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カンニング竹山「まだまだ売れたい」“口外厳禁”なテレビ局『TAKEFLIX』をつづける理由

カンニング竹山

文=安里和哲 撮影=須田卓馬 編集=高橋千里


今年50歳を迎え、今なお血気盛んな芸人・カンニング竹山。

ワイドショーのコメンテーターとしての印象も強いが、彼は今、オンラインサロンにも注力している。その名も『TAKEFLIX』。彼はサロンで番組を作り、配信しているのだ。

特にトーク番組『竹山報道局』には、とんねるずや太田光、加藤浩次やピエール瀧などビッグネームが多数ゲスト出演。メンバー数450人のサロンになぜ、大物はやってくるのか。

テレビというビッグメディアと、数百人のスモールメディアを軽やかに行き来する竹山が語る、2020年代のメディア戦略とは。

オンラインサロンではなく、テレビ局。カンニング竹山が『TAKEFLIX』を始めたワケ

──竹山さんはなぜ、CAMPFIREコミュニティでオンラインサロン『TAKEFLIX』を始めたんですか?

カンニング竹山(以下:竹山) 定期的にトークライブをやりたいっていうのがスタートなんです。月1でトークライブをする方法を模索したとき、オンラインサロンという手段を見つけたので、利用させてもらっただけというか。オンラインサロンっていうと、人はどうしても意識高い感じか、ファンクラブ的なものを想像するでしょうけど、僕のところは違うんですよね。

自分の会社で会員を募ってお金を集めたら、経理の人とか雇わないといけなくなるけど、オンラインサロンという仕組みを利用すれば、全部やってもらえる……。「こりゃいいな」と思ったわけです。

あと、CAMPFIREコミュニティは手数料が売り上げの10%で、かなり良心的なんですよ。もともと知ってる会社という安心感もあったし、対応も早くて丁寧だったので、すぐ決めましたね。

カンニング竹山
カンニング竹山 (かんにんぐ・たけやま)芸人。1971年、福岡県生まれ。1992年にお笑いコンビ「カンニング」を結成。2004年に「キレ芸」でブレイクし、2006年に相方の中島忠幸を亡くしたあと、 「カンニング竹山」としてピンで活躍。ワイドショーやバラエティ番組などで幅広く活躍する一方、2008年より開催している単独ライブ『放送禁止』をライフワークとしている

──コロナ禍での開設でした。

竹山 そうですね。ただ劇場を借りて毎月トークライブするのもありきたりでおもしろくないし、コロナでお客さんを集めるのも難しくて、だったら配信だな、と。テレビ業界の仲間と一緒に配信番組を作ろうということになりました。

アメリカのトークショーみたいなイメージですよね。『竹山報道局』と名乗って、毎月ゲストを呼んで、Facebook配信で、クローズドでディープなトーク番組をやってみたんです。

──そのゲストが、とんねるずのおふたりや、太田光(爆笑問題)さん、東野幸治さん、加藤浩次さんなど、そうそうたる顔ぶれです。

竹山 ありがたいことに、みなさんおもしろがって出てくれるんです。ウチは制作費もほとんどないから、「ギャラは払えないんで、代わりにドンペリ飲みながら話しましょう」って直接オファーすると、意外と笑って承諾してくれて。みなさん普通にオファーしたら、とんでもないギャラになりますよ(笑)。

会費を払った人しかコンテンツにアクセスできないので、視聴者はすごく限定的だし、「口外厳禁」をルールにしてるんです。そうすると、大物の方々も安心して、普段テレビでは話さないようなコアなことをしゃべってくれるんですよ。

本当は動画アーカイブもあったほうが、絶対に会員も増えるんで、アーカイブ残したいんですよ。でも、配信開始した1カ月後には消えるという制約があるから、プロダクションも渋々認めてくれてるという事情もある。オンラインサロンという限定されたクローズドな空間と、配信期限という時間的な制約があることで、ほかでは観られないコンテンツができてるのかな、とは思いますね。

