それぞれの“No”と向き合い、そこから脱出する個性あふれるパフォーマンスの連続に、ちゃんみなも思わず爆笑【『No No Girls』レポート#6】
YouTubeの総再生回数は5億回を超え、若い世代から絶大なる支持を得ているラッパー/シンガーのちゃんみな。そんな彼女が、SKY-HIが主宰するレーベル/マネジメント「BMSG」とタッグを組んで始動したオーディションプロジェクト『No No Girls』。
「今までいろんなNoって言われてきた人たちを救いたい」と、本オーディションのプロデューサーであるちゃんみなは宣言。そして、ここから生まれるガールズグループに所属するアーティストには、以下3つの“No”を求めるという。
No FAKE(本物であれ)
No LAZE(誰よりも一生懸命であれ)
No HATE(自分に中指を立てるな)
2024年11月8日にYouTubeにて配信された『No No Girls』Ep.06では、3人1組のグループによるクリエイティブ審査に挑むA、B、Cの3チームに密着した様子が映し出された。
目次
3チームに用意されたRyosuke “Dr.R” SakaiによるPops
Ep.05に続いてEp.06でも4次審査の様子が配信される。4次審査はクリエイティブ審査だ。候補生たちは課題曲のトラックに、メロディと歌詞と振り付けをつけていく。課題曲となるトラックはHipHop、Pops、R&Bの3種類となる。
本配信ではA、B、Cの3チームに密着。彼女たちに与えられたトラックはPopsだ。トラックを提供したのは、ちゃんみなやSKY-HIをはじめとしたアーティストをプロデュースしているRyosuke “Dr.R” Sakai。日本人として初めてアメリカの名門メジャーレーベルと契約した人物だ。ちゃんみなが「一番王道。でもちょっとピリッとして、ちょっと強い感じ」と表現するそのトラックは、高音と低音のピアノリフが絡み合うダークでグルーヴィな曲である。
作詞作曲をしたことがない候補生が多いからか、彼女たちは不安そうな表情を浮かべる。そんな彼女たちに対してちゃんみなは、「本当にいろんな種類の曲が出てきやすいトラックだと思ったので、チームそれぞれの個性がバンバン出るだろうなと思いました。スタジオに入ったら楽しいと思うよ。大丈夫できる、私もいるし」と励ました。
紆余曲折を乗り越えたAチーム
はじめはKOKO、KOKONA、SARAのAチームに密着。このチームはKOKOが引っ張っていくようだ。彼女は歌詞作りの前に、まずは「(自分たちのことを)全部話しましょう」と提案する。
するとKOKONAが過去に参加したオーディションでの悔しい経験を語り始めた。
もともと作詞をするのが好きだったというKOKONA。しかしオーディションでやってみても、そういうことはするなと言われたという。「素朴な状態の人しか受からないから、君みたいに個性ある人は受からないよ」と“No”を突きつけられていた。
「ここでデビューするしか道はなくて……自分が表現したいことをできるのはここだけだし、それをわかってくれるのも、ここの参加者だったりとか、ちゃんみなさんだけだと思っているから……がんばろうってこと」
続けてSARAが、「ちょっと恥ずかしい話だけど……」と話し始める。
「みんなみたいに“絶対こういうアーティストになりたい”というのが正直まだなくて。自分が何者なのかもイマイチわかってないみたいなレベルで……」
SARAは自分がどんな音楽をやりたいのか見えずに悩んでいるという。互いのことを語り合い、1日目は終了。2日目はちゃんみなと一緒に曲の構成決めへ。
まずちゃんみなが、自身の曲「Never Grow Up」のデモ音源を聞かせて曲作りの流れを教える。プリプロダクションでは仮メロディを乗せながら曲を構成していき、歌詞を乗せていくという。
さっそくプリプロ開始。KOKONAとSARAがそれぞれメロディを乗せてみせると、ちゃんみなは「めっちゃいい!いい感じ!」「私好き、サビめっちゃ好き!」など好感触。
飲み込みが早いメンバーたち。一方、KOKOに対しては「どこがサビとかイメージついてる? 大丈夫だよ、好きにやって。こういう曲聞きたいなみたいな感覚で」とアドバイスをするちゃんみな。結局KOKOのメロディだけが採用されなかった。これまで完璧なパフォーマンスで周囲を圧倒してきた彼女に焦りが出る。あとでスタッフにこんな話をしていた。
「本当にやばい。今が始まってから一番のピンチ。一番ヤバイ、不安です。あの時間ちょっとつらかった。でき上がったものはすっごく素敵で、本当にこれから楽しみなんだけど……」
