コロナ禍で髭を伸ばし、わかったこと(トリプルファイヤー吉田靖直)

2020.8.7

インスタというのは、大したことがない投稿でもみんなで褒め合うSNSではなかったのか

現在、新型コロナウイルスの感染者数は以前にも増して増えつづけているが、なぜか外出自粛ムードは薄まり、他人に会う機会も多くなっている。そのせいか、一時は髭を伸ばしていた男たちも続々と髭を剃り、元の姿に戻っていった。仕事上剃らなくてはいけなかった人もいるだろうが、髭が似合わないことに自分で気がついたか、誰かに「剃ったほうがいいよ」と言われ泣く泣く髭を剃った人も何割かはいると思う。

私も人に会ったり写真に写ったりしないといけない仕事があった。そのタイミングで髭を剃るべきかとも思ったのだが、まだ自分に髭が似合うのか客観的に確認できていなかった。さすがに伸ばしっぱなしのままでは失礼に当たるだろうと考え、ハサミを使って一定の長さに整えたあと、久しぶりの仕事に向かった。

どんな反応をされるのか少しビビりながらマスクを外したときのリアクションは、「ああ~。吉田さん、髭伸びましたね~」というものだった。似合うとも似合わないとも言われなかったが、どちらかというと似合っていない場合に人が取る反応だとは思った。しかし、ひとりの意見だけではわからないこともある。事実、その後もしつこく髭を生やしつづけたまま生活するなかで、「おお、髭いいじゃん」と言ってくれた友人も何人かいたのだ。私は彼らを信じることにした。

そのまま数カ月を過ごし、もはや髭を意識することも減ってきた先日。告知用に仕事で撮った写真をインスタグラムに上げたところ、告知内容にはほとんど触れられないまま「髭どした笑」「死相が出てる」「コロナで老けたな~」と私の外見に対する否定的なコメントばかりがつづき、「清潔感がない」というメッセージがDMで送られてきた。インスタというのは、大したことがない投稿でもみんなで褒め合うSNSではなかったのか。

https://www.instagram.com/p/CDLgs5Wp9mW/

同じタイミングで、姉からも「あんた、ほんまヒゲ剃ったほうがええで」「清潔感のなさがヤバイ」「麻原感あるんよなー」と連続でLINEが来たがシカトしている。

意固地になっていても仕方がない。そこまで言われたら認めざるを得ない。やはり私は、髭によって見た目が完成するタイプの人間ではなかったのだ。髭のない今までがポテンシャルのすべてで、その先には何もなかったのである。不自然な髭を伸ばしていたって、発言に一目置かれることはないだろう。

正直もういつ髭を剃ってもいいと思っているのだが、批判されてすぐに剃ると「似合うって言われると思ってワクワクしてたのかな(笑)」などと思われたらムカつくので、しばらくの間は意地でも剃らずにいようと考えている。

コロナ禍で髭が板につき、イメチェンを成功させた方に拍手を送りたい。そして、私と同じような思いを経て髭を剃り落としていった同志の方々、コロナが収束しどこかで出会えたら、お互い愚痴を言いながらお酒を酌み交わしましょう。

この記事の画像(全1枚)




関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

関連記事

『髭男爵 山田ルイ53世のルネッサンスラジオ』が秘める可能性――“終わらないラジオ”の魅力とは?

パチンコ屋が存在しない世界は幸せなのか(トリプルファイヤー吉田靖直)

ベボベ小出がトリプルファイヤー吉田の作詞をベタ褒めする理由

エバース

「ウケるからやるは『M-1』では失敗する」。3位だったエバースは2026年、自分の感覚を信じる【よしもと漫才劇場10周年企画】

豪快キャプテン×ダイタク

ダイタク×豪快キャプテン、認め合うお互いの漫才の魅力「簡単そうに笑いを取る」【よしもと漫才劇場10周年企画】

三遊間×ゼロカラン

三遊間×ゼロカラン、人気投票との向き合い方の正解は?「やっぱり有名にならなあかんな」【よしもと漫才劇場10周年企画】

Furui Rihoが『Letters』で綴った“最後の希望”「どんなにつらい日々であっても、愛は忘れたくない」

Furui Rihoが『Letters』で綴った“最後の希望”「どんなにつらい日々であっても、愛は忘れたくない」

EXILE NAOTOが語る、「勝負する身体」がステージと水面で魅せる“攻めの0.1秒”。大きな影響を与えるオーディエンスのパワーとは【『SG第40回グランプリ』特別企画】

4年目の今、重荷だった「王子様」を堂々と名乗れる。Last Princeが語る、プリンスを背負う勇気と楽しさ

甲斐田晴/ローレン・イロアス/3SKMの撮り下ろし表紙を公開! VTuberのトップランナーたちを徹底解剖【春のQJ×にじさんじ祭り!】

ニューヨーク『Quick Japan』vol.181

ニューヨーク、60ページ総力特集「普通は勝てない?」を考える。バックカバーにはSHUNTO×MANATO×RYUHEI(BE:FIRST)が登場【Quick Japan vol.182コンテンツ紹介】