カンニング竹山

カンニング竹山のSNS論。芸能人はミステリアスでなければいけない

──オンラインサロンでは、酔っぱらった竹山さんの動画や、日常の報告だったり、はたまた飲みながら生配信したり、プライベートの竹山さんも観られます。

竹山 月額の1000円は、あくまでも『竹山報道局』というトークショーのチケット代のつもりなんですけど、やっぱりそれだけだと申し訳なくて、プライベート動画もおまけで上げてますね。

たまに突発的に酒飲みながら生配信とかしますけど、僕みたいなおっさんが飲んでダラダラしゃべってるのを、40〜50人しか観てないっていうのもバカバカしくておもしろいんですよね。昔で言うところの『ニコ生』とやってることは変わらないんだけど(笑)。

────そうやってオンラインサロンでは、ファンの方とも交流されている竹山さんですが、「芸能人はSNSを双方向で使ってはいけない」という持論もお持ちですよね。

竹山 そうですね。やっぱり芸能の仕事やるからには、幻の部分が大切なんですよ。アイドルだけじゃなくて、僕みたいなおじさんでさえ、ミステリアスな部分がないと、芸能は成立しない。だからやっぱり、ファンとのコミュニケーションでは、一線は引いてますよ。

僕が若いとき、先輩芸人に「ライブ終わりに出待ちの客としゃべる芸人は絶対に売れない」と言われたんですけど、ほんとにそのとおりなんですよ。僕らの世代の芸人で、ファンと話し込むようなヤツらは、ほぼ100%消えました。それって、SNSでもまったく同じなんです。

今の時代、SNSを使って上手に宣伝するスキルは、タレントにとって必須です。でも、目の前のお客をつなぎ留めるために、双方向でコミュニケーションするのは無駄だと思いますね。友達とLINEしてる感覚をファンに味わわせるのは違うんじゃないですか。幻想が失われたら、ファンは離れていきますから。

カンニング竹山

──話をオンラインサロンに戻しますが、今年4月に『竹山報道局』から『TAKEFLIX』に名前を変更されましたよね。それはなぜですか。

竹山 『竹山報道局』を『TAKEFLIX』っていうテレビ局の一番組っていう扱いにしたんですよ。だから今は、髭男爵のひぐち君にワイン番組をやってもらったりしてますね。

最終的には『TAKEFLIX』を、2000人規模の視聴者がいるテレビ局にできたらいいなと思ってます。

──現在はメンバー数が約450人ですが、増減はありますか。

竹山 ありますねぇ。去年のクリスマスにピエール瀧さんを呼んだときは、ああいう時期だったのもあって、800人超えましたよ。ゲスト次第でけっこう増減はあるんです。がっつり固定の層は100人くらいじゃないですか。

あと、意外と業界人が入ってくれてるんですよ。たまに現場で、超売れっ子の放送作家さんとか、ディレクターさんから耳元で「観てますよ」って囁かれますから(笑)。みなさん守秘義務をちゃんと守ってくれて、その協力のおかげでクローズドな空間が保たれてますね。

カンニング竹山

やっぱりテレビが一番好きだけど……。衰退するテレビと“ミックスメディア”というアイデア

──マスメディアのテレビと、クローズドな発信をする現場の両極を、竹山さんは軽やかに行き来してますね。

竹山 今でこそそう言ってもらえてうれしいけど、僕も最初に「インターネットで番組やりませんか?」って言われたときは、そんなのやりたくねぇよ!って思いましたよ(笑)。当時はまだインターネット番組って“都落ち”感があったんです。

なんでやらなきゃいけねぇんだよと、正直半ば怒ってましたね。

でも、そこでコントを作ってたりするうちにどんどん楽しくなっちゃったんです。そして、これからのメディアのあり方ってこういうことかもしれない、とうすうす気づかされて。

カンニング竹山

YouTubeも10年くらい前に始めたんですけど、やってみたら自由で、案外楽しくて。そういう経験を経て、これからはインターネットメディアがスタンダードになるかもと思いましたね。だからABEMAで『カンニング竹山の土曜The NIGHT』が始まるころには、抵抗感はまったくなかったです。

そうこうしてるうちに、本当にテレビが衰退していくのを目の当たりにするわけですが……。でもやっぱり僕は、テレビが一番好きなんですよ。もともとテレビに出たくて、芸人になったくらいですから。

