Travis Japan松田元太が語る、悔し涙を流しながら挑んだ映画初主演「帰る場所があるからがんばれる」
ジャニーズJr.内のユニット「Travis Japan(トラビス ジャパン)」のメンバーとして活動しながら、個人としても活躍の幅を広げる松田元太。2月18日公開の『君が落とした青空』では、スクリーンデビュー作ながら初主演を飾っている。
交通事故に遭った彼を救うため、福本莉子が演じるヒロイン・水野実結がタイムリープを繰り返し、未来を変えようとする本作。松田は、不器用ながらも実結を一途に思う篠原修弥を演じた。
Travis Japanではボケに徹して盛り上げ担当でもある松田だが、今回の撮影では人知れず涙を流すこともあったという。体当たりで挑戦した映画での葛藤、そして松田が目指す俳優像などについて語ってもらった。
松田元太
(まつだ・げんた)1999年4月19日生まれ、埼玉県出身。2012年に結成されたジャニーズJr.内のグループTravis Japanに2017年に加入。グループでの主演舞台『虎者ーNINJAPANー』を3年連続上演。個人としては『お兄ちゃん、ガチャ』(2015年、日本テレビ)、『監察医 朝顔 第2シリーズ』(2020年、フジテレビ)、『だから殺せなかった』(2022年、WOWOW)などのテレビドラマに出演。特技はサッカー、時代殺陣、乗馬。
滝沢社長への涙の電話
──『君が落とした青空』は初主演作となりますが、出演が決まったときの心境を教えてください。
松田 プレッシャーというか不安が大きかったんですけど、すごく楽しみでした。いろんな経験をこれからできるんだなって。
──Travis Japanのメンバーからは、どんな反応がありましたか?
松田 「え、やばっ」って言われました(笑)。ちゃか(宮近海斗)と松倉(海斗)と3人でパスタを食べてたら、偉いマネージャーに呼び出されて。「あれ? なんかやった?」と思ったんですけど、「(映画出演が)決まったから」って紙をもらって。それでふたりのところに戻って、「見て」ってその紙を見せたら「やばっ」って言われました(笑)。
──メンバーの皆さんも映画やドラマでそれぞれ活躍されていますが、撮影に挑むにあたって相談はされましたか?
松田 してないですね。今回はなるべく自分で解決しようっていうトライをしていたので。だけどトライしてみた結果、考え過ぎてわかんなくなっちゃって、滝沢君(滝沢秀明)に泣きながら電話しました。
──何に対する涙だったんですか?
松田 現場では自分が一番(演技が)できないから……悔しくて。できない自分に悔しいのもあるし、なんでそんなにできなかったんだろうってネガティブな気持ちになっちゃって。現場ではオンで入れたけど、家に帰ってオフになると泣いていました。
──滝沢さんからは電話で、どんなアドバイスをもらいましたか?
松田 「考え過ぎず自分が今、持ってるものを出して精進してください」って背中を押してくれたので、ちょっと楽になりました。
──演技は難しかったですか?
松田 難しいですね……。でも、難しい何かに向き合って、それをちょっとずつ理解して、飲み込んで、自分のものにしていくときは楽しかったです。
──主演舞台『虎者ーNINJAPANー』など、これまで舞台での演技は何度か経験されてきたと思うのですが、カメラの前だと何か違うものを感じましたか?
松田 見せ方とか声の出し方とか詳しくはわからないんですけど、心の中から感じたものが出てくる感じは一緒なんだと思います。
自分の内にあるもので挑戦
──作中で実結のことを一途に思う修弥の姿が、ファンの方への感謝を忘れない松田さん自身と似ているなと感じたのですが、松田さん自身は修弥と共通しているなと思う部分はありましたか?
松田 自分もまっすぐ生きたいと思っているので、何事もまっすぐ受け止めるところは似ているかな。あとは、言いたいけど言えないところとかも共通していますね。修弥は恋愛面で鈍感だったり、ハッキリ言い切れないところがあるけど、僕はメンバーのセトリ決めの会議とかでなかなか発言できなくて。でも、僕は(恋愛面では)ズバッと言いたいです!
──そんな修弥の魅力を教えてください。
松田 車とぶつかった実結を抱きかかえる『セカチュー』(『世界の中心で、愛をさけぶ』)みたいなシーンとか、実結が病室で手紙を読んでいるシーンには修弥という人物の温かさがにじみ出ています。
──修弥を演じるにあたって、どのように役作りをされましたか?
松田 修弥に対して、なんか共感できるなと思う部分があったので、自分の持っているものや感じたものでやってみようと思ったので、あえて青春系の映画は観なかったし、原作も目を通しただけです。
──実結を見つめるシーンなど表情で魅せる演技がすごく繊細だと感じましたが、セリフのないシーンは演じてみていかがでしたか?
松田 実結と廊下で話すシーンや、実結が友達とお弁当を食べてる姿を見て、修弥が切ないなって感じたときの表情は難しかったです。でも難しさもありましたけど、素直に全部出せたなって思います。ただ、いつも僕自身が穏やかじゃないんで、穏やかな表情の修弥は、いつもと違う表情筋を使いました(笑)。
──映画では雨のシーンが印象的に描かれていますが、撮影はかなり大変だったのではないかと思ったのですが……。
松田 「こんな寒いっけ」って(笑)。でも、そのときは莉子ちゃんと「マジがんばろう。これが終わったら温かいストーブが待ってるから!」って言いながら乗り切りました。トラックがギリギリまで攻めてくるシーンも、体感として「死ぬわ!?」って思うくらいリアルに感じましたね。
──実結のタイムリープによって同じシチュエーションを繰り返し撮影されていたと思うのですが、そのあたりは難しかったですか?
松田 時間軸がワケわからなくなりました。撮る順番とかもバラバラだったので、「今、何回目だっけ?」って。でも、そこまで修弥は変わらないので、実結を演じた莉子ちゃんが一番大変だったと思います。
──もし、松田さんがタイムリープできるならいつに戻りたいですか?
松田 高校生ですね。数学をちゃんと勉強しておけばよかったなと……。コンビニとかでも小銭の計算できなくて、いつも財布がパンパンになっちゃうんです(笑)。だから、そのために数学を勉強したいです。
──今回のストーリーから学んだことはありますか?
松田 同じ一日はないし、当たり前な日常というものもない。些細なことで何かが変わったり、自分が何かすることで相手の気持ちが変わったり。当たり前のことがすごく大事で、一日一日を大事に生きれば大丈夫、ということを学びました。
関連記事
-
-
サバ番出演、K-POPへの憧れ、両親へのプレゼン…それぞれの道を歩んだ5人が、新ガールズグループ・UN1CONになるまで
UN1CON「A.R.T.」:PR