私がしゃべるからこそ伝えられる言葉がある

──共演者の中山莉子さん（私立恵比寿中学）やラッパーのあっこゴリラさん、ニッチェの江上敬子さんなど、普段はなかなかご一緒する機会がないメンバーだと思いますが、一緒に稽古をしてみていかがですか？

横山　めちゃくちゃ刺激的ですよね。普段、AKB48ではダンスの振りも合わせたり、歌もユニゾンで歌うことも多くて、それはそれですごく楽しいんです。でも、舞台の上で自分の個性を強く打ち出していくことも楽しいんだなっていうのが徐々にわかってきて。みんながそろうわけじゃなくても、どんな人がいてもいいっていう多様性みたいなものが詰まった作品なんですごく楽しいです。

──普段のステージとはまた違った経験なんですね。

横山　今まさにAKB48の最新曲では、みんなでビシッと振りをそろえようとがんばっているところなので、それとはまた違ったおもしろさがあります。どっちも経験できるのはすごくありがたいですし、チャラン・ポ・ランタンのももさんと小春さんが歌唱指導をしてくれるんですけど、グループで歌うときとは発声も違って。

今まではきれいに音をはめてしっかり歌うことを意識していたんですけど、ひとりの声で伝えていく歌い方を教えてくださるので、すごく勉強になります。なんというか、心から湧き出る声をどう出していくか、気持ちをどう乗せていくか、っていうことを意識するようになって。それは歌だけじゃなくてセリフも同じ課題かもね、っていうふうに根本さんにも言ってもらいました。

──今回の舞台で演じるのは、「どこかの横山由依」という、横山さん本人のようで本人ではないような役柄ですよね。横山さんの普段の性格も、役に反映されているのでしょうか？

横山　今まで感じてきたこと、話してきたことが反映されているセリフもあったりなかったりするので（笑）、自分としても「これ、どっちなんだろう？」って思うくらいのリアルさなんですよね。根本さんは、普段のライブでのMCでの姿を観て台本を書きました、と言ってくださっていて。稽古ではまだそこまで辿り着けていないんですけど、私がしゃべるからこそ伝えられる言葉がある、と思ってくれているんだと思います。

台本も最初に読んだときは想像のナナメ上を行く感じだったんですけど（笑）、やっているうちに根本さんが世の中に対して感じている違和感みたいなものが、私も「めっちゃわかる！」と思って。だからとにかく、本番が楽しみなんです。

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