写真を撮ることにこだわりを持つアーティストや俳優・声優による連載「QJカメラ部」。
土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森田美勇人が担当。2021年11月に自身の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
わたし好みの時間
第110回。
梅雨がいまだ曖昧な態度でこちらに近づいてくる厄介な日々。
基本的に散歩で移動する自分にとっては朝に決める服装がぐらつくのである。
来る夏を存分に味わいたいため、理想はTシャツに半ズボン、足元はサンダルと大人のだらしなさと子供の好奇心を共存させた身軽スタイルで過ごしたいのだが、夕暮れ時に降られた場合に生じる寒さに怯え、ゴアテックスのスニーカーを出したり引っ込めたりの玄関前。
結局はそのときの快楽に溺れてサンダルを履き、雨の夕方に足元を冷やすのが最近のオチである。
写真はいつかの失敗した夕立。
![森田美勇人【QJWebカメラ部】](https://qjweb.jp/wp-content/uploads/2024/06/E6FD2C61-33C5-4582-83A7-B9B907521E51.jpg)
雨は嫌いではない。
地面を打つ雨粒に跳ね上がった土の香りや葉の隠れたえぐみなどが鼻をつく感覚には、生活に疲れて鈍感になった心を揺さぶり、それと同時に煩わしかった耳元で叫ぶ羽音がピタリとやむ安堵も重なって、夏は特に好意を抱く。
そんなわたし好みの梅雨時間。
明日こそは心地よく雨を渡ろう。
『森田美勇人Photo&Essay「青葉の音」』
![森田美勇人](https://qjweb.jp/wp-content/uploads/2024/06/qjmrt2_h1_r04.jpg)
発売日:2024年7月20日(土)
価格:3,200円+税
仕様:B5判/64ページ
販売:QJストア、Amazon※Amazonでは6月中旬より予約開始予定
発行:太田出版
NAOYA(ONE N’ ONLY)、中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ、工藤遥、RUI・TAIKI・KANON(BMSG TRAINEE)、森田美勇人、南條愛乃が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
関連記事
-
-
浅野いにお×内田怜央(Kroi)の共鳴する“反骨精神”。新しい世界を構築するため、ぶっ壊したいもの
Kroi『Unspoiled』:PR -
「一回くらい東京行ってみたい」ガクテンソク、おじさんコンビの上京理由をアユニ・D(PEDRO)に初告白【『DAIENKAI 2024』特別企画】
『DAIENKAI 2024』:PR -
ヨネダ2000誠、学生時代から憧れの尾崎世界観と対談「コントを一緒にできたら…」【『DAIENKAI 2024』特別企画】
『DAIENKAI 2024』:PR