合宿3日目。チームで歌詞作りを進めるなか、SARAがチームの輪から外れていた。どうしたのだろうか。スタッフが声をかけると、SARAはこんな本音を漏らした。
「12年ダンスやってきて、けっこううまいほうだと思ってここまできたんですけど。上には上がいるじゃないですか。ちょっとひとりになりたかった感じですね」
打ち明けると泣いてしまうから、チームのふたりにはまだ言えてないという。一方、メンバーはそんなSARAを気にかけていた。振り付けの練習中、様子を見かねたKOKOはメンバーにもどかしさを吐露する。
「正直、ここ最近思っていたんだけど、3人の息というか、気持ちがそろっていないような気がする。何をやっていてもみんなバラバラ……」
そこで緊急ミーティングを開くことに。KOKOが率先して「マイナスなことでもいいから全部共有してほしい」と言ってみるものの、SARAはうまく打ち明けられない。
「ママに電話して、いろんなこと全部言って爆泣きした。気持ちの整理がついたからもう大丈夫だよ。だから……みんなが変わるというかSARAが変わるようにするから……」
そんなSARAに対して、今度はKOKONAが涙で声を詰まらせながら何かを言おうとしている。少し間を置いて気持ちを落ち着かせると、彼女は再びゆっくりと話し始めた。
「年上だからってあんまり……みんなに弱いところ見せちゃダメって思ってほしくなくて。もちろんお母さんが一番安心できるじゃん……だけどその前にお互いのことを頼ってもいいんじゃないかなって思って……」
するとSARAも徐々に心を開き始める。
「ふたりには経歴とか一番の強みを持ってるけど、そうやって見たときにSARAにはなんにもないかもって感じたのが……ぶっちゃけプライド的にもきたし、情けなくなったのがあったから……」
初めてふたりの前で弱音を吐くSARA。思わずKOKONAは彼女を抱きしめる。続くようにKOKOもSARAに寄り添う。
「結局、誰かが落ちて誰かは認められて残るみたいな。最終的にはそこだから。素直になるのが難しくて……あの感じになっていたかな」
本音を打ち明け合った3人は、最後に抱きしめ合った。紆余曲折を乗り越えたAチーム。本番はどうなるか。
ハプニング続きのBチーム
続いては、AIKO、JEWEL、HIBIKIのBチーム。ゆるやかで和気あいあいとした雰囲気のこのチームは、ちゃんみなとの曲の構成決めもスムーズ。約1時間でメロディがほぼ完成と、順調な滑り出しを見せる。
しかし合宿4日目。HIBIKIが風邪で声が出なくなってしまった。3次審査でも風邪で声が出なくなっていた彼女は、ノートに「毎回大事なトキにこわれるんです」と書いてスタッフに伝える。突然のハプニングに、ほかのメンバーたちにも焦りが募る。緊張感が高まるなか、AIKOが泣いてしまう場面もあった。
そして5日目には、なんとAIKOの具合も悪化。本番まであと5日と迫っているなかで、JEWELひとりで練習することに。
自分のパートをひたすら練習し、完成されていない振り付けを考えるJEWEL。しばらくしてAIKOが病院から戻り、練習に参加することに。もともとダンスを考えたいと思っていたAIKOが加わったことで、無事に振り付けは完成した。
本番を2日後に控え、HIBIKIが合流。ようやく3人そろって練習することに。時間が迫るなか、果たして本番までに間に合うのか……。
支え合いながら結束力を深めていくCチーム
最後はKAEDE、KOHARU、MOMOのCチーム。初日から積極的に引っ張るのはKOHARUだ。「お互いを知ろうよ」とふたりに話しかけると、率先して自分から語り始める。
「私はまわりから“No”って言われているわけではなくて、自分自身に“No”って言っちゃう人なのね……」
KOHARUは母・姉ともにダンサーのダンス一家で育った。家族インタビューでは、姉から「自分が嫌いなところを受け入れる。嫌いなところを好きになるわけじゃなくて、嫌いなところを受け入れるマインドを広げていくのが自分と向き合う時間」とアドバイスされていた。そんな彼女はオーディションへの意気込みについて、こう話す。
「自分に“No”と言っちゃうのを直したい。自分を変えるために、人としてもアーティストとしても成長するために、このオーディションを受けて変わりたいなって思っている人間です」
続けて、KAEDEが語る。高校3年生のときに事務所のオーディションを受けた際に、自分で作った曲を提出したら「声だけ使わせてほしい」と言われたそうだ。
「自分の曲で、自分として、自分の声で、なんで歌えないんだろうと思って。それを(事務所に)言ったら、流れちゃったっていうのがあって……」
