたもののデビューには至らなかった。さらにBMSG TRAINEEの合宿で、トレーニーになれなかった経験もあり自信を失っている。そんななかで支えになったのは、母の存在だった。
「上京するときにお母さんからお手紙をもらったんです。僕のお母さん車椅子で、骨折して歩けなくなったんですけど。人間は転生したくてもできないものだし、今を一生懸命生きなかったら後悔すると思う、みたいに書いていて。たしかに、本当にそうだなと思ったし……」
ISANAはこのオーディションで自信を取り戻すことができるのだろうか。
合宿2日目。ボイストレーニングでは、なつき先生から「キャラ立ちをもっとはっきりさせていったほうがいい」とアドバイスが。大半をラップが占める曲。各々の表現力が試されるなか、初挑戦のラップにA.J.は苦戦していた。
そんな彼はマレーシア出身、在住。なぜ日本へオーディションを受けに来ているのだろうか。
「マレーシアではまだあんまりエンタテインメントの業界が育っていない。マレーシアのエンタメの第一人者になって、自分らしいことを自分の国でやりたいなと思って」
自国のエンタメ第一人者になる──A.J.は壮大な夢を掲げてこのオーディションに挑んでいた。

一体感が求められるJust Like Datチーム
Just Like Datチームは、意見交換も活発で雰囲気もいい。中間発表ではSKY-HIからチームの一体感を褒められていた。
しかし、COTAは喉の不調で悔いが残るパフォーマンスになっていた。そんな彼を気にかけるのはSHOだ。中心となってチームを引っ張るSHOは、不安そうなメンバーに積極的に声をかけていく。
すると歌に悩みを抱えているメンバーがほかにも。ダンスで一目置かれていたISANAだ。ダンスに比べて歌唱歴が少ない。なつき先生やSKY-HIから指導を受けているときも浮かない表情を見せていた。そんな彼にKEIが声をかける。ISANAと同じく長年経歴を重ねてきた。だからこそわかる気持ちがあるのだろう。
「俺もISANAみたいに、褒められても『そう言うってことはここはダメなんじゃないかな』とか思っちゃったりするけど、素直に受け止めて、そこに対しては自信を持つほうがいいかなと思う」
優しく励ますKEIの言葉に、ISANAは少し安堵しているようだった。

本番前日。踊りながらのボイストレーニングでは、なつき先生から「みんながやりたいことが違う感じが見えるから、本当の意味の一体感になっていないのかもしれない」と指摘が。
今度はチーム感を意識して再度チャレンジしてみる。すると一体感が一気に増した。なつき先生が「全然意識で違うじゃん! 1個前よりよかったよ!」と拍手すると、メンバーからは笑顔がこぼれる。先生からの言葉に自信を得ているようにも見えた。
しかし本番直前のリハーサル後、涙を浮かべているメンバーが。BMSG TRAINEEでもあるCOTAだ。悪いほうに考えないようにと思うあまりに、自分にプレッシャーをかけすぎてしまったという。人生が変わるかもしれないこのオーディション。チーム最年少15歳のCOTAは本番で力を発揮できるだろうか。
SKY-HI「世界中を踊りたくさせるパフォーマンスだった」
いよいよ本番。パフォーマンスが始まった。
トップバッターはCOTA。眉をひそめて焦燥した表情でラップする姿に、いきなり引き込まれる。さっきまで涙を流していたとは思えない気迫があった。一方、KEIは歯切れのいいフロウで、SHOは切なく甘い声を聴かせて、空気を変えていく。A.J.は前半に高音を後半に低音を使い分けてドキッとさせるギャップを見せ、ISANAはダンスや表情にメリハリをつけて存在感のあるパフォーマンスを見せる。
SKY-HIは彼らのパフォーマンスに胸を熱くしている様子。終わった瞬間「かっこいい!」と叫んだ。「世界中を踊りたくさせるパフォーマンスだったんじゃないかなって思います」と大絶賛だった。

