POP思想家・水野しずの論考集第二弾となる『正直個性論』が5月31日に発売された。ヴィレッジヴァンガード下北沢や代官山蔦屋書店などの一部書店でサイン本の販売を行っている（なくなり次第終了）ほか、全国の書店・ネット書店で販売されている。

「個性」の幻想を打ち砕く

同書の著者である水野しずは、ミスiD2015グランプリを受賞。その後、文筆やイラストを中心に活動を続けている。2023年4月には、初の論考集『親切人間論』を発表。生活の些細な瞬間に根ざしたオリジナルな問いを深め、饒舌かつ鋭く切り込む無二の書き手として注目を集めた。

今回テーマとするのは「個性」。noteでの連載マガジン「おしゃべりダイダロス」で好評を集めたエッセイに大幅な加筆修正を加えた一冊で、平成から令和にかけてふくらんだ「個性」の幻想を明快な文章で打ち砕く“電撃哲学書”となっている。

　正直なことを言います。というか、この本は徹頭徹尾「個性」に関して正直なことしか言うつもりがありません。と、前置きしたところで、本書も市場に流通している商品の一端ですから、読者としてはある程度の手心や手加減が加えられているものだろうという含みを抱いたままページをめくるのかも知れません。　　　　　
　ぜんぜんそれで構わないのですが、その場合電撃を浴び続ける感じになるかもしれません。そうなった場合、それは浴びた方がいい電撃ですからどんどん浴びてください。歯医者さんが治療中に言う「これは出した方がいい血ですから」と同じジャンルの話です。

序文（今から常識では考えられないほど正直な個性の話をします）より

選書フェアやイベントも開催

刊行を記念し、ジュンク堂書店池袋本店と紀伊國屋書店新宿本店では、水野しずによる選書フェアを開催中。青山ブックセンター本店と丸善京都本店でも、6月より同様のフェアの開催が予定されている。

さらに、刊行記念イベントの開催も決定。西荻窪の今野書店では、6月9日に『『正直個性論』刊行記念電撃トーク心の実力の伸ばし方〜ヘチマを見ているだけで楽しい人生を求めて〜』を開催。詩人の文月悠光を交えたトークイベントとなる。紀伊國屋書店新宿本店では、6月21日にトーク&サイン会『今から常識では考えられないほど正直な個性の話をします』が行われる。このほか、2〜3店舗ほどでイベントの実施を予定しており、最新情報は『正直個性論』の公式Xで発信していくという。