作詞作曲や楽曲制作も一から作っていたという。自分で曲を作ってきたKAEDEは、作詞面でもチームを引っ張る存在となっていた。
合宿2日目。ちゃんみなとの曲の構成決めへ。
Cチームが考えた曲のイメージは“ドロドロ”。KOHARUが思い浮かんだ案をみんなにも共有したところ採用されたという。過去の自分や自分の嫌な部分を全部振り払って、這い上がっていく。それを自分にも向けたメッセージとして、3人で曲を考えてきたそうだ。
ちゃんみなは興味深そうに「ドロドロから行くの? ドロドロから出るの?」と聞くと、3人は声を合わせて「出ます」と即答。
ボイスレコーダーにメロディを録音し、歌詞も考えてきた3人。さっそく仮歌を歌ってみせると、ちゃんみなからは「いいじゃん! そこもういいからレコーディングしよう」と好感触。すると楽しくなってきたのか、作曲経験者のKAEDEからさらにアイデアが。「ポストフック(サビのあとにつき、曲をさらに盛り上げる部分)を思いついて。コーラスに被せる感じで歌いたくて……」と、どんどん曲作りが進む。
あまりにも出来が早いので、歌詞も入れて仮録音へ。歌詞つきで再度歌うと、ちゃんみなは「めっちゃいい。メロウ(メロディ・曲調)もいいし」と絶賛。
プリプロを楽しんでいたKAEDE。普段の曲作りよりも本格的なレコーディング体験ができたことがうれしかったようで、「新鮮だったし、勉強になりました」と目を輝かせながらスタッフに話す。
そんなKAEDEについてKOHARUは、「KAEDE姉やんがいなければ、私は心が不安定になっていたと思っていて。作曲経験が8年あると言っていて、それだけで本当に安心というか」とスタッフに語っていた。
チームを引っ張るKOHARUと作曲経験のあるKAEDE。一方で、最年少のMOMOはふたりの才能に圧倒されていた。
「ふたりがすごすぎて、ついていけなかった。会話に全然入れない。MOMOがいなくても成り立つなとか思っちゃって。マイナス思考なのが悪いんですけど……MOMOってなんだろうって思っています」
合宿3日目は振り付けを開始。ダンスが得意なKOHARUとMOMOが引っ張る。それに対して、KAEDEはダンスが少し苦手だ。昨日とは打って変わって、「みんながすごく踊れてるから自分もがんばらなきゃと思ってたんですけど……」とネガティブな言葉が出てくる。
曲作りはスムーズに見えたCチームだったが、実は“チームワーク”となるとそれぞれ不安な面もあるようだ。KOHARUもまた、練習を重ねていくうちに楽曲の方向に違和感を抱いていた。スタッフに「私は歌詞を決めるときに伝えたいことを重視した歌詞を書きたい。伝えたい気持ち、もの、こと、がスッと伝わる表現をしたい。ほかのふたりは聴く側がどう捉えるかを重視した歌詞作りをするふたりなのかなって。そこでズレが生じて、今後大きくズレていって、関係的にもギスギスしたり、歌詞にまとまりがなくなったりしないか不安がある」と本音をこぼす。
そんななかで、合宿4日目。KAEDEは歌詞に迷っていた。歌詞の見直し中に「自分の歌詞、全部変えたほうがいいのかなって思ってきた」と言い、チームから外れてひとりに。スタッフが声をかけると、「チームに貢献できてるのかなって思っちゃった。チームのみんなは優しいからこれでいいと言ってくれるけど、100%が出せてなくて。みんなの前では泣きたくない。最年長だし。でもなんか……今までやってきたやり方が違うのかなって思ってきたら、自分って何が残ってるんだろうってすごく思って」と不安な心境を口にしていた。
KAEDEは胸の内をメンバーに打ち明けることに。「これで本当にいいのかなとか思ってたじゃん。自分だけこうなってるのって、チームとしてあれかなと思って……」とたどたどしくも気持ちを共有する。弱気になってるKAEDEに対して、MOMOは「もっと自信持って。いいものできても、本当に大丈夫かなって思っちゃうから」と励ます。そのあと、MOMOはKAEDEについてスタッフにこう話していた。
「ダンスが未経験なぶん、歌で引っ張っていくって言っていて。ちょっと考えすぎちゃったのかなと思うんですけど。KAEDEちゃんの作ったメロディとか歌詞とかすごくいいのに。MOMOはめっちゃ好きなのにすごく考えていて。考えすぎなんじゃない?ってMOMOは思うけど。でも、そういうところもKAEDEちゃんのいいところ」
Cチームはお互いに支え合いながら結束力をさらに深めていく。
それぞれの個性が際立っていたパフォーマンス
それぞれ苦難を乗り越え、ついに本番当日。候補生たちの緊張気味な表情を見たちゃんみなは、本番前にこう語りかけた。
