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有吉弘行は「愛」である。『有吉ベース』プロデューサーが語る「有吉さんのツッコミに何度も救われた」6年半のこと<FOD『有吉ベース』特別企画>

2022.8.15
有吉弘行は「愛」である。『有吉ベース』プロデューサーが語る「有吉さんのツッコみに何度も救われた」6年半のこと<FOD『有吉ベース』特別企画>

文=鈴木 工 撮影=石垣星児 編集=田島太陽


月曜日から日曜日まで全曜日に冠番組を持つほど世間に愛されるお笑い芸人、有吉弘行。その人気の理由はどこにあるのか? FODで独占配信されている『有吉ベース』のプロデューサー・下川猛氏に、有吉弘行のおもしろさと魅力を聞いた。出てきたキーワードは「愛」だった。

【『有吉ベース』とは?】
有吉弘行が秘密基地(=有吉ベース)で「企画開発」と「若手育成」を行うバラエティ番組。2016年1月にスタートし、現在まで170本以上をFODで独占配信中。

有吉の意向で始まった「後輩育成番組」

下川猛プロデューサー
下川 猛(しもかわ・たけし)広告会社でアニメや映画などのプロデューサーを経て、2007年にフジテレビ入社。『ホンマでっか!?TV』『アウト×デラックス』『SMAP×SMAP』『もしもツアーズ』などの編成を担当。2014年からFODオリジナルコンテンツを担当し、民放公式アプリ「TVer」の立ち上げ、Netflix共同製作コンテンツ『テラスハウス』『あいのり』などを手がける。現在は、編成ビジネスセンターで企画開発担当。

『有吉ベース』はどんな経緯で始まったのでしょうか?

2015年の秋か冬ごろ、有吉さんのマネージャーから「有吉さんと一緒に事務所の若手を育成する番組をやりたい」とお話をいただきました。それで当時の「フジテレビオンデマンド」現在のFODで始めることになりました。
とはいえ当時は「本当にここで大丈夫ですか?」と確認するほど小さなサービスだったので、実現したときは驚きでした。

そういう経緯でしたので、「有吉さんのやりたいことを純粋にやる秘密基地」というコンセプトはすぐに決まりましたね。有吉さんのやりたいことを確認するためにも、収録のネタは本人に事前チェックしてもらっています。制作サイドから「次回はこれをやりたい」と伝えて、キャッチボールがあり、結果としてボツになることもあります。
 
最初から「長くつづけたい」と言われていて、結果6年半もつづいて、なんとか約束が守れたのはよかったですね。地上波だと視聴率が悪いとすぐに終わってしまいますが、FODであればその縛りはないので。

番組への愛が強いんですね。

そのとおりですね。正確には、後輩への愛かもしれません。この番組は収録後に、有吉さんが出演者やスタッフと食事に行くことがとても多かったんです。ほかの番組ではあまりないことのようですね。コロナ以降はほとんどなくなってしまったのがさびしいですけど……。特に上島竜兵さんとは、スペシャル回の収録後には必ず行っていたと思います。
 
ご一緒すると、後輩のことを本当にかわいがっているのがよくわかります。正直、私も最初はちょっと意地悪な人なのかなと思っていたんです(笑)。でも本当に、めっちゃいい人なんですよ。

「いい人」というのは、具体的にどのようなことでしょう?

『有吉ベース』の基本って、愛でしかないんですよね。後輩に対して「もっとできるだろう」「もう一歩ムリすると、もっとおもしろいことが起こるよ」をひたすら繰り返している。

ただ、その愛の表現が厳しくなることもあって、やられる側は「たまらない!」と思うこともあるかもしれませんけど、でも後輩への思いがなければ、わざわざこんな番組始めようなんて言わないですから。

「有吉さんの言葉がないとお蔵入り」だった数々のシーン

さきほどお話が出た上島さんといえば、「生前葬」を配信しつづけていることに、番組の矜持を感じました。

#150「上島葬」~芸人としては死んでしまった上島竜兵のお葬式をやってみたSP~
#150「上島葬」~芸人としては死んでしまった上島竜兵のお葬式をやってみたSP~

あの企画自体は、有吉さん、上島さんと相談して、還暦なのでやってみた企画でした。でも上島さんが亡くなられたあと、いろいろな方から指摘され、配信を止めようかどうか迷ったんです。

それで、あの企画がイジメに見えないか、上島さんがつらそうじゃないか、もう一度冷静に視聴し直しました。そこで改めて、自分には、収録の立ち合いの際にも感じていた、イジメでもないし、上島さんに失礼を働いているわけでもない、さらに上島さんは最後の弟子と言われる福島(敏貴)くん(ストレッチーズ)を一生懸命に育てようとしていたので、配信を止めるほうが失礼な気がしました。

とはいえ、有吉さん本人の意向が大事なので、「配信を停止したほうがよければお知らせください」と事務所に伝えたら、ストップがかかりませんでした。

番組が始まってからの6年半で、有吉さん自身の変化はありますか?

最初の3年間ぐらいは、自分も体を張る現役選手、かつ監督みたいな感じでしたね。とにかく厳しかった。今は監督に専念していますよね。有吉さんは選手としてもまだまだやれるわけですから、どうリアクションすればおもしろくなるのか誰よりもわかっている。だから後輩にも厳しく指導できるんでしょうね。
 
有吉さんって今は少し痩せて、すごいスタイリッシュじゃないですか。今回の取材のために2016年の#1を改めて見てみたら、ちょっとふっくらして、まだトガった雰囲気なんですよ。

それがだんだん洗練されて、雰囲気も丸くなってきて。僕もそうなんですけど、年を重ねると後輩を育てようと思い始めるんでしょうね。やっぱり愛の人だと思います。

記念すべき初回の冒頭。「『タモリ倶楽部』っぽすぎません?」と笑う有吉 (#1「まず若手芸人を知らないので倉庫脱出大喜利で様子見」より)
記念すべき初回の冒頭。「『タモリ倶楽部』っぽ過ぎません?」と笑う有吉 (#1「まず若手芸人を知らないので倉庫脱出大喜利で様子見」より)

最後に、番組で感じる有吉さんのすごさを教えてください。

若手芸人って加減を知らないから、放送できないことも必死でやっちゃうんですよ。そこに、的確なツッコミを入れて救ってくれる手腕がすごいです。

ただのイジメに見えちゃうところを「そこまでやったらイジメになるだろ!」と叱ってくれたり、血が出たら「そうなったらダメなんだよ!」とツッコんでくれたり。そのひと言のおかげで打ち消されて、オンエアできるんですよね。

有吉さんの言葉がないとお蔵入りになったシーンがたくさんありますよ。本当に有吉さんの愛のツッコミでこの番組は救われていますね。

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鈴木 工

(すずき・たくみ)ライター。雑誌『プレジデント』、『芸人芸人芸人』など、芸人関係からビジネスまで執筆する。

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