DOKUSO映画館:PR

ハリウッド映画大好き芸人のこがけんが<インディーズ映画>に出会い、魅了されるまで【DOKUSO映画館対談】

2021.11.5

文=原 航平 撮影=西村 満 編集=森田真規


「映画を撮りたい」と思ったときに、気軽に挑戦できる便利な時代になった。紙とペンさえあれば漫画家を目指せたかつてのように、今はスマホ1台あれば映像を撮って編集して、公開することができる。

でも、やっぱりハードルは高い。その理由のひとつは、撮ったところでどうやって公開し、どうやって資金を回収したらいいのか、それがわからないからではないだろうか。クオリティを上げるためには、やはりそれなりの制作費用もかかる。

『DOKUSO(ドクソー)映画館』の代表・玉井雄大さんはそこに問題意識を持ち、「撮った映画を公開する場所」を、誰でも観られるインターネット上に作り上げた。DOKUSO映画館は、月額980円で700作品以上のインディーズ映画が見放題のサービス。コアな映画ファンにもうれしいし、有料であるからこそクリエイターの経済問題もある程度クリアされる。

今回はそんなインディーズ映画の世界に、大の映画好きとして知られるピン芸人、こがけんさんが突撃! これまでは「B級作品を楽しむイメージ」と敬遠していたインディーズ映画との距離が徐々に縮まっていく──。

DOKUSO映画館_CVボタン

2児の父、こがけんの映画ライフは困窮中!?

『M-1グランプリ2020』で、ユニットコンビ「おいでやすこが」として準優勝してからテレビや営業に引っ張りだこなこがけんさん。ハリウッド映画を題材にした「細かすぎて伝わらないモノマネ」などでも知られる大の映画好きであるが、多忙を極めるなかで最近の映画ライフはどんな感じなのだろう。

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映画は全然観れていませんね……。温かいご飯にありつくのも精一杯で。でも、最近だと『フリー・ガイ』『オールド』(共に2021年)あたりは観ましたよ。

やはりお忙しい……。それでもちょっとした合間の時間を縫って、サブスクや映画館に飛び込む映画への魂は捨てていない。

3年くらい前からホームシアターも整備していて、全然お金もないのにスピーカーをちょっとずつ増やしながら5.1chにまでしたんですよ。今は子供がいるのでずっと占領されてしまっているんですけどね(笑)。Blu-rayとかも最近は買っても溜まるばかりで、総じて映画ライフは困窮しています。

2児の父、そして売れっ子芸人ならではの悩みだ。この取材のテーマは「インディーズ映画との距離」。こがけんさんは、これまでインディーズ映画とどのように接してきたのだろうか。

今回のお話をいただくまではほとんど触れたことがなくて。『カメラを止めるな!』(2017年)とか、あれくらい話題になったものしか観たことがないです。B級作品を楽しむ感じというか、ちょっとカルト目線で楽しむ人が多いのかなというイメージを持っていました。そう思って実際にいくつか観させていただいたら、全然違って……。

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呪縛がないインディーズ映画の自由さ

こがけんさんには、事前にDOKUSO映画館を介して、代表の玉井さんがお薦めする3つの作品を観てきてもらった。その3本は、沖田修一『俺の切腹』(2010年)、渋谷悠『Repeat After Me』(2018年)、工藤梨穂『オーファンズ・ブルース』(2018年)。それぞれ監督の世界観が前面に出ている出色の作品たちだ。ここからは玉井さんへも質問をぶつけながら、映画談義に花を咲かせていく。

DOKUSO映画館の代表・玉井雄大さん(左)、こがけんさん(右)

めちゃくちゃレベルが高くて、「今、インディーズ映画を観ている」という印象は正直なかったんですよね。メジャー映画との差がわからないというか。違うのは「上映時間がまちまち」で「知らない人が出てる」ということくらい。インディーズ映画って、そもそもメジャー映画と明確に分類することはできるのでしょうか?

私たちも規模感的なところでの明確な規定はしてないんですよね。一応、東宝、松竹、東映といった大手配給会社が制作に関与していないものをインディーズ映画と呼んでいるんですけど、そうすると予算的に5000万円くらいのものもあれば、40万円くらいのものもあります。インディーズ映画は「商業的にいくら回収しなければいけない」というのがないものがほとんどなので、監督なりプロデューサーなり俳優が作りたいものを作っていて、それはメジャー映画にない濃密さが浮き出るところだと思います。

日本のメジャー映画って、「え、50人で回してんの?」ってくらい違う作品でもキャストが被るじゃないですか。時々、半分以上キャストが被ってて「……続編?」って思うこともあるくらい(笑)。

ありますあります(笑)。

それがないだけでも、インディーズ映画は観ていてめちゃくちゃ楽しいです。本来そうあるべきなんですよね。僕の映画の仕事も一緒で。『M-1』に出る前の僕が「映画が好きだ」ってどれだけ言っても、ひとつも映画関連の仕事は回ってこなかったですもん。ただ、知名度が上がったら急にたくさんお話をいただけるようになった。それってやっぱり、「資金を回収しないといけない」という意識が軸にあるからですよね。もちろんあくまで興行なので、しょうがない部分はありますけど。それがないインディーズ映画界は、これだけ自由なんだなって思いました。

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「不要不急」という存在の否定の渦中で

自由さがあるというのは、本当にそのとおりだと思います。その一方で、インディーズ映画であっても制作費を回収する仕組みがないとクリエイターは作品を作りつづけていけないし、業界に未来がない。まずは安心して上映できる場所が必要で。そう考えて、2020年1月にDOKUSO映画館を立ち上げました。

インディーズ映画を上映するミニシアターの数が年々減ってきているなか、新型コロナウイルスの流行によって、映画業界はより多くの問題に直面している。コロナ禍での映画の制作では、たとえば6人乗れた車をひと席空けにして3人で乗る対策をすることで、単純に考えてこれまでになかったお金がかかる。公開する場所、制作資金を回収できる見込みがあることは、インディーズ映画業界のライフラインとして無視できないものだ。

コロナが流行り始めたころ、業界にとって一番苦しかったのは、大々的に「不要不急」と言われてしまったことですよね。映画だけでなく、ほかのすべての芸術分野もしかり。

そうですよね。それは芸人もまったく同じで。「不要不急」って言われるのは僕たちの存在意義の否定のようなもので、あの時期は鬱っぽくなる芸人もまわりに多かったです。あれだけネタを作りつづけていた芸人が、「舞台がないなら作っても……」となっているのは切なかったです。

知り合いの映画監督にも「農家になる」って本気で言ってる人がいたり……。そこに対してDOKUSO映画館として何ができるかっていうのは、ずっと課題ではありましたね。見放題サービスとなると映画館からは半分敵って思われているところもあるんですけど、僕らはミニシアターを敵だと思ってないし、その文化を守っていきたいという想いを伝える努力をしてきました。今はコラボの話もあって、DOKUSO映画館でセレクションしたインディーズ映画をリアルな映画館で上映する企画が進行しています。

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原 航平

(はら・こうへい)ライター/編集者。1995年生まれ、兵庫県出身。映画好き。『リアルサウンド』『クイック・ジャパン』『キネマ旬報』『芸人雑誌』『メンズノンノ』などで、映画やドラマ、お笑いの記事を執筆。 縞馬は青い

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