BE:FIRST、Snow Manなどの振り付けも手がけたs**t kingzが語る“踊れて当たり前“の時代「ダンサーはどう勝てばいいのか?」

2022.9.12
s**t kingz

文=新 亜希子 撮影=須田卓馬 編集=梅山織愛


4人組ダンスパフォーマンスグループs**t kingz。ダンサーとして単独公演を全国で開催するなど自ら舞台に立つ一方で、国内外を問わず多数のアーティストのコレオグラフや演出も担当している。

長年、“ダンス”と多角的に向き合いつづけている彼らは、昨今のJ-POPにおけるダンスのトレンドをどう捉えているのだろうか。s**t kingzが「ダンス」を語る。

s**t kingz
shoji、kazuki、NOPPO、Oguriの4人で構成されるダンスパフォーマンスグループ。アメリカ最大のダンスコンテスト『BODY ROCK』では、2010年、2011年と連続優勝。多数のアーティストのバックダンサーを務め、三浦大知やBIGBANGなどと共演。さらにそれぞれがAAA、SMAP、BE:FIRST、超特急など多数のアーティストの振り付けも手がけている。


ダンスの在り方に大きな影響を与えたK‐POP

──07年に結成し15年が経ちましたが、J-POPにおけるダンスの役割に変化を感じますか。

kazuki 実力が本当に大事になってきていると感じますね。僕らが育った世代でいうと、DA PUMPやSPEEDくらい踊れる存在は本当に稀でしたけど、今は踊れることなんて当たり前の時代。歌を含め「どれだけすごいパフォーマンスができるか」が重視されていますよね。その背景には、やはりK‐POPの影響が大きく関わっていると思います。

s**t kingz
kazuki(カズキ)1986年9月24日生まれ

──K‐POPの影響を感じ始めたのはいつごろですか?

Oguri 最初はBIGBANGですかね。彼らが日本デビューするころにバックで踊っていたんですけど、LAのダンサーが韓国に振り付けをしに来ていたんですよ。あのころ、韓国アーティストというとBoAちゃんや東方神起はいたけど、彼らは当時「日本語で歌う“アーティスト”」という印象が強かったし、K-POPという言葉もまだなじみがない時代だったんです。そんななかで、LAのダンサーが飛行機に乗って韓国まで行くのか!とびっくりして。だから僕らにオファーが来たときには「ついに韓国に振り付けしに行けるぞ!」と思いました。

s**t kingz
Oguri(オグリ)1987年1月6日生まれ

──当時は、韓国に振り付けをしに行くことがひとつのステイタスだったんですか?

shoji すごい振付師がたくさん関わっていましたから、ダンサーの中では目玉でしたね。ただ世間においてK-POPが一気に勢いづいたのは、もっとあとのこと。2~3年後になって「s**t kingzってK‐POPの振り付けもしてるんだ、すごいな」みたいな反響がありました。

kazuki 当時は、KARAのヒップダンスや少女時代の美脚ダンスのような「〇〇ダンス」が多かった時代で、思えばダンスのトレンドは生まれていた気がしますね。俺らが初めてEXOの振り付けをしたときにもポケットダンスという要素を入れたんですけど(12年『History』)、そういうキャッチ―なものが必要な時代だったんですよ。

shoji 「今回、〇〇ダンスと呼べる振り付けはありますか? 欲しいです」という話があって、韓国で振りを作り直したんです。

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shojii(ショージ)1984年10月20日生まれ

ファンが振付師を求める時代

──さらにここ数年は、「誰が振りを付けたのか」に注目が集まるようになりましたよね。振付師の名前がドーンと出る。そこも変化だと感じます。

shoji 「振り付けは誰々がいい」とファンの方から希望が出る、ファンの方が振付師の選択肢を持っているというのは、すごい変化だと思いますね。興味の持ち方が深いというか。もちろん、モーニング娘。を担当している夏まゆみさんや、AKB48に「おにぎりダンス」を作ったパパイヤ鈴木さんのように、振付師が話題になることはこれまでにも定期的にあったんです。とはいえ多くの場合、振り付け自体が話題になることはあっても、誰が振り付けたのかまで知られることはなかった。今はSNSが普及して、振付師自らインフォメーションできるようになったので、その影響も大きいと思います。

──特に反響を感じた機会は?

shoji 僕は櫻坂46ですね。「この振り付けはshojiさんじゃないか?」ってファンの方が気づいてくれたんです。彼女たちへの振り付けは2度目だったんですが、ニュアンスや構成の作り方で僕だと気づいてもらえたこと、喜んでもらえたことがうれしくてもう、「ありがとう〜」って。

NOPPO 僕は、BE:FIRSTとSnow Manですかね。最近、YouTubeにダンスの考察動画が出るじゃないですか? BE:FIRST自体がトレンディなチームですから、そうした場所で振り付けに注目してもらえる機会が多くて、広がりを感じました。Snow Manは……バズるってこういうことを言うんだなって(笑)。

shoji 振付師の名前までトレンド入りすることって、まずなかったもんね。

NOPPO 最近は、そうした考察動画が増えた影響もあって、見る側の人の知識が増えている気がします。サッカーや野球とまではいかないけど、ダンスが「なんとなくわかる」ものになってきている感じ。「大谷翔平ってすごい人なんでしょ?」くらいのものかもしれないけど、すごいものはすごいとわかる。ダンスがそういうものになってきている感覚がありますね。

