ファミマ「はだいろ」回収は言葉狩りか? 文具メーカーは20年前に対応した“今さら”な議論
ファミリーマートがまた燃えている。「お母さん食堂」につづき今度は、新たに発売したプライベートブランドの女性用下着3種類で、色の表記を「はだいろ」としており、社員や加盟店から不適切ではないかとの指摘を受け、回収したという。
「はだいろ」の何が問題だったのだろうか?
文具メーカーが対応したのは20年前
ファミリーマート広報は「再発防止とチェック体制の強化に取り組むとともに、社員教育の徹底をはかる」と答えている。
だが、この件で、またもやネット世論は大盛り上がり。特にヤフコメは7000件以上のコメントがつき、「やっと日本の企業も国際基準になった」と対応を評価する声もあったが、「企業は顧客におもねり過ぎ」「国内で販売するのに何が問題なのかわからない」「言葉狩りって恐ろしいですね」「なんでも差別に結びつけるのはどうかと思う」など、否定的意見が圧倒的多数を占めた。
しかし、この議論は“今更感”が強すぎる。2000年ごろに同じような議論があり、差別につながりかねないことや、国際感情にも配慮し、文具メーカーが対応。ぺんてるが1999年に「肌色」を「ペールオレンジ」に、2000年には三菱鉛筆、サクラクレパス、トンボ鉛筆の大手三社が、色鉛筆や絵の具、クレヨン、マーキングペンなどで「はだいろ」を「うすだいだい」に変更しているのだ。
従って、今回、ファミリーマートのしたことは至極当然のことであり、なんでも言葉狩りといっているほうが思考停止しているのだ。ファミリーマートの社員や加盟店などの内部から「不適切ではないか」と指摘があったことも当然だろう。
何かと鎖国っぽく見られることの多い日本だが、いまや立派な国際社会である。ヤフコメで否定的意見を書き込んだ人は想像してほしい。今日、小学校のクラスに、海外にルーツを持つなどで肌の色が違う子供がいることは珍しくない。図画工作の時間で絵を描くとする。そのとき、従来の肌色のクレヨンが入っていたら、その子供はどう思うだろう。ちょっと想像すればわかることじゃないだろうか。それぞれに言い分はあるとしても、日本人の想像力の欠如を憂う。
Appleも2015年にMac用・iPhone用のOSを共にアップデートし、絵文字アイコンの肌の色を選べるようにしている。
ファミリーマートもどうせ肌色を作るなら、5種類くらい作ったらよかったのではないだろうか。そのほうがきっと話題にもなるだろうし、PR的にも成功しそうなのだが。
最後に、日本的肌色だけでなく、早くからいろんな肌の色のキャラクターを出していた『機動戦士ガンダム』を作った富野由悠季先生はやっぱり偉い。
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