僕たちは、ニューロティカに育てられちゃった芸人です。ハチミツ二郎、小峠英二、まちゃまちゃwithアツシ「武道館大丈夫?座談会」

2021.12.17


バンドブームの打ち上げ事情

──当時、ライブとかは観に行っていましたか?

二郎 『イカ天』が始まったころは中3で岡山にいたんですけど、翌年、15歳で上京したんですよ。おかげで、THE BLUE HEARTSやJITTERIN’ JINN、COMPLEX……バンドブーム全盛期にいろんなライブを観に行けましたね。もう、当時の東京は小田急線も山手線もギター持っているヤツばっかりで。

ニューロティカ
地方で違うバンドブーム事情で盛り上がる

小峠 そういう感じだったんだ!

まちゃ 私は千葉なんで、行こうと思えば東京まで行けないこともないんだけど、中学生にとってはすごく遠く感じて。カステラが大好きだったんで、新宿ロフトまでカステラを観に行って、終電を気にしながら帰る……みたいな中2の夏休みの大冒険をしていました。

小峠 中学生のとき、一番最初に見たのは福岡市民会館でやったLINDBERGのライブだったんですけど、地元は田川市っていうすごい田舎なんで、おふたりのように気軽にライブを観に行ける環境ではなかったですね。でも高校生のころ、博多のBe-1っていうライブハウスでニューロティカのライブがあって、それは観に行きましたよ。

まちゃ 首に鎖巻いてたころ?

小峠 もう鎖を巻き終わったころ。シド・ヴィシャスに憧れて、首にそれっぽい鎖を巻いてたんですけど、金属アレルギーになっちゃって(笑)。

まちゃ 田舎あるあるだよね。どうにか近いアイテムを見つけようとして間違っちゃうっていう。

二郎 オレも、横浜市教育会館みたいなところでやったニューロティカを観ましたよ。

アツシ ああーやったやった、雨の日だ。

まちゃ そんなのよく覚えてるね。歌詞は覚えられないのに。

二郎 そのライブで完全にやられちゃって、ライブハウスにも通うようになって。代々木のボロアパートに住んで定時制の高校に通いつつ、新宿ロフトにも行っていたんですけど、岡山の感覚だから「終電までに帰らなきゃ」みたいな意識だったんですよ。でも、何回か電車に乗っているうちに「これ歩けるんじゃないか?」って気づいて。それからは深夜まで新宿ロフト周辺でフラフラしてましたね。そしたら、ロフトの入口であっちゃん(アツシ)がすべてのファンと抱き合ってて。

一同 (笑)。

ニューロティカ
すべてのファンと抱き合っていたアツシ

二郎 あとから聞いたら、ファンはあっちゃんと抱き合わないと打ち上げに出られないシステムだったらしいんですよ。知らないで見ていたから「どんだけモテる人がいるんだ」と驚愕しちゃって。

アツシ ライブのあと、深夜2時ごろには事務所の社長とかスタッフとかは帰っちゃうわけよ。それでもライブハウスの外で50~60人の客が待っているから、「打ち上げ入っていいぞー」って。そこでオレが待ち受けてるわけだ。ハグして、ほっぺにチューしないと入れないという。

まちゃ そういうのをやらせないために事務所があるんじゃないの?

アツシ あ、そっか。

まちゃ そっかじゃないよ。

なぜか数々の芸人を育て上げているニューロティカ

──当時、好きだったバンドは?

