神保町よしもと漫才劇場に所属するお笑い芸人に自身の“出囃子”について聞く連載「大舞台で響かせたい」。今回は軟水が登場。
ふたりの空気感が伝わる出囃子を決めたときのエピソードから、今年の『キングオブコント』の話。さらに、つるまるが所属する板橋ハウスの人気についてなど神保町劇場の実力派コント師として知られるふたりに気になるあれこれを聞いた。
軟水
大川内聡(おおかわうち・さとし/1994年1月7日、高知県出身)、つるまる(1993年6月22日、大阪府出身)によるコンビ。NSC大阪校35期で出会い、コンビを結成。その後トリオを経て、再びNSC東京校に22期生として入学。つるまるは板橋でルームシェアをする3人組によるYouTubeチャンネル『板橋ハウス』としても活動している。
軟水の出囃子 w.o.d.「踊る阿呆に見る阿呆」
──なぜこの曲を出囃子にされたんですか。
大川内聡(以下、大川内) 確か2年前くらいの単独のときに決めるってなったんですけど、僕はあんまり曲とかに詳しくなくて。でも、こいつが言ってくる曲も全部嫌やったんですよ。
つるまる (笑)。え、どんなの言ってた?
大川内 ケツメイシとかRIP SLYMEとか。
つるまる 全然いいやん。
大川内 でも、単独で使う曲としては、とにかく嫌やったんで、とりあえずふたりでいろいろ曲聴いてみるかってなって、YouTubeでいろんな曲を聴きまくりました。最初は適当に曲を流して、そこから関連で出てくる曲をどんどん聴いていって、その中でこの人の曲かっこええなってなったのがw.o.d.さんだったんですよ。それで今度はw.o.d.さんの曲をどんどん聴いていって、この曲がいいなってなったので決めました。
──おふたり共、もともとw.o.d.さんやこの曲に思い入れがあったわけではないんですか?
大川内 そうですね。ほんま申し訳ないですけど、全然知らなかったです(笑)。でも、初めて聴いたときは電撃が走りましたね。
つるまる そんなによかったんや(笑)。確か僕はそんなに納得いってなかったんですけど、とりあえずこれでいくか~って感じで決めた記憶があります。もう期限近いからみたいな(笑)。僕らコンビ名もそんな感じで決めたんですよ。締め切りが迫ってるからとりあえず「軟水」でいいかって。結局ずっと使ってますけど。
大川内 僕が「軟水」って言いました。なんとなくで。
つるまる しっくりきてなかったんですけど、もう決定しなきゃだったんで、まあいいかと思って。今でも「軟水」ってなんなん?とは思ってます(笑)。
──今でもですか(笑)。コンビ名は難しいかもしれないですが、出囃子ならすぐに変えられそうですけど……ずっとこの曲ですか?
つるまる そうですね。初めて自分たちの出囃子を使えるってなったときから、ずっとですね。神保町所属になったくらいのときからです。でも、まあいいかなと(笑)。
違いを見せつけられた『キングオブコント』
──今年の『キングオブコント』では、惜しくも準々決勝で敗退となりましたが、振り返ってみて今回の結果はいかがでしたか?
大川内 これまでの中で一番、準備はできたんですけど……。なんか、これ言うとみんな「?」みたいな顔するんですけど、中3とケンカした中1みたいな感じでした。
つるまる 確かにまわりに中3がいっぱいいました。
──おふたりを中1としたらまわりは中3くらい強かった、ということですか?
大川内 戦い方は一緒なのに強いというか、なんか骨格がまるで違いました。なんてたとえたらいいんだろう……。僕らは早生まれみたいな感じでした。
つるまる なんやそれ。
──なんとなく言いたいことは伝わります(笑)。
大川内 準々決勝が僕らななまがりさんとかニッポンの社長さんとかジャンポケ(ジャングルポケット)さんと一緒のブロックだったんですけど、まわりがいかつ過ぎて。そこで体感しましたね。俺ら早生まれなんだって。
つるまる とにかく強かったです。これ、勝てることあるん?って思いました。
大川内 強いとかでもないよな。
つるまる いずれ僕らも中3になれるん?みたいな。
──『M-1グランプリ』も始まりましたが、やはり現在のおふたりの主戦場はコントでしょうか。
つるまる コントですね。でも、初舞台では漫才やったんですよ。だけどそのとき、めっちゃスベって。次会ったときにはもうコントの話してましたね。
大川内 そのときすぐ漫才は向いてないなって思いました。なんか、噓ついてる感が違うなと思ったんですよね~。めっちゃ練習して舞台立つのに、今思いついたかのようにしゃべり出すじゃないですか。そういうもんなんですけど、なんか知らんふりするのが恥ずかしくて。
つるまる なんて言うか知ってるのに「え?」とか言ってな。
大川内 そうそう。まあ、今年も『M-1』は出てるし、漫才もやっていかないとなとは思うんですけどね。
板橋ハウス内の格差?