「クリエイティブからみんなと一緒にやってきて、本当にみんなの才能をこれでもかと感じられたので、さらに今日感じられることを期待してます」
まずAチームから審査開始。
彼女たちはイスを使ったダンスパフォーマンスを見せていく。歌詞は「モスキートーン」をキーワードに、自分たちの個性に“No”を突きつける周囲の不快な声に対して“No”を突き返すような内容だ。歌詞に合わせて挑発的な表情をコロコロと変えていく3人から目が離せなくなっていく。KOKOが提案したダンスブレイクもいいアクセントになっていた。
ちゃんみなはまず「練習は一緒にみんなで合わせた?」と聞くと、KOKOが「話し合いを通しながらお互いにどんどん理解し合って、途中からみんなで一緒にやっていく流れになりました」と答える。一方、SKY-HIは「楽曲の表情とあなた方の表情がすごく噛み合ったシーンが多くて、そのたびに胸躍りました」とコメント。KOKONAが考えたという「モスキートーン」というワードに対しても、目のつけどころがいいと評価した。
続いてはBチームだ。
JEWELの強気で茶目っ気のある歌い出しが印象的。
<出口のない 廊下を Walking/ワガママさがかわいいのに/心ない言葉がflying/その程度じゃI do not mind><必要ない 私に Jewelry/もうすでに enough shining>
他人の評価を気にせず自分の魅力に自信を持とうとする力強い女性像が浮かぶような楽曲になっていた。『白雪姫』の有名なセリフを引用したAIKOパートも、コーラスを被せた個性的なメロディになっていておもしろい。<No>を粘っこく繰り返すサビも、シリアスだがキャッチーで心惹かれるものがあった。
Bチームは、自分たちの苦手な部分をそれぞれの得意な部分で補っていったという。ちゃんみながそれぞれの苦手な部分について聞いていくと、HIBIKIは「表情とダンス」、JEWELは「自分の強みがないから心細さを感じていて、苦手というよりも気持ちの面で波があった」とし、AIKOは「思っていることや経験を歌詞やメロディにするのが難しく感じた」とそれぞれ答えていく。今回、ちゃんみなは曲やパフォーマンスができ上がる過程もチェックしているようだ。
そして最後はCチームの発表へ。
キレがあってファニーなダンスパフォーマンス。KOHARUの2次審査で披露していたダンスを彷彿とさせるようである。それぞれの歌唱パートでは、マイクスタンドを活用。歌を届けることに重点を置いているようだ。情念をぶつけるようなKOHARU、いら立ちを表現するMOMO、憂いを帯びたKAEDEと、3人の“ドロドロからの脱出”が上手に表現され、メンバーたちの個性がはっきりと浮かび上がる。
ちゃんみなが「アウトロの振り付けがすごくキモかわいかったんだけど、あれはどういうイメージなの?」と、腕を上げてのそのそと前進していく虫のような動きに突っ込む。するとKOHARUが「じゃあ、やらせていただきます!」と声を上げ、メンバー全員で再度やって見せることに。なんと候補生全員から「カマキリ! カマキリ! カマキリカマキリ! お尻カマキリ!」と大合唱が。これにはちゃんみなも爆笑。「うっすらカマキリかなとも思ってたんだよね。これは誰、カマキリ?」と聞くと、KOHARUが手を挙げて「KOHARUカマキリ」とキュートに答え、さらに会場の笑いを誘っていた。
まだまだ4次審査は続く。次回Ep.07は、残り3チームのクリエイティブ審査に密着していく予定だ。
【『No No Girls』Ep.07配信予定】
■2024年11月15日(金)20時~
関連記事
-
-
天才コント師、最強ツッコミ…芸人たちが“究極の問い”に答える「理想の相方とは?」<『最強新コンビ決定戦 THE ゴールデンコンビ』特集>
Amazon Original『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』:PR -
「みんなで歌うとは?」大西亜玖璃と林鼓子が考える『ニジガク』のテーマと、『完結編 第1章』を観て感じたこと
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
「まさか自分がその一員になるなんて」鬼頭明里と田中ちえ美が明かす『ラブライブ!シリーズ』への憧れと、ニジガク『完結編』への今の想い
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
歌い手・吉乃が“否定”したかった言葉、「主導権は私にある」と語る理由
吉乃「ODD NUMBER」「なに笑ろとんねん」:PR