動画クリエイターが「公人」に。2020年はインフルエンサー時代の転換点となるか(UUUM鎌田和樹)

2020.5.8

2020年は「インフルエンサー時代」の転換点になる

緊急事態宣言が発出されてから約1カ月。ワイドショーやバラエティ番組の「リモート出演」も、気づけば当たり前のことのように受け入れている自分がいる。そんななか、ふとスマホに目を移すと、多くのタレントがYouTubeチャンネルを開設したり、インスタグラムで盛んにライブ配信をしたりと、インターネットでの活動に活路を見出している様子を見ることができる。

普段はテレビでしか観られないタレントのプライベートな一面を観ることができるのは貴重だし、うれしい。しかし、すべての芸能人がYouTubeチャンネルで登録者を伸ばせるかというと、必ずしもそうとはいえないのではないかと考えている。YouTubeは有名だからといって成功する世界ではないのだ。

テレビとYouTubeの決定的な違いは、製作に携わる人間の「数」にある。テレビは大人数のチームを組む一方で、YouTubeはカメラマンもひとりかふたり。一部の芸能人のチャンネルにしか構成作家がつかないため、ほぼ自分で企画を考え、チャンネルの世界観を決め、編集し……と、動画制作のほとんどのフローにタレント自身が携わる必要がある。

テレビ番組という決められたフォーマットの中で「タレントを演じる」だけでは、なかなかYouTubeでファンを集めることは難しい。もちろんメリットが大きいタレントも多いだろうが、デメリットになってしまうタレントも多いはずだ。

2019年から2020年は「誰でもYouTubeを始めてみる」時代だった。しかし、この1年で自身がYouTuberとしての活動が向いているか否かを、前例を見て、さまざまな芸能人が判断していくこととなる。UUUMは4月に吉本興業との提携を発表したが、動画投稿に慣れない芸人さんに対し、「YouTuber」として人気を得るためのノウハウを還流していくつもりだ。

視聴者のみなさんは、これからの「タレントとYouTubeとの関係性」に注視してみてもおもしろいのではないだろうか。

この記事が掲載されているカテゴリ

鎌田和樹

Written by

鎌田和樹(UUUM株式会社・代表取締役)

(かまだ・かずき)1983年東京都生まれ。起業家である孫泰蔵氏の薫陶を受けて起業を決意、人気YouTuber・HIKAKIN(ヒカキン)との出会いをきっかけに、2013年ON SALE(現UUUM)を設立し、社長就任。2017年にUUUMを東証マザーズ上場に導く。2022年6月1日付で代表取締役 会..

ツートライブ×アイロンヘッド

ツートライブ×アイロンヘッド「全力でぶつかりたいと思われる先輩に」変わらないファイトスタイルと先輩としての覚悟【よしもと漫才劇場10周年企画】

例えば炎×金魚番長

なにかとオーバーしがちな例えば炎×金魚番長が語る、尊敬とナメてる部分【よしもと漫才劇場10周年企画】

ミキ

ミキが見つけた一生かけて挑める芸「漫才だったら千鳥やかまいたちにも勝てる」【よしもと漫才劇場10周年企画】

よしもと芸人総勢50組が万博記念公園に集結!4時間半の『マンゲキ夏祭り2025』をレポート【よしもと漫才劇場10周年企画】

九条ジョー舞台『SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記

九条ジョー舞台『SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記「猛暑日のウルトラライトダウン」【前編】

九条ジョー舞台『SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記

九条ジョー舞台『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記「小さい傘の喩えがなくなるまで」【後編】

「“瞳の中のセンター”でありたい」SKE48西井美桜が明かす“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】

「悔しい気持ちはガソリン」「特徴的すぎるからこそ、個性」SKE48熊崎晴香&坂本真凛が語る“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】

「優しい姫」と「童顔だけど中身は大人」のふたり。SKE48野村実代&原 優寧の“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】

話題沸騰のにじさんじ発バーチャル・バンド「2時だとか」表紙解禁!『Quick Japan』60ページ徹底特集

TBSアナウンサー・田村真子の1stフォトエッセイ発売決定!「20代までの私の人生の記録」