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NOPPO(ノッポ)1986年8月19日生まれ

──最近、目を引いたアーティストはいますか?

shoji 「うまいなぁ」と思う人は本当にいっぱいいるんですけど、いかんせん僕たちは一番最初に三浦大知と仕事をしてしまっているから……。すごい人と最初にやっちゃったんですよね。いつ会っても三浦大知はすごい。会うたびに「やっぱこの人すげーわ」って思いますね。

kazuki 一緒にお仕事はしていないんですけど、Snow Manのラウールくんはすごいなって思います。ファッションショーでひとりで踊っているのを見たんですけど、美的センスみたいなものがずば抜けてますよね。持ち前のスタイルのよさや身体の柔らかさ、独特の腰の位置に、すごく繊細なコントロールを利かせることであの質感を出せている。

Snow Manで踊っているのを見ても、ひとりだけ踊りの質感がとても不思議なんです。「ブラザービート」の“シェー”みたいな、おもしろい振りでも「かっこよ!」って思いました。ただダンスがうまいというのとは違う、魅力のあるパフォーマンスをする人。まねしたくてもできない。

shoji 大人になったら、さらにセクシーになるだろうね。

kazuki そう思う。マイケル・ジャクソンとは違うんだけど、そういう色気がすごくあるなと思って見ています。


ダンス+αが求められる時代

──アイドルと呼ばれる方々のダンスレベルが上がっていることを、プロのダンサーである皆さんはどう捉えていますか。

NOPPO 振付師目線でいうと武器になりますよね。「ラウールだったら、このフレーズを使うとめちゃくちゃいいな」とか考えますし。

Oguri でも、まったく関係ないところでうまい人を見ると、少しジェラシーはある。

kazuki Oguriは大知にジェラシー感じてたもんな、出会う前。

Oguri そう。小学生のころね。ダンスもまだやってないのに(笑)。

NOPPO でもダンサーには、脅威だと思っていてほしい。ただでさえ活動の幅がいっぱいあって大変なアイドルの皆さんがそれだけダンスをがんばっているんだから、ダンス100%で勝負するダンサーはもっとがんばらないといけないと思うし。

kazuki 今、ダンサーとアーティストの境目がなくなってきていると思うんですよ。ダンスの生徒だった子がアーティストとしてデビューすることも多いんです。俺らがダンスを始めたころは、ダンサーの先にアーティストを目指す思考ってほぼなかったですけど、今はアーティスト志望でダンスをやってる子がいっぱいいるんですよね。そういう子は、ルックスもいい、ダンスもうまい、もしかしたら歌もうまい。そうなったときダンサーはいったい、何で勝てるんだ?とは考えますよね。

NOPPO だからこそ、若いダンサーは「いろいろやらなきゃ」という思考になっているように思います。映像とダンスをかけ合わせたり、クルーを作って活動したり。ダンス+αとして何か、という思考のダンサーがすごく増えてきていますね。

Oguri 僕らも「すげーな」って思わせることをしていきたいですね。規模の大きい、インパクトのあることがしたい。作品とか舞台を超えて、テレビなのか映画なのか、はたまた専用劇場を作っちゃうとかね。

インタビュー後編はコチラ

s**t kingzが挑戦する“おもしろい”と“エンターテイナーとしての責任”を両立した新作舞台

『HELLO ROOMIES!!!』

『HELLO ROOMIES!!!』

◆東京
日程:2022年9月14日(水)~9月19日(月・祝)
会場:新国立劇場 中劇場

◆大阪
日程:2022年11月10日(木)~11月13日(日)
会場:森ノ宮ピロティホール

◆愛知
日程:2022年11月18日(金)~11月20日(日)
会場:日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

【STORY】
映画監督になることを夢見るA子は、チャンスに恵まれず悶々とする日々を過ごしていた。
思いどおりに行かない人生、何もできずに過ぎていく時間。
日々積み重なる複雑な思いが、A子の心に“ゴミ”として溜まっていく。
すると、彼女の部屋もまた、ゴミであふれていくのだった。
そんなある日、A子に映画監督としてデビューするチャンスが舞い込むが……
何を選び、心のゴミとどう向き合っていくのか。
A子とゴミたち、そして癖の強い仲間たちが繰り広げる、超踊る喜劇!!!

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    日程:2022年9月14日(水)~9月19日(月・祝)
    会場:新国立劇場 中劇場

    ◆大阪
    日程:2022年11月10日(木)~11月13日(日)
    会場:森ノ宮ピロティホール

    ◆愛知
    日程:2022年11月18日(金)~11月20日(日)
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    【STORY】
    映画監督になることを夢見るA子は、チャンスに恵まれず悶々とする日々を過ごしていた。
    思いどおりに行かない人生、何もできずに過ぎていく時間。
    日々積み重なる複雑な思いが、A子の心に“ゴミ”として溜まっていく。
    すると、彼女の部屋もまた、ゴミであふれていくのだった。
    そんなある日、A子に映画監督としてデビューするチャンスが舞い込むが……
    何を選び、心のゴミとどう向き合っていくのか。
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新 亜希子

Written by

新 亜希子

(しん・あきこ)エンタメ系ライター。音楽・アイドル・映画を中心に、インタビューやレポート、コラムやレビューを執筆。『シネマトゥデイ』『リアルサウンド』『日経エンタテインメント!』ほか。

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