そこでテレビとインターネットがどうおもしろく共存できるかって考えたときに、僕はミックスメディアがいいんじゃないかと思ったんですね。

──ミックスメディアですか。

竹山 そう。ひとつの番組を、いろんな媒体で流すんです。(木梨)憲武さんのラジオ番組『土曜朝6時 木梨の会。』(TBSラジオ)がやってることですよ。ノリさんは、TBSラジオの番組に、GYAO!のカメラを入れたんです。

本当ならTBSってParaviという動画配信サービスを持ってるから、競合他社のカメラなんて嫌がるんですよ。でもそこを、ノリさんは、“木梨憲武”というビッグネームでねじ伏せた。僕がずっとやりたいと思ってたことを、あの人はすぐに叶えてしまったんです(笑)。僕なんかはタレントとして全然パワーがないから、いろんな権利関係を超えるところまでいけないんですよね。

カンニング竹山

──ミックスメディアのよさってなんでしょうか?

竹山 いい番組があっても、ひとつのメディアでしか観られないのって、もったいないじゃないですか。ひとつの番組の現場に、いろんな会社のカメラが入ってるのってワクワクしません?

あそこのテレビ局は正面から撮ってるけど、地方局は斜めのアングルしかないとか、YouTube配信に至っては、出演者がひとりしか見えないとか。どのメディアでも観られるんだけど、少しずつ観え方が変わるのっていいなと思うんです。

メディアが氾濫している今、番組がいろんな媒体を横断するのって絶対楽しいと思うんですよ。

オンラインサロンは「遊びの場」。仕事だったらつづかない

──竹山さんは今年50歳を迎えて、タレントとしては盤石だと思うのですが、なぜいまだにおもしろいことを追求できるんですか。

竹山 とにかくまだまだ売れたいんです。今でも相変わらずスターに憧れてますから。僕の思うスターってやっぱり楽しそうに遊んでるんですよね。だから僕もメディアを使って、仲間たちと遊びつづけていたい。

所ジョージさんもYouTubeやってるんですけど、そんなにバズってないんです。でも、あの人は、自分で撮って、編集して、アップするっていう一連の流れすら遊びにしてるんですよ。仕事じゃなくて遊びだから、所さんはつづけられるんでしょうね。

『TAKEFLIX』が当たればもちろんいいですけど、このまま盛大に失敗しても笑えるじゃないですか。そんな感じでずっと遊んでいければいいんです。

カンニング竹山

──コロナを機に、タレントのYouTubeチャンネルやオンラインサロンが急増しました。竹山さんは現状をどう見てますか。

竹山 結局、流行りに乗って始めたり、お金儲けで手をつけたりした人はつづかないでしょうね。僕なんかは、上質な大人のトーク番組を作りたいっていう気持ちで『TAKEFLIX』を始めたんで、おもしろいと思えてるうちは、お金が儲からなくてもずっとつづけますよ。

オンラインサロンは、たとえ数十人しか集まらなかったとしても、そいつらに俺の表現を見てほしい!っていう強い思いがないとつづかない。逆にいうと、そういう表現欲求が強いタレントやクリエイターを最大限サポートしてくれるシステムだから、やりたいことがあるヤツはどんどん利用したらいいですよね。CAMPFIREコミュニティ、おすすめですよ。

カンニング竹山

「CAMPFIREコミュニティ」とは

CAMPFIREコミュニティは、月額制のオンラインコミュニティを誰でも作れるプラットフォーム。日本最大のクラウドファンディング「CAMPFIRE」で集まった仲間とつながりつづけたいという思いから生まれた。これまでに4500件ものコミュニティが作られ、ファンクラブをはじめレッスン、サロンや定期便など、さまざまなスタイルで運営されている。


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    ※チェキのパターンのご希望は承れません。
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安里和哲

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安里和哲

(あさと・かずあき)ライター。1990年、沖縄県生まれ。ブログ『ひとつ恋でもしてみようか』(https://massarassa.hatenablog.com/)に日記や感想文を書く。趣味範囲は、映画、音楽、寄席演芸、お笑い、ラジオなど。執筆経験『クイック・ジャパン』『週刊SPA!』『Maybe!』..

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