──『M-1』、そして来年の『キングオブコント』に向けて、今月からは新ネタを披露する主催ライブ『4本4万ライブ』も再開されますね。板橋ハウスの人気によって、主催ライブに来るお客さんも増えたんじゃないでしょうか。
大川内 ……どうですかね(笑)。正直、僕らはそうでもないんですよ。
つるまる 正直、そうですね(笑)。
大川内 ピュートとめぞんはだいぶ変わったと思いますよ。
つるまる ふた組が主催するライブはすぐ完売するんですけど、僕らは5、6割とかで(笑)。全然いいんですけど、板橋ハウスのわっかと軟水のわっかは重なる部分がないのかもしれないです。……なんで(笑)?
──なんで、と言われても……(笑)。
つるまる 板橋ハウス宛てに大きい段ボールで荷物が届いたことがあって、やったー!と思いながら開けたんですけど、吉野さん、竹内さん、大川内さんへって書いてありました。あれはびっくりしましたね。
──普段から動画を観てくれてる方からなんですよね……(笑)?
大川内 たぶん、板橋ハウスの中だと吉野と竹内は中3なんですよ。
つるまる 誰がやねん(笑)俺がエースやぞ!
──でも、板橋ハウスさんだけでなく、今の神保町だと22期の方々皆さん人気で、ライブのチケットが取りづらいイメージあります。
大川内 そうですかね? ほかに人気なのはナイチンゲールダンスくらいじゃないですか?
つるまる めぞん、ピュート、ナイチンの3組の人気はすごいですよ。特に(ナイチンゲールダンス)ヤス主催のライブとか、なんか異様な感じですもん(笑)。
大川内 ナイチンと『ツギクル芸人グランプリ』に出てたツンツクツン万博がこの間、サプライズでライブに出たんですけど、出てきただけで「うわー!!!!!」みたいな。『ピッツァマン』やり出したときなんか、そんなことなる?ってくらい盛り上がってて。
つるまる 相葉(雅紀)くんでも来たのかと思うくらいだったよな。
大川内 いや、相葉くんよりやったよ(笑)。タフガイもびっくりしちゃってましたもん。
つるまる すごかったよな(笑)。僕らはそのあたりのコンビの人気とはちょっと違う感じがします(笑)。
自分たちのやりたいことを突き通す
──今は劇場での出番が中心かと思いますが、今後やってみたい仕事はありますか。
つるまる なんやろ。でも僕らまだテレビは『あらびき団』(TBS)しか出たことがないんですよ。だから、『あらびき団』と一緒に売れていきたいですね。
大川内 たぶん、僕らのネタはコンプラに違反してるんでしょうね。さすがにおかしいだろと思うくらい呼ばれないんで(笑)。今ってめっちゃ厳しいらしいじゃないですか。なのに『あらびき団』だけは配信も入れたら6回くらい呼んでくれてるんで、本当にありがたいです。ほかのネタ番組に出してもらうには、『キングオブコント』とかで決勝出ないと無理なんじゃないかなと思います。
──コンプラに合わせようとは……?
大川内 この間もオーディションで暴力はダメかもってなったんで、前日まではネタ変えるかって話してたんですよ。でもなんか変えてなかったよな。
つるまる 「変えよっかな~」とか言ってたんですけど、当日、「どうする?」って聞いたら「全然殴るよ」って言われて(笑)。結局、そのままやりましたね。
大川内 でも、ちゃんと結果出してる方はテレビでも好きなネタやってるんじゃないですか。だから、もうそうなるしかないですね。
つるまる 僕らも中3になれるようがんばります。
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