GLAY・HISASHIが「解散を考えたとき」と、時代に対応するための「決断」

2020.1.27
GLAY HISASHI

文=渡辺裕也 撮影=平郡政宏


ニコニコ動画への投稿やSNSの積極的な活用など、インターネットへの理解が早いアーティストとして知られているGLAYのHISASHI。

音楽業界をめぐる状況が刻々と変化している現在、HISASHIが今考えていることとは──。25周年記念アルバム『REVIEW II』の発売を2020年3月11日に控え、5月からは25周年を総括するツアーもスタートさせる彼に話を聞いた。

※本記事は、2016年2月23日に発売された『クイック・ジャパン』vol.124掲載のインタビューを転載したものです。

自分が今10代だったら、ダメになっていたかも

──今日はまず、HISASHIさんとインターネットの関係性について聞いてみたいと思っていて。特に近年のHISASHIさんは、SNSはもちろん、ニコ動などのツールもかなり積極的に活用されていますよね。

HISASHI そうですね。僕にとっていちばんの大きな出会いが何だったかと言えば、それはもちろんギターとインターネットですから。

──(笑)。そこ、ギターと並べちゃっていいんですか?

HISASHI はい(笑)。90年代からインターネットと付き合ってきたなかで、「僕らが求めていたのはまさにこれだ!」みたいに感じたことは、本当にたくさんありましたから。それこそ函館にいた頃は、どうやったら自分たちの音楽を発信できるのか全然わからなかったし、わざわざハガキでDMを送ったりしていたんですけど、今やそれがメーリングリストのワンクリックでOKなんですからね。

あるいは、なにか情報を仕入れたいときも、当時は夜行バスで札幌に行くしかなかったけど、今は欲しい情報がネット上で簡単に手に入る。 もちろん、 インターネットから入ってくる情報は、 知る必要のないものもたくさんあるから、 一概に良いことばかりではないんですけど、 それでも自分たちがこういうものを求めていたってことは、 確かなので。

──では、仮にHISASHIさんが今10代の時期を過ごしていたとしたら、どんな音楽のやり方を選んでいたと思いますか。

HISASHI もしあの頃の僕がそういうテクノロジーと出会っていたら、今頃もうダメになっていたかも(笑)。バンドを続けているのかどうかも正直わからないし、たぶんそういうツールに頼りすぎちゃっているような気がします。それに、バンドをやるためにはどうしても場所が必要だし、お金だってかかるじゃないですか。

でも、それでバンドが売れるのかといえば、必ずしもそうではないわけで。そうなってくると、ボカロPみたいなやり方は、選択肢としても選びやすいですよね。それこそ今は、ボーカリストがいなければ、機械に歌わせることだって可能な時代でもあるわけですから。

──では、そうしたボカロ系のアーティストを、今のHISASHIさんはどういう感覚で見ていますか。

HISASHI うーん。たとえば90年代を振り返ると、僕らのまわりにいる人はみんな、「社運をかけて絶対に1位を獲るぞ!」みたいなムードだったんですけど。その一方では、ものすごく自由に活動しているパンク・バンドとかもたくさんいて。僕はそういう人たちのことをうらやましく思っていたんですよね。

もしかすると、そのときの感覚とすこし近いのかもしれない。制限されない環境で音楽を作って、それを自由に発信できている人って、やっぱり魅力的ですからね。

──なるほど。GLAYはそうした時代の流れと並走してきたバンドでもありますよね。

HISASHI うん。実際、僕らの場合は(プロデューサーの)佐久間正英さんの影響もあって、デジタル・メディアとの出会いはけっこう早かったし、僕らはそういう音楽の移り変わりを楽しんできたんです。もちろん、それは今もそう。じゃあ、うちのメンバー全員がニコ生を観ているのかっていうと、そうではないんですけど(笑)。

僕の場合は、完全にそれを趣味としてやっているところもありますし、たとえばなにか新しいツールが出てきて、それがGLAYの活動にもつながりそうな時は、自分から積極的に持ち込みたいとも思っています。そうじゃなくても、普通におもしろいと思ったことは、常にLINEでメンバーと共有するようにしていますし。

──ちょ、ちょっと待って下さい! GLAYの4人はいつもLINEでやりとりしてるんですか?

HISASHI そうですね。たとえばなにかおもしろい映像とかネットで見つけたら、そういうものは必ずメンバー4人のLINEグループで知らせるようにしています。というのも、「この4人で演奏する」ということがGLAYの大前提である以上、バンド内で個々がやれることの振り幅は、大きければ大きいほどいいと思うんですよ。今回のシングルもそういうアプローチから出来たものだし、むしろこの考え方は20年間ずっと変わってないんです。

「もう解散しようか」という話もあった


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渡辺裕也

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