5人全員が人見知りのcome againチーム
3組目はRYOTO、REO、RUI、KEITO、HALによるチーム。課題曲はm-flo「come again」だ。コレオグラファーのASUPIいわく、リズム、かっこよさ、セクシー、かわいさ、すべての要素をギュッと詰めたのがこのパフォーマンスだとか。カギは観客を踊らせること。それには5人全員が楽しまないといけないという。
『THE FIRST』参加時は最年少13歳だったRUI。当時はオーディション年長者だったAile The Shotaのリーダーシップに助けられていたが、現在はRUI自身がチームの最年長だ。「最年長ってこんな背負うものがあるんだ」とAile The Shotaに思いを馳せていた。
性格的に引っ張っていくタイプではないが、この合宿を通して引っ張れるようになりたいとRUIは意気込む。しかし、そこには険しい道のりがあった。

実は5人全員が人見知りのcome againチーム。振り入れでは打ち解けているように見えても、休憩になるとなかなか会話が弾まない。距離が縮まらなければ楽しんでいるよさを出せない。この課題曲をパフォーマンスできるだろうか。
特にRYOTOは、あまり目を合わせられなかった。ふたりになるパートでアイコンタクトを入れてみようとしても合わせられない。SKY-HIから指導されているときも伏し目がちだ。
中間発表後に涙を見せた最年長のRUI
そのまま合宿3日目の中間発表へ。メンバーは歌詞忘れや振り付けミスなどを連発してしまう。RUIは自分の不甲斐なさに苛立ちを隠せない。さらにミスをしてしまったREOは泣き出してしまった。緊張のあまり頭の中が真っ白になってしまったという。

落ち込んでいたメンバーたちは、気分転換のため屋上へ。すると今度はHALとRUIも泣き出してしまった。そんなチームの様子を気にかけるSKY-HI。年長者であるRUIに話しかける。
「よかったな、中間発表で泣けて。本番で泣きたくないだろ。あとは2日後にRUIが全部正解にして返してくれると思っているから。2日後に、『中間発表うまくいかなかったけど、あれのおかげです』っていうセリフの予約投稿しておいて」


気分を切り替え、再び練習に入ろうとするメンバーたち。すると隣で練習していたMove Onチームが見学にやって来た。
中間発表で泣いたREOに声をかけるTAIKI。どうやらラップに苦戦していると知ると、なんと指導を買って出た。TAIKIはほかのメンバーを先に戻らせ、ひとり部屋に残り、REOにラップを教え込む。それからしばらくして再びパフォーマンスを合わせてみると、REOのラップは上達。これには年長者であるRUIもTAIKIに頭が下がる思いだった。
メンバーたちは歌詞と振りを体に叩き込むため、10回連続を目標に通し練習することに。立ちはだかった壁を乗り越えようとしていくうちに、メンバー同士の距離は縮まっていく。休憩中にはメンバーたちでGReeeeN(現:GRe4N BOYZ)の「キセキ」を歌う場面も。元気を取り戻していた。

不安を跳ね返したキラキラなパフォーマンス
チームの空気はよくなり、ようやく危機を超えたようにも思えた。だが、本番1時間前にして突然、KEITOが涙。「(オーディションに)落ちるのって怖いですね」とスタッフに弱音をこぼす。夢は実力でつかみ取る──そう覚悟を決めてきたが、不安が募ってしまったようだ。

そんななかで本番を迎える。しかし、come againチームは、裏でそんなことがあったとは思わせない堂々としたパフォーマンスを見せていく。
リラックスした自然な踊りと、微熱を帯びたクールな歌声でこの曲の世界へと誘う。REO、HAL、RUIによるざらついたラップパートがアクセントとなり、会場を徐々に盛り上げていった。チームワークも抜群。思わず体を揺らしてしまうようなパフォーマンスだ。
SKY-HIは満面の笑みを浮かべて、「素晴らしかったです。ありがとう!」とまずひと言。続けて、「全員自分から輝きに行ってるのがすごく印象的でした。(……)俺がここで一番輝くんだっていう意識を持ってパフォーマンスしてくれたことがすごくうれしかったし、めちゃくちゃこちらの気持ちまでキラキラ輝きました」と熱いメッセージを送った。
本配信はここまで。続く、運命の3次審査合宿。次回Ep.03では、残る3チームに密着していく。
【『THE LAST PIECE』配信スケジュール】
■Ep.03:2025年7月11日(金)20時~
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