まちゃ やっぱりカステラとかThe ピーズとか……今と変わらないですね。

小峠 小学校までは音楽を聴くみたいな文化がまったくなくて、中学で出会った友達がバンドとかが好きで、そいつにいろいろ教えてもらった感じです。初めて買ったCDはJITTERIN’JINNの『Hi-King』で、バンドでコピーしてたという意味ではKATZEとかですね。

まちゃ ああ、「Good Times Bad Times」……中学生で!? でも田舎って同級生にひとりぐらい「なんかこいつメチャクチャ知ってるな」みたいなヤツがいたよね。

小峠 そうそう。「これかっこいいよ」ってニューロティカの『がむしゃら』も貸してもらったんですけど、ジャケットにピエロが写ってるから「こんなふざけたヤツ、いいわけねえだろ」って(笑)。

ニューロティカ『がむしゃら』(1992年発売)ピエロのジャケットではあるものの、ニューロティカとしては比較的真面目なデザイン
ニューロティカ『がむしゃら』(1992年発売)ピエロのジャケットではあるものの、ニューロティカとしては比較的まじめなデザイン

──シド・ヴィシャスに憧れてたら、ピエロには憧れないですよね。

小峠 でも「ボーカルはピエロだけど、かっこいいから聴いてみて」っていうので聴いてみたら本当にかっこよくって。

アツシ 『がむしゃら』は、いつもふざけたタイトルばかりだったから、たまにはまじめなタイトルにしようってことで出したんだけど、同じ日にとんねるずも『がむしゃら』っていうアルバムを出してて。レコード屋でウチのファンが「『がむしゃら』ください」って言うと、とんねるずを出されたってよく聞いたな。

まちゃ 田舎はすぐ間違えるのよ。私、カステラを予約したのに、米米CLUBを出されたことあるもん。「食い物」っていうのは合ってるけど!

二郎 オレは逆にジャケ買いなんですよ、ニューロティカ。『よっしゃ、よっしゃ、よっしゃーぁ』っていうアルバムは、金のジャケットに筆文字でタイトルしか書いてなくて、イチかバチかで買ってみて。

ニューロティカ『よっしゃ、よっしゃ、よっしゃーぁ』(1990年発売)このジャケットからどんなバンドなのかは読み取れない!
ニューロティカ『よっしゃ、よっしゃ、よっしゃーぁ』(1990年発売)このジャケットからどんなバンドなのかは読み取れない!

──ピエロのバンドだという認識は?

二郎 なかったです。伊集院光さんのラジオでよく曲はかかっていたので名前は知っていたんですけど。買って帰ってジャケットを開けたら、ピエロと土建のおっさんとAC/DCみたいなヤツが写ってる(笑)。

ニューロティカ『よっしゃ、よっしゃ、よっしゃーぁ』中ジャケ
ニューロティカ『よっしゃ、よっしゃ、よっしゃーぁ』中ジャケ

二郎 でも曲を聴いたら疾走感がすごくて! すぐに『ぴあ』でライブ情報を調べて、横浜のライブに行きましたもん。だからオレは本当に、一番好きなバンドはニューロティカですね。でも、人に言ってもあまり知っている人がいなくて……。

アツシ (笑)。

まちゃ 自分の中ではすごく大きい世界だと思ってたのに、学校の友達とかに言うと誰も知らないってよくあるよね。

二郎 でも芸人になってから、まちゃさんや小峠ちゃんもそうだし、ダイノジとか、それこそ野性爆弾の出囃子がニューロティカの「FUCKIN’XmAs」だったりとか。なぜかニューロティカ好きの芸人とたくさん出会って。いつの間にかニューロティカが数々の芸人を育て上げてるんですよ。

まちゃ 一応、コントもできるパンクバンドだから。

二郎 おもしろくはないんですけどね。

ニューロティカ
「育てられちゃった」芸人その1・ハチミツ二郎(東京ダイナマイト)
ニューロティカ
「育てられちゃった」芸人その2・まちゃまちゃ

姉ちゃんが彼氏と別れてバンドの夢が絶たれた


この記事の画像(全24枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

北村ヂン

Written by

北村ヂン

(きたむら・ぢん)1975年群馬県生まれ。各種面白記事でインターネットのみなさんのご機嫌を伺うライター&イラストレーター。藤子・F・不二雄先生に憧れ過ぎています。

CONTRIBUTOR

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。